PL・施設賠償責任保険とは(全体像)
事業をしていると、製品やお店、預かり物が原因で他人に損害を与えてしまうことがある。その賠償に備えるのが、事業者向けの賠償責任保険。
押さえるのは、原因ごとに保険が分かれていること。製品の欠陥ならPL保険、施設の管理の不備なら施設賠償責任保険、預かった物の事故なら受託者賠償責任保険。どれが何をカバーするか、その違いがFP2級でよく問われる。
詳しく:3つの守備範囲
ここが記事の心臓部。3つの保険を、原因で整理する。
事業者向け賠償責任保険の3タイプ
| 保険 | 備える事故 |
|---|---|
| PL保険(生産物賠償責任保険) | 売った製品の欠陥で他人に損害を与えたとき |
| 施設賠償責任保険 | 店舗や工場など施設の管理の不備による事故 |
| 受託者賠償責任保険 | 預かった物を壊すなどの事故 |
整理のコツは2つ。
①原因で見分ける。「製品」ならPL保険、「施設の管理」なら施設賠償責任保険、「預かり物」なら受託者賠償責任保険。原因をたどると、どの保険かが見える。
②PL保険は販売後の事故。PL保険は、売った製品の欠陥が原因で起きた損害が対象。製造・販売した側の責任に備える。
なお、補償の細かい範囲は会社で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまりこの3つは、「事業のどこが原因で他人に損害を与えたか」で分かれた賠償保険だとイメージするとラク。
要するに、原因が製品ならPL保険(売った製品の欠陥で起きた損害)、原因が施設の管理なら施設賠償責任保険(店舗や工場の管理の不備による事故)、原因が預かり物なら受託者賠償責任保険(預かった物を壊すなどの事故)。
ひっかけは「全部まとめて一つの保険でカバーされる」という思い込み。原因ごとに保険が分かれている、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:3つの守備範囲の違い
①PL保険=売った製品の欠陥による損害
②施設賠償=施設の管理の不備/受託者賠償=預かり物の事故
🔴 次に出る:PL保険は販売後の事故
①製造・販売した製品の欠陥が原因
②売ったあとに起きた損害に備える
🟡 押さえると安定:原因で見分ける
①「製品か・施設か・預かり物か」で保険が決まる
②事業者が他人に与えた損害の賠償に使う
よくある間違い
①「PL保険は施設の管理の不備による事故に備える」→ ✗ 施設の管理の不備は施設賠償責任保険。PL保険は製品の欠陥。
②「受託者賠償責任保険は自社製品の欠陥に備える」→ ✗ 受託者賠償責任保険は預かった物の事故。製品の欠陥はPL保険。
③「3つの保険はどれも同じ事故に備える」→ ✗ 原因(製品・施設・預かり物)ごとに守備範囲が分かれている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(PL保険)
PL保険(生産物賠償責任保険)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- PL保険は、預かった物を壊したときの事故だけに備える保険であると決められている
- PL保険は、店舗や工場などの施設の管理の不備による事故だけしか対象にしないものとされている
- PL保険は、保険料を払うだけで何も補償されない仕組みであると法律で決められている
- PL保険は、売った製品の欠陥で他人に損害を与えたときの賠償に備える事業者向けの保険である
解答は 4 だよ。
PL保険は、売った製品の欠陥で他人に損害を与えたときの賠償に備える、事業者向けの保険なんだ。販売後の事故が軸だよ。
選択肢1は「預かった物の事故」、選択肢2は「施設の管理の不備」、選択肢3は「何も補償されない」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 預かり物は受託者賠償 |
| 2 | ✗ | 施設の管理は施設賠償 |
| 3 | ✗ | 賠償に備える保険 |
| 4 | ✓ | 製品の欠陥による損害に備え正しい |
オリジナル問題2(施設賠償責任保険)
施設賠償責任保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 施設賠償責任保険は、店舗や工場など施設の管理の不備による事故に備える事業者向けの保険である
- 施設賠償責任保険は、売った製品の欠陥による損害だけに備える保険であるとされている
- 施設賠償責任保険は、自分自身のケガの治療費だけを補う保険であると決められている
- 施設賠償責任保険は、施設という考え方そのものがなく、どんな事故でも対象になるものとされている
解答は 1 だよ。
施設賠償責任保険は、店舗や工場など施設の管理の不備による事故に備える、事業者向けの保険なんだ。施設が原因の事故が対象だよ。
選択肢2は「製品の欠陥」、選択肢3は「自分のケガ」、選択肢4は「どんな事故でも対象」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 施設の管理の不備に備え正しい |
| 2 | ✗ | 製品の欠陥はPL保険 |
| 3 | ✗ | 他人への賠償に備える |
| 4 | ✗ | 施設が原因の事故が対象 |
オリジナル問題3(受託者賠償責任保険)
受託者賠償責任保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 受託者賠償責任保険は、売った製品の欠陥による損害だけに備える保険であるとされている
- 受託者賠償責任保険は、預かった物を壊したときなどの事故に備える事業者向け保険である
- 受託者賠償責任保険は、施設の管理の不備による事故だけを対象にするものとされている
- 受託者賠償責任保険は、預かるという考え方がなく、保険料を払うだけのものとされている
解答は 2 だよ。
受託者賠償責任保険は、預かった物を壊すなどの事故に備える、事業者向けの保険なんだ。預かり物が原因の事故が対象だよ。
選択肢1は「製品の欠陥」、選択肢3は「施設の管理の不備」、選択肢4は「保険料を払うだけ」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 製品の欠陥はPL保険 |
| 2 | ✓ | 預かり物の事故に備え正しい |
| 3 | ✗ | 施設の管理は施設賠償 |
| 4 | ✗ | 預かり物の事故に備える |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つの守備範囲の違い。PL保険=製品の欠陥、施設賠償=施設の管理の不備、受託者賠償=預かり物の事故。
- 🔴 PL保険は販売後の事故。売った製品の欠陥で他人に損害を与えたときに備える。
- 🟡 原因で見分ける。「製品か・施設か・預かり物か」で、どの保険かが決まる。
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執筆: SikakuQuest編集部