区分所有とは(全体像)
マンションは、1棟の建物の中に多くの所有者がいる。各自の部屋(専有部分)は自分のものだが、廊下やエレベーターなど共用部分はみんなで使う。こうした建物のルールを定めたのが区分所有法。
押さえるのは、みんなで決めごとをするときの決議の割合。重い決定ほど、より多くの賛成が必要になる。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:決議に必要な賛成の割合
ここが記事の心臓部。決議の種類で必要な割合が変わる。
集会の決議に必要な賛成の割合
| 決議の内容 | 必要な賛成 |
|---|---|
| 通常の事項 | 過半数 |
| 管理規約の変更 | 4分の3以上 |
| 建替え | 5分の4以上 |
ポイントは、事の重さで割合が上がること。日常の決めごとは過半数で足りるが、ルールそのものを変える管理規約の変更は4分の3以上、いちばん重い建替えは5分の4以上の賛成が必要。「過半数→4分の3→5分の4」と並べて覚える。
また、管理費や修繕積立金を滞納した人に対しては、ほかの区分所有者などが先取特権(優先的に回収できる権利)を持つ。割合や要件は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「みんなで決めるとき、ふつうは過半数、ルール変更は4分の3、建替えは5分の4。重い決定ほど多くの賛成がいる」とイメージするとラク。
要するに、区分所有の決議は、通常の事項=過半数、管理規約の変更=4分の3以上、建替え=5分の4以上。滞納者には先取特権がある、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:決議の3段階
①通常の事項=過半数
②管理規約の変更=4分の3以上
🔴 次に出る:建替えは5分の4以上
①いちばん重い決定が建替え
②建替えは5分の4以上の賛成が必要
🟡 押さえると安定:滞納者への先取特権
①管理費などを滞納した人に対して使える
②優先的に回収できる権利
よくある間違い
①「管理規約の変更は過半数でできる」→ ✗ 管理規約の変更は4分の3以上の賛成が必要。
②「建替えは過半数でできる」→ ✗ 建替えはいちばん重く、5分の4以上の賛成が必要。
③「管理費を滞納しても、なんのペナルティもない」→ ✗ 滞納した人には先取特権が及ぶ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(通常の事項)
区分所有の集会での通常の事項の決議に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 通常の事項の決議は、全員の賛成がなければいっさい決められないものと決められている
- 通常の事項の決議は、原則として、過半数の賛成さえあれば決めることができるものである
- 通常の事項の決議も、必ず5分の4以上の賛成がなければできないものと決められている
- 通常の事項は決議そのものが認められず、管理者が1人で勝手に決めるものと決められている
解答は 2 だ。
通常の事項の決議は、原則として過半数の賛成で決めることができるぞ。日常の決めごとは過半数で足りる、だ。
選択肢1の「全員賛成」、選択肢3の「5分の4以上」、選択肢4の「管理者が1人で」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 過半数で足りる |
| 2 | ✓ | 原則として過半数で決められて正しい |
| 3 | ✗ | 5分の4は建替え |
| 4 | ✗ | 集会の決議で決める |
オリジナル問題2(規約変更と建替え)
区分所有の決議に必要な賛成の割合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 管理規約の変更も建替えも、どちらも過半数の賛成があればできるものと決められている
- 管理規約の変更は5分の4以上、建替えは過半数で、建替えのほうが軽いものとされている
- 管理規約の変更も建替えも、どちらも全員の賛成がなければできないものと決められている
- 管理規約の変更は4分の3以上で、建替えは5分の4以上の賛成がそれぞれに必要である
解答は 4 だ。
管理規約の変更は4分の3以上、建替えは5分の4以上の賛成が必要だ。「過半数→4分の3→5分の4」と階段で覚えておけ。
選択肢1の「どちらも過半数」、選択肢2の「建替えが過半数で軽い」、選択肢3の「どちらも全員」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 過半数では足りない |
| 2 | ✗ | 建替えがいちばん重い |
| 3 | ✗ | 全員賛成までは不要 |
| 4 | ✓ | 規約4分の3・建替え5分の4で正しい |
オリジナル問題3(滞納者への先取特権)
管理費などを滞納した区分所有者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 管理費を滞納しても、ほかの区分所有者などは何の権利も持てないものと決められている
- 管理費の滞納は、区分所有とはいっさい関係のないことだと決められているものとされる
- 管理費などを滞納した人に対しては、ほかの区分所有者などが先取特権を持つことができる
- 管理費を滞納すると、ただちにその部屋が国に没収されるものと決められているものとされる
解答は 3 だ。
管理費などを滞納した人に対しては、ほかの区分所有者などが先取特権(優先的に回収できる権利)を持つぞ。滞納はきちんと回収できるしくみだ。
選択肢1の「何の権利も持てない」、選択肢2の「関係ない」、選択肢4の「国に没収」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 先取特権を持てる |
| 2 | ✗ | 区分所有に関わる |
| 3 | ✓ | 滞納者に先取特権が及び正しい |
| 4 | ✗ | 国に没収されるわけではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 決議の3段階。通常の事項=過半数、管理規約の変更=4分の3以上。
- 🔴 建替えは5分の4以上。いちばん重い決定が建替え。
- 🟡 滞納者への先取特権。管理費などを滞納した人に対して使える。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部