平均課税とは(全体像)
所得税は累進税率なので、ある年だけ所得が一気に増えると、その年だけ高い税率がかかってしまう。これをやわらげるのが平均課税。
押さえるのは、対象が2種類あること。年ごとの変動が大きい変動所得と、一時的だが多額の臨時所得。これらが一定割合以上を占めるとき、税率を平らにならして計算できる。ここがFP2級で問われる。
詳しく:変動所得・臨時所得と平均課税
ここが記事の心臓部。まず、2つの所得が何を指すか。
平均課税の対象になる所得
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 変動所得 | 漁獲・のり養殖の所得、著作権の印税・原稿料など(年変動が大きい) |
| 臨時所得 | プロスポーツ選手の契約金、3年以上の期間の権利金など(一時的だが多額) |
これらが総所得金額の20%以上などの要件を満たすと、平均課税が使える。
平均課税のしくみ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 要件 | 変動所得・臨時所得が総所得金額の20%以上など |
| 効果 | 税率を平らにならして、累進が急に上がるのを緩和 |
なぜこれが必要かというと、たとえば作家が10年かけて書いた本の印税がある年にまとめて入ると、その年だけ所得が跳ね上がり、累進で高い税率がかかる。平均課税は、それを何年かに分けたように計算して、税率の急上昇をやわらげる。
なお、要件の割合などは改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「ある年だけドカッと増える所得に、高い税率がかかりすぎないようにならしてくれるしくみ」とイメージするとラク。
要するに、平均課税は、変動所得(漁獲・印税など)や臨時所得(契約金・権利金など)が、総所得金額の20%以上などの要件を満たすときに使える特例。累進税率が急に上がるのを緩和して、税負担をやわらげる、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:対象は変動所得と臨時所得
①変動所得=漁獲・のり養殖、著作権の印税・原稿料など
②臨時所得=プロの契約金、長期の権利金など
🔴 次に出る:平均課税の効果
①累進税率が急に上がるのを緩和する
②税率を平らにならして計算する
🟡 押さえると安定:要件
①変動所得・臨時所得が総所得金額の20%以上など
②要件を満たさないと平均課税は使えない
よくある間違い
①「給与所得にも平均課税が使える」→ ✗ 対象は変動所得と臨時所得。給与は対象外。
②「平均課税は税率を高くするしくみだ」→ ✗ 累進の急上昇をやわらげ、負担を軽くするしくみ。
③「金額がいくらでも、つねに平均課税が使える」→ ✗ 総所得金額の20%以上などの要件を満たす必要がある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(変動所得)
変動所得に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 変動所得とは、預金の利子のように、金額がほとんど変わらない所得のことをいうものとされる
- 変動所得とは、毎月決まった額が安定して入る給与所得や年金所得のことをさすものとされる
- 変動所得とは、土地や建物を売って一度だけ得る譲渡所得のことだけをさすものとされている
- 変動所得とは、漁獲やのり養殖の所得、著作権の印税・原稿料など、年変動の大きい所得をいう
解答は 4 です。
変動所得とは、漁獲やのり養殖の所得、著作権の印税・原稿料など、年によって大きく上下する所得のことなのよ。収入が安定しない仕事の所得なのね。
選択肢1は「利子」、選択肢2は「給与・年金」、選択肢3は「譲渡所得だけ」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 変動の大きい所得が対象 |
| 2 | ✗ | 安定した給与・年金ではない |
| 3 | ✗ | 譲渡所得だけを指すのではない |
| 4 | ✓ | 漁獲・印税など年変動の大きい所得で正しい |
オリジナル問題2(臨時所得)
臨時所得に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 臨時所得とは、プロスポーツ選手の契約金や、長期の権利金など、一時的だが多額の所得をいう
- 臨時所得とは、毎年必ず同じ額が入る家賃収入のことだけをさすものと決められている
- 臨時所得とは、コンビニで日々得る少額の売上のことだけをさすものと決められている
- 臨時所得とは、預金から毎月生まれるごくわずかな利子のことだけをさすものと決められている
解答は 1 です。
臨時所得とは、プロスポーツ選手の契約金や、3年以上の期間の権利金など、一時的だが多額の所得のことなのよ。一度にドカッと入るタイプなのね。
選択肢2は「毎年同じ家賃」、選択肢3は「日々の少額売上」、選択肢4は「わずかな利子」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 契約金・長期の権利金など多額で正しい |
| 2 | ✗ | 毎年同額の収入ではない |
| 3 | ✗ | 一時的に多額の所得が対象 |
| 4 | ✗ | わずかな利子ではない |
オリジナル問題3(平均課税の効果)
平均課税の効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 平均課税を使うと、その年の税率がむしろ高くなり、税負担が重くなってしまうものとされる
- 平均課税は、所得の種類や金額に関係なく、すべての人がつねに使えるものと決められている
- 平均課税は、要件を満たすと累進税率の急な上昇を緩和し、税負担をやわらげるしくみである
- 平均課税は、納める税額をあとから半分に減らせる制度で、申告そのものが不要になるとされる
解答は 3 です。
平均課税は、要件を満たすと累進税率の急な上昇を緩和して、税負担をやわらげるしくみなのよ。ある年だけ所得が跳ねる人を助けるのね。
選択肢1は「税率が高くなる」、選択肢2は「つねに全員」、選択肢4は「半分に減額・申告不要」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 負担はむしろ軽くなる |
| 2 | ✗ | 対象と要件がある |
| 3 | ✓ | 累進の急上昇を緩和し正しい |
| 4 | ✗ | 半分減額や申告不要ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 対象は変動所得と臨時所得。変動=漁獲・印税など、臨時=契約金・権利金など。
- 🔴 平均課税の効果。累進税率の急な上昇を緩和し、税負担をやわらげる。
- 🟡 要件。変動所得・臨時所得が総所得金額の20%以上など。
次に学ぶ
- 所得税の計算(速算表) ── 累進税率のしくみ。平均課税がなぜ必要かを理解する土台になる。
- 所得税の計算の枠組み ── 所得から税額までの流れ。特例がどこで効くかを押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部