税額シミュレーションとは(全体像)
毎年の税負担を考えるとき、所得税だけ見ても全体はわからない。所得税と住民税を合わせて、1年間でいくら納めるかを見積もるのが税額シミュレーションだ。
押さえるのは、所得税(累進)と住民税(一律10%)を合算した年税額と、それを所得で割った実効税負担率。1つの税だけで判断しないのがFP2級でよく問われる。
詳しく:合算した年税額と実効税負担率
ここが記事の心臓部。合算の中身を表で押さえる。
税額シミュレーションの構成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得税 | 課税所得に超過累進(5〜45%)。所得税額に復興特別所得税2.1%が上乗せ |
| 住民税 | 所得割は一律10%(定率) |
| 総合年税額 | 所得税(+復興特別所得税)+住民税の合計 |
| 実効税負担率 | 総合年税額 ÷ 所得で見る、実際の負担の割合 |
ポイントは、所得税と住民税を合算して年税額を出すこと。所得税は累進で、住民税は一律10%。性質の違う2つを足して、はじめて1年の負担が見える。
そして大事なのが実効税負担率。所得税は累進だから「課税所得が高い=最高税率45%が全額にかかる」と思いがちだが、実際は増えた部分にだけ高い税率がかかる。だから総合年税額を所得で割った実効税負担率は、最高税率よりずっと低くなるのがふつうだ。負担の実感は実効税負担率で見るのがFP実務だ。税率や制度は変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「所得税(累進)と住民税(10%)を足して年税額を出し、所得で割って実際の負担割合を見る」とイメージするとラク。
要するに、税額シミュレーションは2つの税を合算し、実効税負担率で実際の負担をつかむもの、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:2つの税を合算する
①所得税(累進)と住民税(一律10%)を合算する
②合計が1年間の総合年税額になる
🔴 次に出る:実効税負担率
①総合年税額を所得で割った実際の負担割合
②最高税率がそのまま負担率になるわけではない
🟡 押さえると安定:それぞれの性質
①所得税は超過累進+復興特別所得税2.1%上乗せ
②住民税の所得割は一律10%の定率
よくある間違い
①「税額は所得税だけ見れば足りる」→ ✗ 住民税も合算して、1年間の総合的な税額を見積もる。
②「課税所得が高い人は、所得の45%がそのまま税金」→ ✗ 超過累進なので、実効税負担率は最高税率よりずっと低い。
③「住民税も所得税と同じ累進税率」→ ✗ 住民税の所得割は一律10%の定率。所得税の累進とは違う。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(合算する)
税額シミュレーションに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 税額は、所得税だけを見れば住民税は考えなくてよいものと決められているのである
- 税額は、住民税だけで所得税はいっさい考えないものと決められているものとされる
- 所得税と住民税を両方合算して、1年間の総合的な税額を見積もるのが基本になる
- 所得税と住民税は、いっさい合算してはいけないものと決められているのである
解答は 3 である。
所得税と住民税を合算して、1年間の総合的な税額を見積もるのが基本じゃ。1つの税だけでは全体が見えないからのう。
選択肢1の「所得税だけ」、選択肢2の「住民税だけ」、選択肢4の「合算してはいけない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 住民税も合算する |
| 2 | ✗ | 所得税も合算する |
| 3 | ✓ | 2つを合算して年税額で正しい |
| 4 | ✗ | 合算して全体を見る |
オリジナル問題2(実効税負担率)
実効税負担率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 課税所得が高い人は、所得の45%がそのまま税金になると決められているものとされる
- 実効税負担率は、所得とはいっさい関係なく決まるものと決められているものとされる
- 実効税負担率は、つねに所得税の最高税率と同じになると決められているのである
- 実効税負担率は総合年税額を所得で割ったもので、ふつう最高税率よりずっと低くなる
解答は 4 である。
実効税負担率は総合年税額を所得で割ったもので、超過累進だから最高税率よりずっと低くなる。実際の負担はこれで見るのじゃ。
選択肢1の「45%がそのまま」、選択肢2の「所得と関係なく決まる」、選択肢3の「最高税率と同じ」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 増えた部分にだけ高い税率 |
| 2 | ✗ | 所得をもとに計算する |
| 3 | ✗ | 最高税率より低くなる |
| 4 | ✓ | 年税額÷所得で最高税率より低いで正しい |
オリジナル問題3(それぞれの性質)
所得税と住民税の性質に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 所得税は超過累進で、住民税の所得割は一律10%の定率という大きな違いがある
- 所得税も住民税も、まったく同じ累進税率だと決められているものとされている
- 住民税の所得割は、所得税と同じ45%まで上がると決められているものとされる
- 所得税には復興特別所得税の上乗せがいっさいないものと決められているのである
解答は 1 である。
所得税は超過累進で、住民税の所得割は一律10%の定率という違いがある。性質が違う2つを合算するのじゃ。
選択肢2の「同じ累進」、選択肢3の「住民税も45%」、選択肢4の「復興特別所得税がない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 所得税は累進・住民税は一律10%で正しい |
| 2 | ✗ | 住民税の所得割は定率 |
| 3 | ✗ | 住民税の所得割は一律10% |
| 4 | ✗ | 復興特別所得税2.1%が上乗せ |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 税額シミュレーションは所得税(累進)+住民税(一律10%)を合算して年税額を出す。
- 🔴 実際の負担は実効税負担率(総合年税額÷所得)で見る。最高税率がそのまま負担率ではない。
- 🟡 所得税は超過累進+復興特別所得税2.1%、住民税の所得割は一律10%の定率。
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執筆: SikakuQuest編集部