ニーズ分析手法とは(全体像)
相談者が「貯金を増やしたい」と言ったとき、それだけが本当の課題とは限らない。口に出す要望(顕在ニーズ)の奥に、本人も気づいていない課題(潜在ニーズ)が隠れていることが多い。
押さえるのは、顕在ニーズと潜在ニーズの両方を引き出し、優先順位をつけて対策を決めること。表面の言葉だけで判断しないのがFP2級でよく問われる。
詳しく:2つのニーズと優先順位
ここが記事の心臓部。ニーズの種類と進め方を表で押さえる。
ニーズ分析の進め方
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 顕在ニーズ | 相談者が自分で口にする、はっきりした要望 |
| 潜在ニーズ | 本人も気づいていない、隠れた本当の課題 |
| 優先順位づけ | 緊急性と重要性のマトリクスで、対策の順番を決める |
ポイントは、顕在ニーズだけで満足しないこと。たとえば「保険を見直したい」という要望(顕在)の奥に、「万一のとき家族の生活が不安」という本当の課題(潜在)が隠れている。そこまで引き出してこそ、的を射た提案ができる。
引き出したニーズは、緊急性(急ぐか)と重要性(大事か)のマトリクスで整理する。両方が高いものから優先して対策する、というように順番を決める。すべてを一度にやろうとせず、優先順位をつけるのがFP実務だ。進め方は状況で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「口に出す要望(顕在)の奥にある本当の課題(潜在)まで引き出し、急ぐ・大事の順で対策する」とイメージするとラク。
要するに、ニーズ分析は顕在と潜在の両方を引き出し、緊急性・重要性で優先順位をつけるもの、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:顕在ニーズと潜在ニーズ
①顕在ニーズは相談者が口にするはっきりした要望
②潜在ニーズは本人も気づいていない隠れた課題
🔴 次に出る:両方を引き出す
①表面の要望だけで判断しない
②奥にある本当の課題まで引き出す
🟡 押さえると安定:優先順位づけ
①緊急性と重要性のマトリクスで整理する
②急ぐ・大事なものから順番に対策する
よくある間違い
①「相談者が口にした要望だけに応えれば十分」→ ✗ 奥に隠れた潜在ニーズまで引き出すのがFPの役割。
②「潜在ニーズは、本人がはっきり口にする要望のこと」→ ✗ 潜在ニーズは、本人も気づいていない隠れた課題のこと。
③「ニーズはすべて同時に、同じ優先度で対策する」→ ✗ 緊急性と重要性で優先順位をつけ、順番に対策する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(2つのニーズ)
ニーズ分析に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 潜在ニーズとは、相談者がはっきり口にする要望のことだと決められているのである
- 顕在ニーズも潜在ニーズも、まったく同じものだと決められているものとされている
- ニーズはすべて顕在ニーズだけで、潜在ニーズは存在しないものとされているのである
- 潜在ニーズは本人も気づいていない隠れた課題で、顕在ニーズは口にする要望である
解答は 4 である。
潜在ニーズは本人も気づいていない隠れた課題で、顕在ニーズは口にする要望じゃ。この2つを分けて考えるのが出発点じゃ。
選択肢1の「潜在=口にする要望」、選択肢2の「同じもの」、選択肢3の「潜在は存在しない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 口にするのは顕在ニーズ |
| 2 | ✗ | 顕在と潜在は別もの |
| 3 | ✗ | 潜在ニーズも存在する |
| 4 | ✓ | 潜在は隠れた課題・顕在は要望で正しい |
オリジナル問題2(両方を引き出す)
ニーズの引き出し方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相談者が口にした要望にだけ応えれば、それで十分だと決められているのである
- 口にする要望だけでなく、その奥に隠れた本当の課題まで引き出すのがFPの役割
- 潜在ニーズは引き出さず、顕在ニーズだけを見ればよいものとされているのである
- ニーズは引き出す必要がなく、FPが勝手に決めてよいものと決められているのだ
解答は 2 である。
口にする要望だけでなく、奥に隠れた本当の課題まで引き出すのがFPの役割じゃ。表面の言葉だけで満足しないのじゃ。
選択肢1の「要望だけで十分」、選択肢3の「顕在だけ」、選択肢4の「FPが勝手に決める」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 潜在ニーズも引き出す |
| 2 | ✓ | 隠れた課題まで引き出すで正しい |
| 3 | ✗ | 潜在ニーズも見る |
| 4 | ✗ | 相談者のニーズを引き出す |
オリジナル問題3(優先順位づけ)
ニーズの優先順位づけに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ニーズは、すべて同時に同じ優先度で対策すると決められているものとされている
- 優先順位は、相談者のニーズとはいっさい関係なく決めるものとされているのである
- 緊急性と重要性のマトリクスで整理し、急ぐ・大事なものから順に対策を進めていく
- 優先順位は、つねに費用の安いものから決めると決められているものとされている
解答は 3 である。
緊急性と重要性のマトリクスで整理し、急ぐ・大事なものから順に対策していく。すべてを一度にやろうとしないのじゃ。
選択肢1の「すべて同時に同じ優先度」、選択肢2の「ニーズと関係なく」、選択肢4の「費用の安い順」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 優先順位をつけて対策する |
| 2 | ✗ | ニーズをもとに決める |
| 3 | ✓ | 緊急性・重要性で順に対策で正しい |
| 4 | ✗ | 緊急性と重要性で決める |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ニーズには顕在(口にする要望)と潜在(隠れた本当の課題)の2つがある。
- 🔴 表面の要望だけで判断せず、奥の課題まで引き出すのがFPの役割。
- 🟡 引き出したニーズは緊急性と重要性のマトリクスで優先順位をつけ、順に対策する。
次に学ぶ
- マネープラン6ステップ ── ニーズ分析が位置づく相談プロセス全体の流れ。あわせて押さえられる。
- 総合ライフプラン分析 ── 引き出したニーズをもとに家計をまるごと分析する進め方。
執筆: SikakuQuest編集部