事業所得(必要経費)とは(全体像)
事業所得は、自分で商売をして得る所得。売上から、その売上を得るためにかかった必要経費を引いて計算する。何を経費にできるか、どう計上するかがFP2級で問われる。
押さえるのは、家事関連費の按分と、減価償却。プライベートと事業が混ざった費用は事業分だけ、高い資産は何年かに分けて経費にする。ここがよく問われる。
詳しく:家事関連費の按分と減価償却
ここが記事の心臓部。まず、家事関連費の按分。
家事関連費の按分
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 家事関連費 | 家賃・水道光熱費など、生活と事業が混ざった費用 |
| 按分 | 事業に使った部分だけを経費にする |
そして、高い資産の減価償却。
減価償却
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 建物や車など、長く使う高い資産 |
| 方法 | 法定耐用年数にわたって定額法や定率法で経費にする |
整理のコツは、まず家事関連費は事業分だけ按分だと押さえること。自宅を事務所にも使うなら、家賃のうち事業に使った割合の分だけを経費にする。全額は経費にできない。次に高い資産は減価償却。建物や車は、買った年に全額ではなく、法定耐用年数にわたって定額法や定率法で少しずつ経費にする。
なお、経費の取り扱いは改正で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり事業所得の必要経費は、「事業のためにかかった分だけを、決まったルールで経費にする」とイメージするとラク。
要するに、自宅をお店や事務所に使う場合の家賃や水道光熱費などの家事関連費は、生活と事業が混ざっているので、事業に使った部分だけを按分して経費にする。そして、建物や車のような長く使う高い資産は、買った年に全額ではなく、法定耐用年数にわたって定額法や定率法で少しずつ経費にしていく(減価償却)。
ひっかけは「自宅兼事務所の家賃は、全額を経費にできる」という思い込み。事業に使った部分だけを按分する、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:家事関連費は事業分だけ按分
①生活と事業が混ざった費用が家事関連費
②事業に使った部分だけを経費にする
🔴 次に出る:高い資産は減価償却
①建物や車などが対象
②法定耐用年数で定額法や定率法
🟡 押さえると安定:必要経費の考え方
①売上を得るためにかかった費用
②事業のための分だけを経費にする
よくある間違い
①「自宅兼事務所の家賃は、全額を経費にできる」→ ✗ 事業に使った部分だけを按分して経費にする。
②「建物や車は、買った年に全額を経費にする」→ ✗ 法定耐用年数にわたって、定額法や定率法で減価償却する。
③「家事関連費は、いっさい経費にできない」→ ✗ 事業に使った部分は、按分して経費にできる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(家事関連費の按分)
家事関連費に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 自宅兼事務所の家賃は、生活分も含めて全額を経費にできるものである
- 家事関連費は、事業に使った部分だけを按分して経費にするものである
- 家事関連費は、いっさい経費にできないものと決められている
- 家事関連費は、事業所得とはまったく関係のないもののことである
解答は 2 です。
家事関連費は、事業に使った部分だけを按分して経費にするのよ。全額ではないのね。
選択肢1は「全額を経費」、選択肢3は「経費にできない」、選択肢4は「関係ない」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 事業分だけを按分する |
| 2 | ✓ | 事業に使った部分だけで正しい |
| 3 | ✗ | 事業分は経費にできる |
| 4 | ✗ | 事業所得の必要経費 |
オリジナル問題2(減価償却)
減価償却に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建物や車は、買った年に必ず全額を経費にするものとされている
- 減価償却は、経費という考え方とはいっさい関係がないものである
- 建物や車は、法定耐用年数にわたって定額法や定率法で経費にする
- 減価償却は、売上そのものを直接ふやすための計算であるとされている
解答は 3 です。
建物や車などの高い資産は、法定耐用年数にわたって定額法や定率法で経費にするのよ。少しずつ経費にするのね。
選択肢1は「買った年に全額」、選択肢2は「経費と関係ない」、選択肢4は「売上をふやす」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 何年かに分けて経費にする |
| 2 | ✗ | 経費にする計算 |
| 3 | ✓ | 法定耐用年数で経費にして正しい |
| 4 | ✗ | 経費にする計算 |
オリジナル問題3(必要経費)
事業所得の必要経費に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 必要経費は、売上を得るためにかかった費用を経費にするものである
- 必要経費は、プライベートの費用も必ず全額を経費にするものである
- 必要経費は、事業所得の計算とはいっさい関係のないものである
- 必要経費は、売上をいっさい引かずに計算するものとされている
解答は 1 です。
必要経費は、売上を得るためにかかった費用を経費にするのよ。事業のための費用なのね。
選択肢2は「プライベートも全額」、選択肢3は「関係ない」、選択肢4は「引かずに計算」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 売上のための費用で正しい |
| 2 | ✗ | プライベート分は除く |
| 3 | ✗ | 事業所得の計算で使う |
| 4 | ✗ | 売上から経費を引く |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 家事関連費は事業分だけ按分。生活と事業が混ざった費用は、事業に使った部分だけを経費にする。
- 🔴 高い資産は減価償却。建物や車は、法定耐用年数にわたって定額法や定率法で経費にする。
- 🟡 必要経費の考え方。売上を得るためにかかった、事業のための費用を経費にする。
次に学ぶ
- 不動産所得と青色申告特別控除 ── 不動産所得の経費や控除。事業所得の経費とあわせて整理できる。
- 所得税の計算の枠組み ── 所得税の計算の流れ。所得の種類ごとの計算とあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部