ポートフォリオ理論とは(全体像)
ポートフォリオとは、持っている資産の組み合わせのこと。1つの資産に集中するより、いくつかの資産に分けて持つ(分散投資)ほうが、リスクを抑えられるという考え方がポートフォリオ理論。
押さえるのは、分散投資でリスクが下がるしくみと、CAPMやβの意味。値動きが似ていない資産を組み合わせるとリスクが下がり、βは市場の動きへの感応度を表す。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:分散投資とCAPM・β
ここが記事の心臓部。まず、分散投資のしくみ。
分散投資のしくみ
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 相関が低い | 値動きが似ていない資産どうし |
| 効果 | 組み合わせると全体のリスクが下がる |
そして、CAPMとβ。
CAPMとβ
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| CAPM | 期待収益率=無リスク金利+β×市場リスクプレミアム |
| β(ベータ) | 市場全体の動きに対する個別資産の感応度 |
整理のコツは、まず相関の低い資産を組み合わせるとリスクが下がると押さえること。値動きが似ていない資産どうしなら、片方が下がっても片方で補える。次にβは市場への感応度。市場全体が動いたとき、その資産がどれくらい動くかを表す。CAPMはこのβを使って期待収益率を求める式。
なお、計算の問われ方は試験で変わることがある。受験する年度の最新の出題傾向もあわせて見ておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまりポートフォリオ理論は、「いくつかの資産に分けて持つことで、全体のリスクをやわらげる考え方」だとイメージするとラク。
要するに、値動きが似ていない(相関の低い)資産を組み合わせると、全体のリスクが下がる。片方が下がっても、もう片方で補えるからだ。そして、βは市場全体の動きへの感応度で、市場が動いたときにその資産がどれくらい動くかを表す。CAPMは、このβを使って「無リスク金利+β×市場リスクプレミアム」で期待収益率を求める。
ひっかけは「相関の高い資産を組み合わせるとリスクが下がる」という思い込み。相関が低い資産の組み合わせでリスクが下がる、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:相関の低い資産でリスクが下がる
①値動きが似ていない資産を組み合わせる
②全体のリスクを下げられる
🔴 次に出る:βとCAPM
①βは市場全体の動きへの感応度
②CAPMは無リスク金利+β×市場リスクプレミアム
🟡 押さえると安定:効率的フロンティア
①同じリスクで期待収益率が最大の組み合わせ
②分散投資で目指す形
よくある間違い
①「相関の高い資産を組み合わせると、リスクが下がる」→ ✗ 相関の低い(値動きが似ていない)資産でリスクが下がる。
②「βは、市場の動きとはいっさい関係のない数字である」→ ✗ βは、市場全体の動きへの感応度を表す。
③「分散投資をしても、全体のリスクはいっさい変わらない」→ ✗ 相関の低い資産を組み合わせると、全体のリスクが下がる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(分散投資)
分散投資に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 値動きがそっくりな資産だけを集めると、リスクが下がるものである
- 分散投資をしても、全体のリスクはいっさい変わらないものである
- 分散投資は、リスクとはまったく関係のない考え方のことである
- 値動きが似ていない相関の低い資産を組み合わせるとリスクが下がる
解答は 4 である。
値動きが似ていない相関の低い資産を組み合わせると、全体のリスクが下がるのじゃ。片方を片方で補えるぞ。
選択肢1は「そっくりな資産」、選択肢2は「変わらない」、選択肢3は「リスクと関係ない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 似ていない資産で下がる |
| 2 | ✗ | リスクが下がる |
| 3 | ✗ | リスクを下げる考え方 |
| 4 | ✓ | 相関の低い資産で下がり正しい |
オリジナル問題2(β)
β(ベータ)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- βは、利息の金額そのものだけを表すための数字のことである
- βは、市場全体の動きに対する資産の感応度を表すものである
- βは、市場の動きとはまったく関係なく決まる数字である
- βは、配当金だけを直接決めるための数字のことである
解答は 2 である。
βは、市場全体の動きに対する資産の感応度を表すのじゃ。市場が動いたときの動きやすさだぞ。
選択肢1は「利息の金額」、選択肢3は「市場と関係ない」、選択肢4は「配当を決める」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 利息の金額ではない |
| 2 | ✓ | 市場への感応度を表して正しい |
| 3 | ✗ | 市場の動きに関わる |
| 4 | ✗ | 配当を決める数字ではない |
オリジナル問題3(CAPM)
CAPMに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- CAPMは、無リスク金利とβと市場リスクプレミアムで収益率を求める
- CAPMは、株価だけを直接決めるための計算式のことを指すものである
- CAPMは、収益とはいっさい関係のない数字のことを指すものである
- CAPMは、利息をいっさい考えない計算式であると決められている
解答は 1 である。
CAPMは、無リスク金利+β×市場リスクプレミアムで期待収益率を求めるのじゃ。βを使う式だぞ。
選択肢2は「株価を決める」、選択肢3は「収益と関係ない」、選択肢4は「利息を考えない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | βを使い期待収益率を求めて正しい |
| 2 | ✗ | 株価を決める式ではない |
| 3 | ✗ | 期待収益率を求める |
| 4 | ✗ | 無リスク金利を使う |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 相関の低い資産でリスクが下がる。値動きが似ていない資産を組み合わせると、全体のリスクが下がる。
- 🔴 βとCAPM。βは市場への感応度、CAPMは無リスク金利+β×市場リスクプレミアム。
- 🟡 効率的フロンティア。同じリスクで期待収益率が最大になる組み合わせ。
次に学ぶ
- ESG・SDGs投資 ── 環境や社会も考える投資。分散投資の考え方とあわせて投資の見方を整理できる。
- 債券のリスク ── 価格や金利の動きによるリスク。分散の考え方とあわせてリスクを押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部