行動ファイナンスとは(全体像)
これまでの理論は、人は合理的に判断すると考えてきた。でも実際の人は、心のクセ(バイアス)で判断がゆがむことがある。それを研究するのが行動ファイナンス。
押さえるのは、代表的な3つのバイアス。損を嫌うプロスペクト理論、みんなにつられるハーディング、最初の情報に引きずられるアンカリング。それぞれ何を表すかを区別することがFP2級でよく問われる。
詳しく:3つの心理バイアス
ここが記事の心臓部。3つのバイアスを整理する。
行動ファイナンスの3つのバイアス
| バイアス | 中身 |
|---|---|
| プロスペクト理論 | 損を嫌う気持ちが強い(損失回避) |
| ハーディング | みんなと同じ行動をとる(群集心理) |
| アンカリング | 最初に見た情報に引きずられる |
整理のコツは、3つを「損・みんな・最初」で覚えること。プロスペクト理論は、同じ額でも得より損のほうを大きく感じる損失回避。ハーディングは、まわりがやっているからと同じ行動をとる群集心理。アンカリングは、最初に見た数字や情報が基準になって、その後の判断が引きずられること。
なお、用語の問われ方は試験で変わることがある。受験する年度の最新の出題傾向もあわせて見ておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり行動ファイナンスは、「人の心のクセが、投資の判断をどうゆがめるかを研究する分野」だとイメージするとラク。
要するに、プロスペクト理論は、得をする喜びより損をする痛みを大きく感じる損失回避の傾向。ハーディングは、まわりがやっているからと、つい同じ行動をとってしまう群集心理。アンカリングは、最初に見た数字や情報が基準(いかり)になって、その後の判断が引きずられること。どれも、合理的とは限らない人の判断のクセを表す。
ひっかけは「アンカリングは、みんなと同じ行動をとること」という思い込み。みんなと同じはハーディング、アンカリングは最初の情報に引きずられること、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:3つのバイアスの区別
①プロスペクト理論は損失回避
②ハーディングは群集心理、アンカリングは最初の情報に引きずられる
🔴 次に出る:プロスペクト理論
①得より損を大きく感じる
②損を嫌う損失回避の傾向
🟡 押さえると安定:研究するもの
①人の心のクセ(バイアス)
②それが投資判断に与える影響
よくある間違い
①「アンカリングは、みんなと同じ行動をとる群集心理のことである」→ ✗ みんなと同じはハーディング。アンカリングは最初の情報に引きずられること。
②「プロスペクト理論は、損を喜び得を嫌う傾向のことである」→ ✗ プロスペクト理論は、損を嫌う(損失回避の)傾向。
③「行動ファイナンスは、人の心とはいっさい関係がない」→ ✗ 行動ファイナンスは、人の心のクセが投資判断に与える影響を研究する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ハーディング)
ハーディングに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ハーディングは、まわりにつられて同じ行動をとる群集心理である
- ハーディングは、最初に見た情報に引きずられることを表すものである
- ハーディングは、損を嫌う損失回避の傾向を表すものとされている
- ハーディングは、投資の心理とはまったく関係のないものである
解答は 1 である。
ハーディングは、まわりにつられてみんなと同じ行動をとる群集心理じゃ。つい合わせてしまうクセだぞ。
選択肢2はアンカリング、選択肢3はプロスペクト理論、選択肢4は「心理と関係ない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | みんなと同じ群集心理で正しい |
| 2 | ✗ | それはアンカリング |
| 3 | ✗ | それはプロスペクト理論 |
| 4 | ✗ | 投資心理のバイアス |
オリジナル問題2(アンカリング)
アンカリングに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- アンカリングは、みんなと同じ行動をとる群集心理を表すものである
- アンカリングは、投資の心理とはまったく関係のないものである
- アンカリングは、損を嫌う損失回避の傾向を表すものとされている
- アンカリングは、最初の情報に引きずられることを表すものである
解答は 4 である。
アンカリングは、最初に見た情報に引きずられることじゃ。最初の数字が基準(いかり)になるぞ。
選択肢1はハーディング、選択肢2は「心理と関係ない」、選択肢3はプロスペクト理論で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | それはハーディング |
| 2 | ✗ | 投資心理のバイアス |
| 3 | ✗ | それはプロスペクト理論 |
| 4 | ✓ | 最初の情報に引きずられて正しい |
オリジナル問題3(プロスペクト理論)
プロスペクト理論に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- プロスペクト理論は、みんなと同じ行動をとる群集心理である
- プロスペクト理論は、最初に見た情報に引きずられることである
- プロスペクト理論は、得より損を大きく感じる損失回避の傾向である
- プロスペクト理論は、投資の心理とはまったく関係のないものである
解答は 3 である。
プロスペクト理論は、得より損を大きく感じる損失回避の傾向じゃ。損を嫌う気持ちが強いぞ。
選択肢1はハーディング、選択肢2はアンカリング、選択肢4は「心理と関係ない」で、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | それはハーディング |
| 2 | ✗ | それはアンカリング |
| 3 | ✓ | 損を大きく感じる損失回避で正しい |
| 4 | ✗ | 投資心理のバイアス |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つのバイアスの区別。プロスペクト理論は損失回避、ハーディングは群集心理、アンカリングは最初の情報に引きずられる。
- 🔴 プロスペクト理論。得より損を大きく感じる、損を嫌う傾向。
- 🟡 研究するもの。人の心のクセ(バイアス)が、投資判断に与える影響。
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執筆: SikakuQuest編集部