雇用保険の給付とは(全体像)
雇用保険は、働く人を支える保険。なかでもFP2級でよく問われるのが、次の3つの給付。
- 基本手当 … 仕事を失ったとき、再就職までの生活を支えるお金(いわゆる「失業給付」)。
- 教育訓練給付 … 仕事に役立つ講座を受けたとき、費用の一部が戻るお金。
- 高年齢雇用継続給付 … 60歳以降、賃金が下がったときに補うお金。
「失業中の生活/学び直し/60歳以降の賃金低下」と、支える場面で分けると整理しやすい。
詳しく:3つの給付の見分け方
ここが記事の心臓部。まず、いちばん問われる基本手当の日数。
基本手当の所定給付日数
| 決まり方 | 中身 |
|---|---|
| 何で決まるか | 離職理由(自己都合か会社都合かなど)と被保険者期間 |
| 一律ではない | 全員が同じ日数ではなく、人によって変わる(おおむね90〜360日) |
会社都合(倒産・解雇など)のほうが、自己都合より手厚くなりやすい。そして、雇用保険に入っていた期間が長いほど日数も増える傾向。
次に、教育訓練給付。3つのタイプがあり、手厚さが違う。
教育訓練給付のタイプ
| タイプ | イメージ |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 給付率はいちばん控えめ |
| 特定一般教育訓練 | 一般より手厚い |
| 専門実践教育訓練 | いちばん手厚い(長期・専門的な学び向け) |
最後に、高年齢雇用継続給付。60歳以降、賃金が一定以上下がったときに、その一部を補う給付。
整理のコツは2つ。
①基本手当の日数は「離職理由+被保険者期間」で決まる。全員一律ではない。
②教育訓練給付は専門実践がいちばん手厚い。一般→特定一般→専門実践の順で給付率が上がる。
なお、給付率や日数の具体的な数字は改正で変わることがある。受験する年度の最新の基準もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり雇用保険の給付は、「失業したとき・学び直すとき・60歳以降に給料が下がったとき」の3つの場面を支えるものだとイメージするとラク。
要するに、基本手当は失業中の生活費で、もらえる日数は「なぜ辞めたか(離職理由)」と「どれだけ入っていたか(被保険者期間)」で決まる。だから全員が同じ日数ではない。
教育訓練給付は、学んだときの費用補助。タイプによって手厚さが違い、専門実践がいちばん手厚い。そして高年齢雇用継続給付は、60歳以降の賃金ダウンを補う、と覚えよう。
試験のツボ
🔴 一番出る:基本手当の日数の決まり方
①離職理由(自己都合か会社都合かなど)と被保険者期間で決まる
②全員が一律の日数ではない(おおむね90〜360日)
🔴 次に出る:教育訓練給付の手厚さ
①一般→特定一般→専門実践の順で給付率が上がる
②専門実践がいちばん手厚い
🟡 押さえると安定:高年齢雇用継続給付
①60歳以降、賃金が下がったときに補う
②3つの給付を場面で分けて覚える
よくある間違い
①「基本手当は全員一律で300日もらえる」→ ✗ 日数は離職理由と被保険者期間で決まり、人によって変わる。
②「教育訓練給付はどのタイプも給付率が同じ」→ ✗ 専門実践がいちばん手厚い。タイプで手厚さが違う。
③「高年齢雇用継続給付は20代でももらえる」→ ✗ 対象は60歳以降の賃金低下を補う給付。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(基本手当の日数)
雇用保険の基本手当の所定給付日数に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 基本手当の所定給付日数は、離職した理由や被保険者であった期間にかかわらず全員が一律で同じとされている
- 基本手当の所定給付日数は、勤め先の会社が自由に決めてよいものと法律で定められている
- 基本手当の所定給付日数は、離職した理由と被保険者期間によって決まるため、全員が一律とはならない
- 基本手当の所定給付日数は本人の年齢だけで決まり、離職理由や被保険者期間とは関係しないとされる
解答は 3 だっ。
基本手当の日数は、離職した理由と被保険者期間によって決まり、全員が一律ではないよっ。会社都合のほうが手厚くなりやすいんだっ。
選択肢1は「全員一律」、選択肢2は「会社が決める」、選択肢4は「年齢だけ」で、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 一律ではなく理由と期間で決まる |
| 2 | ✗ | 会社が自由に決めるものではない |
| 3 | ✓ | 離職理由と被保険者期間で決まり正しい |
| 4 | ✗ | 年齢だけで決まるわけではない |
オリジナル問題2(教育訓練給付)
雇用保険の教育訓練給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 教育訓練給付には一般・特定一般・専門実践の3つがあり、専門実践がいちばん手厚い給付になっている
- 教育訓練給付はどのタイプを選んでも給付率がまったく同じで、手厚さに違いはないものとされている
- 教育訓練給付は一般教育訓練だけがいちばん手厚く、専門実践はもっとも控えめになるものとされている
- 教育訓練給付は受けた費用に関係なく、つねに一律10万円が支給されるものと決められている
解答は 1 だよっ。
教育訓練給付は、一般→特定一般→専門実践の順で手厚くなり、専門実践がいちばん手厚いよっ。長期・専門的な学び向けの給付だっ。
選択肢2は「給付率が同じ」、選択肢3は手厚さが逆、選択肢4は「一律10万円」で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 専門実践がいちばん手厚く正しい |
| 2 | ✗ | タイプによって手厚さが違う |
| 3 | ✗ | 専門実践がいちばん手厚い |
| 4 | ✗ | 一律額ではなく費用に応じる |
オリジナル問題3(高年齢雇用継続給付)
雇用保険の高年齢雇用継続給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 高年齢雇用継続給付は20代の若い人の賃金が下がったときに支給される給付であるとされている
- 高年齢雇用継続給付は離職して失業している期間の生活費を支えるための給付であるとされている
- 高年齢雇用継続給付は学び直しの費用を補助するための給付で、年齢の条件はないものとされている
- 高年齢雇用継続給付は、60歳以降に賃金が一定以上下がったときに、その一部を補う給付である
解答は 4 だっ。
高年齢雇用継続給付は、60歳以降に賃金が一定以上下がったとき、その一部を補う給付だよっ。働き続ける高齢者を支えるしくみだっ。
選択肢1は「20代」、選択肢2は「失業中の生活費」(それは基本手当)、選択肢3は「学び直しの費用」(それは教育訓練給付)で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対象は60歳以降 |
| 2 | ✗ | 失業中の生活費は基本手当 |
| 3 | ✗ | 学び直しの費用は教育訓練給付 |
| 4 | ✓ | 60歳以降の賃金低下を補い正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 基本手当の日数は「離職理由+被保険者期間」で決まる。全員一律ではない(おおむね90〜360日)。
- 🔴 教育訓練給付は専門実践がいちばん手厚い。一般→特定一般→専門実践の順。
- 🟡 高年齢雇用継続給付は60歳以降の賃金低下を補う。3つの給付を場面で分ける。
次に学ぶ
- 任意継続被保険者 ── 退職後の健康保険の選び方。雇用保険の給付とあわせて、辞めたあとの支えを整理できる。
- 雇用保険 ── FP3級で学ぶ雇用保険の土台。加入や保険料などの基本をおさらいすると、給付の中身が整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部