居住用財産を売ったときの特例とは(全体像)
マイホームを売って利益(譲渡益)が出ると税がかかるが、住まいの売却には負担を軽くする特例が用意されている。
押さえるのは、代表的な3つの特例と、その組み合わせのルール。3,000万円特別控除、10年超所有の軽減税率、買換特例。とくに「どれとどれを一緒に使えるか」が問われる。ここがFP2級でよく出る。
詳しく:3つの特例と組み合わせ
ここが記事の心臓部。まず、3つの特例の中身。
居住用財産を売ったときの主な特例
| 特例 | 中身 |
|---|---|
| 3,000万円特別控除 | 譲渡益から3,000万円を引ける |
| 軽減税率 | 所有期間10年超の居住用財産の譲渡益に軽い税率 |
| 買換特例 | 買い換えたとき、課税を将来に繰り延べる |
そして、いちばん問われる組み合わせのルール。
特例の組み合わせ
| 組み合わせ | 可否 |
|---|---|
| 3,000万円控除 + 軽減税率 | 併用できる |
| 3,000万円控除(や軽減税率)と 買換特例 | 選択(どちらか一方) |
大事なのは組み合わせ。まず、3,000万円控除と軽減税率はセットで使える。たとえば10年超住んだ家を売れば、3,000万円を引いたうえに、残った利益に軽い税率がかかる。一方、買換特例は、これらと同時には使えず、どちらかを選ぶ。
なお、控除額や税率、要件は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「3,000万円控除と軽減税率は一緒に使える仲良しコンビ。買換特例だけは、それらと一緒には使えず、どちらかを選ぶ」とイメージするとラク。
要するに、マイホームを売ったときの特例は、3,000万円特別控除・10年超の軽減税率・買換特例の3つ。3,000万円控除と軽減税率は併用できるが、買換特例とは選択になる、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:3つの特例
①3,000万円特別控除=譲渡益から3,000万円を引ける
②軽減税率=所有10年超の居住用財産に軽い税率
🔴 次に出る:組み合わせのルール
①3,000万円控除と軽減税率は併用できる
②買換特例とは選択(どちらか一方)
🟡 押さえると安定:軽減税率の所有期間
①軽減税率は所有期間10年超が条件
②3,000万円控除には所有期間の長短の条件はない
よくある間違い
①「3,000万円控除と軽減税率は同時に使えない」→ ✗ この2つは併用できる。
②「3,000万円控除と買換特例を同時に使える」→ ✗ 買換特例とは選択(どちらか一方)。
③「軽減税率は所有1年でも使える」→ ✗ 軽減税率は所有期間10年超が条件。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(3,000万円特別控除)
居住用財産を売ったときの3,000万円特別控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 3,000万円特別控除は、売って損が出たときにだけ使えるもので、利益が出た年には使えないとされる
- 3,000万円特別控除は、店舗や工場など事業用の不動産を売ったときにだけ使えるものとされている
- 3,000万円特別控除は、所有期間が30年を超えていなければいっさい使えないものと決められている
- 3,000万円特別控除は、居住用財産を売った利益から、最大3,000万円を差し引けるものである
解答は 4 です。
3,000万円特別控除は、居住用財産(マイホーム)を売った利益から、最大3,000万円を差し引けるものなのよ。利益が出たときに使うのね。
選択肢1は「損のときだけ」、選択肢2は「事業用だけ」、選択肢3は「所有30年超」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 利益から差し引く控除 |
| 2 | ✗ | 対象は居住用財産 |
| 3 | ✗ | 所有期間の長短は条件でない |
| 4 | ✓ | 利益から最大3,000万円で正しい |
オリジナル問題2(軽減税率)
居住用財産を売ったときの軽減税率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 軽減税率は、売ったその日に買ったばかりの新しい居住用財産でも、必ず使えるものと決められている
- 軽減税率は、所有期間が10年を超える居住用財産を売ったときの譲渡益に、軽い税率を使えるものだ
- 軽減税率は、所有期間が長いほど税率が高くなるしくみで、負担はむしろ重くなるものとされている
- 軽減税率は、事業用の不動産だけが対象で、居住用財産には使えないものと決められている
解答は 2 です。
軽減税率は、所有期間が10年を超える居住用財産を売ったときの譲渡益に、軽い税率を使えるものなのよ。長く住んだ家を売る人を助けるのね。
選択肢1は「買ったばかりでも」、選択肢3は「長いほど高い」、選択肢4は「事業用だけ」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 所有10年超が条件 |
| 2 | ✓ | 所有10年超に軽い税率で正しい |
| 3 | ✗ | 税率は軽くなる |
| 4 | ✗ | 対象は居住用財産 |
オリジナル問題3(特例の組み合わせ)
居住用財産の特例の組み合わせに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 3,000万円特別控除と軽減税率は同時に使えず、必ずどちらか一方だけを選ぶものとされている
- 3,000万円特別控除と買換特例は、つねに一緒に重ねて使えるものと決められている
- 3,000万円特別控除と軽減税率は併用でき、買換特例とは選択(どちらか一方)の関係になる
- これらの特例はいっさい組み合わせができず、どれか1つしか使えないものと決められている
解答は 3 です。
3,000万円特別控除と軽減税率は併用でき、買換特例とは選択(どちらか一方)の関係になるのよ。控除と軽減税率はコンビ、買換特例は別行動、なのね。
選択肢1は「控除と軽減税率は選択」、選択肢2は「買換特例と重ねて」、選択肢4は「どれか1つだけ」で、いずれも誤りなのよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 控除と軽減税率は併用できる |
| 2 | ✗ | 買換特例とは選択になる |
| 3 | ✓ | 控除+軽減税率は併用・買換は選択で正しい |
| 4 | ✗ | 控除と軽減税率は組み合わせられる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つの特例。3,000万円特別控除・10年超の軽減税率・買換特例。
- 🔴 組み合わせのルール。3,000万円控除と軽減税率は併用でき、買換特例とは選択(どちらか一方)。
- 🟡 軽減税率の条件。軽減税率は所有期間10年超が条件。
次に学ぶ
- 所得税の計算(速算表) ── 譲渡益にかかる税の計算。特例を使ったあとの税額を押さえられる。
- タックスプランニング実務 ── 不動産も含めた総合的な節税の考え方。特例の使いどころを整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部