タックスプランニング実務とは(全体像)
タックスプランニングは、ルールの範囲内で、税負担をできるだけ軽くする計画づくり。FP2級では、ひとつの裏ワザではなく、複数の手立てを組み合わせる発想が問われる。
押さえるのは、代表的な手立てが何かということ。法人化の検討、家族への所得分散、経費の適切な計上、生命保険・iDeCo・NISAの活用。これらを状況に応じて組み合わせる。ここがFP2級で問われる。
詳しく:代表的な手立て
ここが記事の心臓部。代表的な手立てを並べて押さえると整理しやすい。
タックスプランニングの代表的な手立て
| 手立て | 中身 |
|---|---|
| 法人化(法人成り) | 所得が大きくなったら法人化を検討(目安は所得700万〜1,000万円) |
| 所得分散 | 家族へ所得を分け、累進税率の高い部分を避ける |
| 経費の計上 | 事業にかかった費用を適切に経費にする |
| 制度の活用 | 生命保険料控除・iDeCo・NISAなどを使う |
とくに問われるのが、法人化の判断。個人事業のままだと所得税の累進で税率が上がっていくため、所得が一定(おおむね700万〜1,000万円)を超えると、法人にしたほうが税負担を抑えられることがある。
個人事業と法人化の考え方
| 個人事業 | 法人化 | |
|---|---|---|
| かかる税 | 所得税(累進で上がる) | 法人税(中小は軽減税率あり) |
| 目安 | 所得が小さいうち | 所得700万〜1,000万円を超えるあたりから検討 |
大事なのは、ひとつの手法だけで決めないこと。法人化・所得分散・制度活用などを、その人の状況に合わせて組み合わせるのが実務の考え方。なお、税率や制度は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「節税はひとつの裏ワザに頼らず、法人化・所得分散・制度活用などを組み合わせて考える」とイメージするとラク。
要するに、タックスプランニング実務は、複数の手立てを組み合わせる総合戦略。代表的なのは、所得が大きくなったときの法人化(目安は所得700万〜1,000万円)、家族への所得分散、経費の計上、生命保険・iDeCo・NISAの活用。ひとつの手法だけで判断しない、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:複数の手立てを組み合わせる総合戦略
①ひとつの手法だけで決めない
②法人化・所得分散・経費・制度活用を組み合わせる
🔴 次に出る:法人化の目安
①所得が大きくなると法人化を検討
②目安は所得700万〜1,000万円あたり
🟡 押さえると安定:制度の活用
①生命保険料控除・iDeCo・NISAなどを使う
②家族への所得分散も手立てのひとつ
よくある間違い
①「節税はひとつの手法だけで決めればよい」→ ✗ 複数の手立てを組み合わせて考えるのが実務。
②「所得がいくらでも、個人事業のままが必ず得」→ ✗ 所得が大きくなると(目安700万〜1,000万円)法人化が有利なことがある。
③「タックスプランニングはルールを破る節税だ」→ ✗ ルールの範囲内で、制度を正しく使って税負担を軽くする工夫。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(総合戦略の考え方)
タックスプランニング実務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- タックスプランニングは、たったひとつの裏ワザだけで完結させるのが正しいやり方とされている
- タックスプランニングは、法人化や所得分散、制度活用などを組み合わせて税負担を軽くする工夫だ
- タックスプランニングは、税とは関係なく、もうけを最大化することだけを目的とするとされている
- タックスプランニングは、ルールを破ってでも税を限界まで減らすことを目的とするものとされる
解答は 2 です。
タックスプランニングは、法人化や所得分散、制度活用などを組み合わせて税負担を軽くする工夫なのよ。ひとつの手法だけで決めないのがポイントなのね。
選択肢1は「ひとつの裏ワザだけ」、選択肢3は「もうけ最大化だけ」、選択肢4は「ルールを破って」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 複数を組み合わせる |
| 2 | ✓ | 複数の手立ての組み合わせで正しい |
| 3 | ✗ | 税負担を軽くする工夫 |
| 4 | ✗ | ルールの範囲内で行う |
オリジナル問題2(法人化の目安)
個人事業から法人化の検討に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 個人事業は所得がいくら大きくなっても、法人化はいっさい検討する必要がないものとされている
- 法人化は、所得が年10万円を超えた時点で、だれもが必ず行わなければならないものとされる
- 法人化は、もうけのあるなしに関係なく、設立した瞬間に税が必ずゼロになるものとされている
- 所得が大きくなると(目安700万〜1,000万円)、個人事業より法人化が有利なことがある
解答は 4 です。
所得が大きくなると(目安は700万〜1,000万円あたり)、個人事業のままより法人化が有利なことがあるのよ。所得税の累進が重くなってくるからなのね。
選択肢1は「検討不要」、選択肢2は「10万円超で必須」、選択肢3は「税がゼロ」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 所得が大きいと法人化を検討する |
| 2 | ✗ | 10万円超で必須ではない |
| 3 | ✗ | 税がゼロになるわけではない |
| 4 | ✓ | 目安700万〜1,000万円で検討し正しい |
オリジナル問題3(制度の活用)
タックスプランニングで使う制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 生命保険料控除やiDeCo、NISAなどの制度も、税負担を軽くする手立てとして活用できる
- 節税に使える制度はいっさいなく、税は決まった額をそのまま払うしかないものとされている
- iDeCoやNISAは、税とはまったく関係がなく、節税の手立てにはならないものとされている
- 家族への所得分散は法律で禁止されていて、いかなる場合も認められないものとされている
解答は 1 です。
生命保険料控除やiDeCo、NISAなどの制度も、税負担を軽くする手立てとして活用できるのよ。こうした制度を組み合わせるのが実務なのね。
選択肢2は「制度はいっさいない」、選択肢3は「税と無関係」、選択肢4は「所得分散は禁止」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 制度を活用でき正しい |
| 2 | ✗ | 使える制度がある |
| 3 | ✗ | iDeCo・NISAは節税に役立つ |
| 4 | ✗ | 適正な所得分散は手立てのひとつ |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 複数の手立てを組み合わせる総合戦略。ひとつの手法だけで決めない。
- 🔴 法人化の目安。所得が大きくなると(目安700万〜1,000万円)法人化が有利なことがある。
- 🟡 制度の活用。生命保険料控除・iDeCo・NISA、家族への所得分散など。
次に学ぶ
- 法人税 ── 法人化したときにかかる税。中小法人の軽減税率とあわせて法人化の判断を深められる。
- 所得税の計算(速算表) ── 累進税率のしくみ。法人化の目安を理解する土台になる。
執筆: SikakuQuest編集部