借家権とは(全体像)
借家権は、アパートやマンションなど、他人の建物を借りて住む権利。土地を借りる借地権に対して、こちらは「建物」を借りる権利。
押さえるのは、借家にも2種類あること。契約を更新して住み続けられる普通借家と、決めた期限が来たら終わる定期借家。さらに高齢者向けの終身建物賃貸借もある。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:普通借家と定期借家
ここが記事の心臓部。普通借家と定期借家を並べて押さえると整理しやすい。
普通借家と定期借家
| 普通借家 | 定期借家 | |
|---|---|---|
| 更新 | できる(住み続けられる) | なし(期限で終わる) |
| 契約の方法 | 口頭でも可 | 書面での契約が必須 |
| 期間 | 1年未満は「期間の定めなし」扱い | 1年未満の契約もできる |
まず、定期借家は書面で契約しなければならない。そして、普通借家では1年未満の契約は「期間の定めがない」扱いになるのに対し、定期借家は1年未満の契約もそのまま有効にできる。
さらに、高齢者向けに終身建物賃貸借というしくみもある。借りた人が亡くなるまで住め、同居していた配偶者は契約を引き継げる。要件は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「普通借家は更新で住み続けられる、定期借家は期限で終わる。定期借家は“書面が必須・1年未満もOK”」とイメージするとラク。
要するに、借家権は、更新できる普通借家と、期限で終わる定期借家の2種類。定期借家は書面での契約が必須で、1年未満の契約もできる。高齢者向けには、同居配偶者が引き継げる終身建物賃貸借もある、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:普通借家と定期借家の対比
①普通借家=更新あり(住み続けられる)
②定期借家=期限で終わる
🔴 次に出る:定期借家の要件
①書面での契約が必須
②1年未満の契約もできる
🟡 押さえると安定:終身建物賃貸借
①高齢者向けで、借りた人が亡くなるまで住める
②同居していた配偶者は契約を引き継げる
よくある間違い
①「定期借家は口頭の約束だけで成立する」→ ✗ 定期借家は書面での契約が必須。
②「定期借家でも契約を更新して住み続けられる」→ ✗ 定期借家は更新がなく、期限が来たら終わる。
③「定期借家は1年未満の契約はできない」→ ✗ 定期借家は1年未満の契約もできる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(普通と定期の対比)
借家権の種類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 普通借家は更新して住み続けられ、定期借家は更新がなく、期限が来たら契約が終わることになる
- 普通借家も定期借家も、どちらも更新がなく、期限で必ず終わるものと決められている
- 借家権はすべて定期借家で、契約を更新して長く住み続けられるものはいっさいないとされている
- 借家権は建物ではなく、土地だけを借りる権利のことだと決められているものとされる
解答は 1 だ。
普通借家は更新して住み続けられ、定期借家は更新がなく期限が来たら契約が終わるぞ。「普通は続く、定期は終わる」だ。
選択肢2の「どちらも更新なし」、選択肢3の「すべて定期」、選択肢4の「土地を借りる権利」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 普通は更新・定期は期限で終わり正しい |
| 2 | ✗ | 普通借家は更新できる |
| 3 | ✗ | 普通借家もある |
| 4 | ✗ | 建物を借りる権利 |
オリジナル問題2(定期借家の要件)
定期借家に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 定期借家は、口頭の約束だけで成立し、書面はいっさい必要ないものと決められている
- 定期借家は、契約を何度でも更新して住み続けられるものと決められているものとされている
- 定期借家は、必ず1年以上の期間でなければ契約できないものと決められているものとされている
- 定期借家は、書面での契約が必ず必要で、1年未満の契約もそのまま有効にできるものである
解答は 4 だ。
定期借家は、書面での契約が必須で、1年未満の契約もそのまま有効にできるぞ。普通借家で1年未満にすると「期間の定めなし」扱いになるのとは違う、ここが引っかけだ。
選択肢1の「口頭だけ」、選択肢2の「更新できる」、選択肢3の「1年以上必須」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 書面での契約が必須 |
| 2 | ✗ | 定期借家は更新なし |
| 3 | ✗ | 1年未満の契約もできる |
| 4 | ✓ | 書面必須・1年未満も可で正しい |
オリジナル問題3(終身建物賃貸借)
終身建物賃貸借に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 終身建物賃貸借は、契約した翌日には必ず退去しなければならないものと決められている
- 終身建物賃貸借は高齢者向けで、同居していた配偶者は契約を引き継ぐことができるものである
- 終身建物賃貸借は、若い単身者だけが使えるもので、高齢者はいっさい使えないものと決められている
- 終身建物賃貸借は、建物ではなく土地を借りるしくみのことだと決められているものとされる
解答は 2 だ。
終身建物賃貸借は高齢者向けで、借りた人が亡くなるまで住め、同居していた配偶者は契約を引き継げるぞ。ずっと住み続けてもらうためのしくみだ。
選択肢1の「翌日に退去」、選択肢3の「若い単身者だけ」、選択肢4の「土地を借りる」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 亡くなるまで住める |
| 2 | ✓ | 高齢者向け・配偶者が引き継げて正しい |
| 3 | ✗ | 高齢者向けのしくみ |
| 4 | ✗ | 建物を借りるしくみ |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 普通と定期の対比。普通借家=更新あり、定期借家=期限で終わる。
- 🔴 定期借家の要件。書面での契約が必須、1年未満の契約もできる。
- 🟡 終身建物賃貸借。高齢者向けで、同居の配偶者は契約を引き継げる。
次に学ぶ
- 借地権 ── 土地を借りる権利。建物を借りる借家権との対比で押さえると混ざらない。
- 不動産売買契約(35条書面・37条書面) ── 不動産取引の契約のルール。賃貸と売買の契約をあわせて整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部