住民税とは(全体像)
住民税は、住んでいる都道府県・市区町村に納める税。中身は2つに分かれる。
- 所得割 … 所得に応じてかかる。税率は一律10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。
- 均等割 … 所得に関係なく、だれでも同じ額(年5,000円程度)。
押さえるのは、所得税が所得の多い人ほど税率が上がる累進なのに対し、住民税の所得割は定率10%だということ。さらに、住民税は前年の所得をもとに課税される。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:所得税との違いと課税のしくみ
ここが記事の心臓部。所得税と並べて違いを押さえると整理しやすい。
所得税と住民税(所得割)の違い
| 所得税 | 住民税(所得割) | |
|---|---|---|
| 税率 | 超過累進(5〜45%) | 一律10%の定率 |
| いつの所得 | その年の所得 | 前年の所得 |
| 納め先 | 国 | 都道府県・市区町村 |
住民税のもう一方の柱が均等割。これは所得に関係なく定額でかかる。
住民税の2つの柱
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 所得割 | 課税所得 × 10%(道府県4%+市町村6%) |
| 均等割 | 定額(年5,000円程度) |
なお、所得税と住民税では基礎控除などの人的控除の額が少し違うため、その差を埋める調整控除というしくみもある。均等割の額や控除の内容は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「所得税は所得が多いほど税率が上がるが、住民税の所得割はだれでも一律10%。しかも去年の所得で決まる」とイメージするとラク。
要するに、住民税は所得割(一律10%)+均等割(定額)でできている。所得税のように税率が上がる累進ではなく、所得割は定率10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。そして、前年の所得をもとに課税される、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:所得割は一律10%の定率
①住民税の所得割は累進ではなく一律10%
②内訳は道府県民税4%+市町村民税6%
🔴 次に出る:前年の所得で課税
①住民税は前年の所得をもとに計算する
②所得税はその年の所得が対象
🟡 押さえると安定:均等割と調整控除
①均等割は所得に関係なく定額(年5,000円程度)
②所得税との人的控除の差を埋める調整控除がある
よくある間違い
①「住民税の所得割も累進で税率が上がる」→ ✗ 所得割は一律10%の定率。累進なのは所得税。
②「住民税はその年の所得に対してかかる」→ ✗ 住民税は前年の所得をもとに課税される。
③「均等割は所得が多い人ほど高くなる」→ ✗ 均等割は所得に関係なく定額(年5,000円程度)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(所得割の税率)
住民税の所得割に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 住民税の所得割は所得税と同じ超過累進で、所得が増えれば増えるほど税率も上がるものとされている
- 住民税の所得割は一律10%の定率で、道府県民税4%と市町村民税6%を合わせたものである
- 住民税の所得割は所得に関係なく、だれでも同じ定額で課されるものと決められている
- 住民税の所得割は、所得が一定額を超えたときにだけ、例外的に課されるものとされている
解答は 2 です。
住民税の所得割は、一律10%の定率なのよ。内訳は道府県民税4%+市町村民税6%なのね。所得税のような累進ではないのよ。
選択肢1は「累進」、選択肢3は「定額」、選択肢4は「一定額超だけ」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 累進ではなく定率10% |
| 2 | ✓ | 一律10%(4%+6%)で正しい |
| 3 | ✗ | 定額は均等割のほう |
| 4 | ✗ | 所得割は所得に応じてかかる |
オリジナル問題2(いつの所得に課税するか)
住民税の課税の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 住民税は、その年に得ている所得に対して、その年のうちにまとめて課税されるものとされる
- 住民税は、これから先に得る予定の所得を見積もって、先に課税されるものと決められている
- 住民税は、所得とはまったく関係なく、住んでいる年数の長さだけで税額が決まるものである
- 住民税は、前年の所得をもとに課税され、所得割と均等割を合わせて納めるものとされている
解答は 4 です。
住民税は、前年の所得をもとに課税されて、所得割と均等割を合わせて納めるのよ。去年の所得で決まるのがポイントなのね。
選択肢1は「その年の所得」、選択肢2は「先に見積もって」、選択肢3は「住んでいる年数」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 前年の所得が対象 |
| 2 | ✗ | 予定額ではなく前年の実績 |
| 3 | ✗ | 所得をもとに計算する |
| 4 | ✓ | 前年所得・所得割+均等割で正しい |
オリジナル問題3(均等割)
住民税の均等割に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 均等割は所得が多い人ほど高くなり、所得が少ない人ほど安くなるものと決められている
- 均等割は、所得割を納めた人は重ねて納める必要がなく、いっさい課されないものとされている
- 均等割は所得の大小に関係なく、だれでも同じ定額(年5,000円程度)で課されるものである
- 均等割は、住民税ではなく所得税の一部として、国に納めるものと決められているものとされている
解答は 3 です。
均等割は、所得の大小に関係なく、だれでも同じ定額(年5,000円程度)で課されるのよ。所得に応じて変わるのは所得割のほうなのね。
選択肢1は「所得で変わる」、選択肢2は「所得割を納めれば不要」、選択肢4は「国に納める所得税」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 均等割は定額 |
| 2 | ✗ | 所得割とは別に納める |
| 3 | ✓ | 定額(年5,000円程度)で正しい |
| 4 | ✗ | 地方に納める住民税の一部 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 所得割は一律10%の定率。道府県民税4%+市町村民税6%。累進なのは所得税。
- 🔴 前年の所得で課税。住民税は前年の所得をもとに計算する。
- 🟡 均等割と調整控除。均等割は定額(年5,000円程度)。所得税との人的控除の差を埋める調整控除がある。
次に学ぶ
- 所得税の計算(速算表) ── 超過累進で計算する所得税。定率の住民税との違いを並べて整理できる。
- 所得税の計算の枠組み ── 所得から税額までの流れ。住民税の所得割の土台にもなる課税所得を押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部