建蔽率とは(全体像)
建蔽率は、「敷地のうち、どれだけを建物でおおえるか」の割合。建蔽率が高いほど、敷地いっぱいに広い建物を建てられる。
押さえるのは、計算式(建築面積÷敷地面積)、用途地域ごとの上限、そして上限を広げる緩和の3つ。とくに緩和と、複数の用途地域にまたがる敷地の計算がFP2級でよく問われる。
詳しく:計算式・緩和・加重平均
ここが記事の心臓部。まず、計算式と上限。
建蔽率の計算と上限
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 計算式 | 建築面積 ÷ 敷地面積 |
| 上限の例 | 第一種低層住居専用地域30〜60%/商業地域80%など |
| 決まり方 | 用途地域ごとに上限が定められている |
次に、上限を広げる緩和。条件を満たすと、決められた建蔽率に上乗せできる。
建蔽率の緩和
| 条件 | 緩和 |
|---|---|
| 指定の角地 | +10% |
| 防火地域内の耐火建築物 | +10% |
| 両方に当てはまる | +20% |
たとえば建蔽率60%の地域で、指定の角地(+10%)かつ防火地域内の耐火建築物(+10%)なら、合わせて80%まで建てられる。なお、建蔽率80%の地域で防火地域内の耐火建築物のときは、建蔽率の制限がなくなる扱いになる。
最後に、2つの用途地域にまたがる敷地。このときは、それぞれの地域の上限を面積で按分した加重平均で全体の上限を出す。具体的な上限の%は地域や改正で変わるため、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「敷地のどれだけを建物でおおえるか=建築面積÷敷地面積。角地や耐火で枠が+10%ずつ広がり、地域をまたぐと面積で平均する」とイメージするとラク。
要するに、建蔽率は建築面積÷敷地面積で、上限は用途地域ごとに決まる。指定の角地で+10%、防火地域内の耐火建築物で+10%(両方なら+20%)の緩和があり、2つの地域にまたがる敷地は加重平均で計算する、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:建蔽率=建築面積÷敷地面積
①分子は建築面積(真上から見た広さ)
②上限は用途地域ごとに決まる
🔴 次に出る:緩和は+10%ずつ
①指定の角地で+10%
②防火地域内の耐火建築物で+10%(両方なら+20%)
🟡 押さえると安定:地域をまたぐ敷地
①2つの用途地域にまたがる敷地は加重平均で計算
②面積で按分して全体の上限を出す
よくある間違い
①「建蔽率は延べ床面積を使って計算する」→ ✗ 建蔽率の分子は建築面積。延べ床面積を使うのは容積率。
②「角地でも耐火建築物でも、緩和はいっさいない」→ ✗ 指定の角地で+10%、防火地域内の耐火建築物で+10%の緩和がある。
③「2つの地域にまたがる敷地は、低いほうの上限だけを使う」→ ✗ 面積で按分した加重平均で全体の上限を計算する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(計算式)
建蔽率の計算に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建蔽率は、延べ床面積を敷地面積で割って求めるもので、各階の合計を使うものとされている
- 建蔽率は、建物の高さを敷地の奥行きで割って求める数値のことだと決められている
- 建蔽率は、建築面積(真上から見た建物の広さ)を敷地面積で割って求める割合のことである
- 建蔽率は、建物の購入価格を敷地の購入価格で割って求める倍率のことだとされている
解答は 3 だ。
建蔽率は、建築面積(真上から見た広さ)を敷地面積で割って求める割合だ。分子が“真上から見た広さ”だぞ。
選択肢1の「延べ床面積」(これは容積率)、選択肢2の「高さ÷奥行き」、選択肢4の「価格の倍率」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 延べ床面積を使うのは容積率 |
| 2 | ✗ | 高さや奥行きは使わない |
| 3 | ✓ | 建築面積÷敷地面積で正しい |
| 4 | ✗ | 価格の倍率ではない |
オリジナル問題2(緩和)
建蔽率の緩和に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 指定の角地は+10%、防火地域内の耐火建築物は+10%で、両方に当てはまれば+20%になる
- 建蔽率の緩和は何もなく、用途地域で決まった上限をいっさい超えられないものとされている
- 緩和は、建物が古いほど大きくなるしくみで、築年数が長くなるほど上限が上がっていくとされている
- 緩和は、敷地の値段が高い地域ほど自動で大きくなるものと決められているものとされている
解答は 1 だ。
緩和は、指定の角地で+10%、防火地域内の耐火建築物で+10%、両方に当てはまれば+20%だ。「角地で+10、耐火で+10」と唱えておけばよいぞ。
選択肢2の「緩和はない」、選択肢3の「築年数で上がる」、選択肢4の「値段で上がる」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 角地+10%・耐火+10%・両方+20%で正しい |
| 2 | ✗ | 緩和はある |
| 3 | ✗ | 築年数は関係ない |
| 4 | ✗ | 値段で決まらない |
オリジナル問題3(地域をまたぐ敷地)
2つの用途地域にまたがる敷地の建蔽率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2つの地域にまたがる敷地は、つねに高いほうの上限をそのまま全体に使うものとされている
- 2つの地域にまたがる敷地は、つねに低いほうの上限をそのまま全体に使うものとされている
- 2つの地域にまたがる敷地は、建蔽率という考え方そのものが適用されないものとされている
- 2つの地域にまたがる敷地は、それぞれの上限を面積で按分した加重平均で全体の上限を出す
解答は 4 だ。
2つの用途地域にまたがる敷地は、それぞれの上限を面積で按分した加重平均で全体の上限を出すぞ。「またがったら面積で割りふる」だ。
選択肢1の「高いほうだけ」、選択肢2の「低いほうだけ」、選択肢3の「適用されない」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 高いほうだけではない |
| 2 | ✗ | 低いほうだけでもない |
| 3 | ✗ | 加重平均で計算する |
| 4 | ✓ | 面積で按分した加重平均で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 計算式。建蔽率=建築面積÷敷地面積。上限は用途地域ごとに決まる。
- 🔴 緩和。指定の角地で+10%、防火地域内の耐火建築物で+10%(両方なら+20%)。
- 🟡 地域をまたぐ敷地。2つの用途地域にまたがるときは面積で按分した加重平均で計算。
次に学ぶ
- 建築基準法 ── 接道義務・建蔽率・容積率の全体像。建蔽率の位置づけを押さえられる。
- 居住用財産を売ったときの特例 ── 不動産を売ったときの税の特例。建てる側と売る側の両面で整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部