建築基準法とは(全体像)
建築基準法は、安全で住みよい街をつくるため、建物に「これだけは守ってね」という最低基準を定めた法律。守るのは、そこに住む人や周りの人の生命・健康・財産。
押さえるのは、FP2級でよく出る3つのルール。土地が道路に接する接道義務、敷地に対してどれだけの広さの建物を建てられるかの建蔽率、何階分まで建てられるかにつながる容積率。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:接道義務・建蔽率・容積率
ここが記事の心臓部。3つの基本ルールを並べて押さえると整理しやすい。
建築基準法の3つの基本ルール
| ルール | 中身 |
|---|---|
| 接道義務 | 敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない |
| 建蔽率 | 敷地面積に対する「建築面積(真上から見た建物の広さ)」の割合 |
| 容積率 | 敷地面積に対する「延べ床面積(各階の床面積の合計)」の割合 |
接道義務は、火事や災害のときに人が逃げたり消防車が入ったりできるように、敷地が一定の道路に接していることを求めるルール。「4mの道路に2m接する」がキーワード。
建蔽率と容積率は、敷地に対してどれくらいの建物を建てられるかの上限を決めるもの。
建蔽率と容積率の違い
| 建蔽率 | 容積率 | |
|---|---|---|
| 見るもの | 建築面積(真上から見た広さ) | 延べ床面積(各階の合計) |
| イメージ | 敷地のどれだけを建物でおおえるか | 何階分の広さまで建てられるか |
これらの数字は用途地域(住宅向け・商業向けなど、地域ごとの区分)によって上限が決められている。具体的な割合は地域や改正で変わるため、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「敷地はちゃんと道路に接していること(接道義務)。建物は、広さ(建蔽率)と高さ・階数につながる延べ床(容積率)に上限がある」とイメージするとラク。
要するに、建築基準法の基本は3つ。接道義務は「幅4m以上の道路に2m以上接する」、建蔽率は「敷地に対する建築面積の割合」、容積率は「敷地に対する延べ床面積の割合」。建蔽率は“広さ”、容積率は“階数につながる延べ床”と区別すると混ざらない、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:接道義務は4mの道路に2m接する
①敷地は幅4m以上の道路に接する
②接する長さは2m以上
🔴 次に出る:建蔽率と容積率の違い
①建蔽率=敷地に対する建築面積(広さ)の割合
②容積率=敷地に対する延べ床面積(各階の合計)の割合
🟡 押さえると安定:用途地域で上限が決まる
①建蔽率・容積率の上限は用途地域ごとに決まる
②具体的な割合は受験年度で要確認
よくある間違い
①「接道義務は2mの道路に4m接すること」→ ✗ 幅4m以上の道路に、2m以上接する(数字が逆)。
②「建蔽率は延べ床面積の割合」→ ✗ 建蔽率は建築面積(真上から見た広さ)の割合。延べ床は容積率。
③「建蔽率・容積率はどの地域でも同じ」→ ✗ 用途地域ごとに上限が決められている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(接道義務)
建築基準法の接道義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 敷地は、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないものとされている
- 敷地は、道路にいっさい接していなくても、自由に建物を建ててよいものと決められている
- 敷地は、幅2m以上の道路に4m以上接していなければならないものと決められている
- 接道義務は、建物の高さだけを制限するルールで、道路とはまったく関係がないものとされる
解答は 1 だ。
接道義務は、敷地が原則として幅4m以上の道路に2m以上接していることを求めるルールだ。火事や災害のときに人が逃げ、消防車が入れるようにするためだぞ。
選択肢2の「接していなくてもよい」、選択肢3の「2mの道路に4m」(数字が逆)、選択肢4の「道路と無関係」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 4m以上の道路に2m以上接し正しい |
| 2 | ✗ | 道路に接する必要がある |
| 3 | ✗ | 4mの道路に2m接する(逆) |
| 4 | ✗ | 道路に接することを求めるルール |
オリジナル問題2(建蔽率)
建築基準法の建蔽率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建蔽率は、建物の高さを地面から実際に測った数値そのものだけを直接に表すものと決められている
- 建蔽率は、建物が何年もつかという耐久年数の長さを表す割合のことだと決められている
- 建蔽率は、敷地の値段に対して建物の値段が何倍かを表す割合のことだと決められている
- 建蔽率は、敷地面積に対する建築面積(真上から見た建物の広さ)が占める割合を表すものである
解答は 4 だ。
建蔽率は、敷地面積に対する建築面積(真上から見た建物の広さ)の割合だ。敷地のどれだけを建物でおおえるか、を表すぞ。
選択肢1の「高さそのもの」、選択肢2の「耐久年数」、選択肢3の「値段の倍率」は、いずれも誤りだ。延べ床面積の割合は容積率のほうだから、混同せんように。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 高さそのものではない |
| 2 | ✗ | 耐久年数とは関係ない |
| 3 | ✗ | 値段の倍率ではない |
| 4 | ✓ | 敷地に対する建築面積の割合で正しい |
オリジナル問題3(容積率)
建築基準法の容積率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 容積率は、建物に入れる人数の上限を直接に決めるための数値だと決められているものとされる
- 容積率は、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合を表すものである
- 容積率は、敷地が接する道路の幅そのものを表す数値のことだと決められている
- 容積率は、建物の色やデザインを制限するためのルールだと決められているものとされる
解答は 2 だ。
容積率は、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合だ。何階分の広さまで建てられるかにつながるぞ。
選択肢1の「人数の上限」、選択肢3の「道路の幅」、選択肢4の「色やデザイン」は、いずれも誤りだ。真上から見た広さの割合は建蔽率のほうだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 人数の上限ではない |
| 2 | ✓ | 敷地に対する延べ床面積の割合で正しい |
| 3 | ✗ | 道路の幅ではない |
| 4 | ✗ | 色やデザインの制限ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 接道義務。敷地は幅4m以上の道路に2m以上接する(数字を逆にした引っかけに注意)。
- 🔴 建蔽率と容積率。建蔽率=敷地に対する建築面積(広さ)、容積率=敷地に対する延べ床面積(各階の合計)。
- 🟡 用途地域で上限。建蔽率・容積率の上限は用途地域ごとに決まる(具体値は受験年度で要確認)。
次に学ぶ
- 所得税の計算(速算表) ── 不動産を売ったときなどの税額計算。不動産分野と税金をつなげて整理できる。
- 居住用財産を売ったときの特例 ── マイホームを売ったときの税の特例。建物・不動産のルールとあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部