給与所得と特定支出控除とは(全体像)
会社員などが受け取る給与は、給与所得になる。給与の収入から、自動的に給与所得控除という決まった額を引いて計算する。これに加えて、条件を満たすと使えるのが特定支出控除。
押さえるのは、特定支出控除の要件と、対象になる支出、そして証明が必要なこと。給与所得控除額の2分の1を超える特定支出が条件で、ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:特定支出控除の要件と対象
ここが記事の心臓部。まず、特定支出控除の要件。
特定支出控除の要件
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 要件 | 特定支出が給与所得控除額の2分の1を超えること |
| 控除できる額 | その超えた分を給与所得から引ける |
| 手続き | 会社の証明などが必要 |
そして、対象になる支出。
特定支出の主な例
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 通勤費 | 通勤にかかる費用 |
| 転居費 | 転勤などの引っ越し費用 |
| 研修費・資格取得費 | 仕事に必要な研修や資格の費用 |
整理のコツは、まず要件は給与所得控除額の2分の1超だと押さえること。通勤費や研修費などの特定支出が、給与所得控除額の半分を超えたら、その超えた分を控除できる。そして、使うには会社の証明などが必要。
なお、対象や要件は改正で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり給与所得は、「給与所得控除を引いて計算し、条件を満たせば特定支出控除も使える所得」だとイメージするとラク。
要するに、給与の収入からまず給与所得控除を引く。そのうえで、通勤費・転居費・研修費・資格取得費などの特定支出が、給与所得控除額の2分の1を超えたら、その超えた分を特定支出控除として引ける。ただし、使うには会社の証明などが必要になる。
ひっかけは「特定支出控除は、支出が少しでもあれば使える」という思い込み。給与所得控除額の2分の1を超えることが条件、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:要件は給与所得控除額の2分の1超
①特定支出が給与所得控除額の2分の1を超える
②その超えた分を控除できる
🔴 次に出る:対象になる支出
①通勤費・転居費
②研修費・資格取得費など
🟡 押さえると安定:証明が必要
①使うには会社の証明などがいる
②給与所得控除はまず自動で引く
よくある間違い
①「特定支出控除は、支出が少しでもあれば使える」→ ✗ 特定支出が、給与所得控除額の2分の1を超えることが条件。
②「特定支出控除は、証明がいっさいなくても使える」→ ✗ 使うには、会社の証明などが必要。
③「給与所得は、給与所得控除を引かずに計算する」→ ✗ 給与の収入から、まず給与所得控除を引いて計算する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(特定支出控除の要件)
特定支出控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 特定支出控除は、支出がほんの少しでもあれば必ず使えるものとされている
- 特定支出が給与所得控除額の2分の1を超えたら、超えた分を控除できる
- 特定支出控除は、給与所得とはまったく関係のないもののことである
- 特定支出控除は、収入そのものを直接ふやすためのものである
解答は 2 です。
特定支出が給与所得控除額の2分の1を超えたら、その超えた分を控除できるのよ。半分を超えるのが条件なのね。
選択肢1は「少しでも使える」、選択肢3は「関係ない」、選択肢4は「収入をふやす」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 2分の1を超えることが条件 |
| 2 | ✓ | 2分の1超の分を控除でき正しい |
| 3 | ✗ | 給与所得から引く |
| 4 | ✗ | 給与所得から引く控除 |
オリジナル問題2(対象になる支出)
特定支出の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 特定支出には、通勤費や転居費、研修費や資格取得費などがある
- 特定支出には、対象という考え方がいっさいないものとされている
- 特定支出は、仕事とはまったく関係のない費用だけが対象である
- 特定支出は、給与所得とはいっさい関係のないもののことである
解答は 1 です。
特定支出には、通勤費や転居費、研修費や資格取得費などがあるのよ。仕事に必要な費用なのね。
選択肢2は「対象がない」、選択肢3は「仕事と関係ない費用」、選択肢4は「関係ない」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 通勤費や研修費などで正しい |
| 2 | ✗ | 対象が決まっている |
| 3 | ✗ | 仕事に必要な費用が対象 |
| 4 | ✗ | 給与所得から引く |
オリジナル問題3(証明)
特定支出控除の手続きに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 特定支出控除は、会社の証明がいっさいなくても使えるものである
- 特定支出控除は、手続きという考え方がいっさいないものである
- 特定支出控除を使うには、会社による証明書などが必要である
- 特定支出控除は、給与をいっさい受け取らない人だけが使える
解答は 3 です。
特定支出控除を使うには、会社の証明などが必要なのよ。支出があったことを示すのね。
選択肢1は「証明がなくても」、選択肢2は「手続きがない」、選択肢4は「給与を受け取らない人」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 証明などが必要 |
| 2 | ✗ | 手続きがある |
| 3 | ✓ | 会社の証明などが必要で正しい |
| 4 | ✗ | 給与所得のある人が使う |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 要件は給与所得控除額の2分の1超。特定支出が給与所得控除額の2分の1を超えたら、超えた分を控除できる。
- 🔴 対象になる支出。通勤費・転居費・研修費・資格取得費など。
- 🟡 証明が必要。特定支出控除を使うには、会社の証明などがいる。
次に学ぶ
- 事業所得(必要経費) ── 自営業の経費の考え方。給与所得の控除とあわせて所得の計算を整理できる。
- 所得税の計算の枠組み ── 所得税の計算の流れ。所得の種類ごとの計算とあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部