国民健康保険とは(全体像)
日本は「国民皆保険」で、誰もが何かしらの医療保険に入る。会社員などは勤め先の健康保険に入るが、それに入らない人——自営業者、フリーランス、無職の人、退職して再就職していない人など——が入るのが国民健康保険。
運営しているのは市区町村(都道府県と共同で運営)。だから、住んでいる自治体によって保険料の計算方法が少し違うこともある。
詳しく:保険料のしくみと健保との違い
ここが記事の心臓部。まず、保険料は次の要素を組み合わせて決まる。
国民健康保険料の主な要素
| 要素 | 中身 |
|---|---|
| 所得割 | 所得に応じてかかる部分 |
| 均等割 | 加入者の人数に応じてかかる部分 |
| 平等割・資産割 | 市区町村によって加わることがある部分 |
そして、FP2級で一番のポイントが健康保険との違い。
国民健康保険と会社の健康保険のちがい
| 国民健康保険 | 会社の健康保険 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | 自営業者・無職の人など | 会社員など |
| 運営 | 市区町村(都道府県と共同) | 健康保険組合・協会けんぽなど |
| 被扶養者のしくみ | ない | ある |
整理のコツは2つ。
①対象は「会社の健康保険に入らない人」。自営業者や無職の人などが入る。
②国保には「被扶養者」がない。会社の健康保険なら家族を被扶養者にできるが、国保は家族もそれぞれが被保険者として加入し、人数に応じて均等割がかかる。
わかりやすく言い換えると
つまり国民健康保険は、「会社の保険に入らない人たちの受け皿」だとイメージするとラク。誰もがどこかの保険に入る国だから、会社の健康保険に入らない人をここで受け止める。
要するに、いちばんの違いは「被扶養者」がないこと。会社の健康保険なら、収入の少ない家族を保険料の追加なしで「被扶養者」にできる。でも国保にはその枠がなく、家族もひとりずつ被保険者になり、人数ぶんの均等割がかかる。
保険料は所得割(もうけに応じて)+均等割(人数に応じて)が基本。住む自治体によって計算が少し違う、と覚えておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:被扶養者のしくみがない
①会社の健康保険にはある「被扶養者」が、国保にはない
②家族もそれぞれが被保険者になる
🔴 次に出る:対象と運営
①対象は自営業者・無職の人など(会社の健康保険に入らない人)
②運営は市区町村(都道府県と共同)
🟡 押さえると安定:保険料のしくみ
①所得割+均等割が基本
②市区町村によって平等割・資産割が加わることもある
よくある間違い
①「国保にも被扶養者のしくみがある」→ ✗ 被扶養者があるのは会社の健康保険。国保は一人ひとりが被保険者。
②「国保は国(だけ)が運営している」→ ✗ 運営は市区町村(都道府県と共同)。
③「国保の対象は会社員」→ ✗ 会社員は勤め先の健康保険。国保は自営業者や無職の人などが対象。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(被扶養者のしくみ)
国民健康保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険にも被扶養者のしくみがあり、収入の少ない家族は保険料の負担なしで加入できるとされる
- 国民健康保険は会社員を主な対象とし、自営業者や無職の人はいっさい加入できないものとされている
- 国民健康保険には被扶養者のしくみがなく、家族もそれぞれが被保険者として加入することになる
- 国民健康保険は国だけが運営しており、市区町村はいっさい関与しない制度になっている
解答は 3 だっ。
国保には被扶養者のしくみがなく、家族もそれぞれが被保険者として加入するよっ。ここが会社の健康保険との大きな違いだっ。
選択肢1は「被扶養者がある」、選択肢2は対象が逆、選択肢4は「市区町村が関与しない」で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 国保に被扶養者のしくみはない |
| 2 | ✗ | 自営業者や無職の人などが対象 |
| 3 | ✓ | 被扶養者がなく各自が被保険者で正しい |
| 4 | ✗ | 運営は市区町村(都道府県と共同) |
オリジナル問題2(対象になる人)
国民健康保険の主な対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険の主な対象となるのは、自営業者や無職の人など、会社の健康保険に入らない人である
- 国民健康保険の主な対象は会社員で、勤め先の健康保険とどちらか好きなほうを選べるものとされる
- 国民健康保険は75歳以上の人だけが対象で、それより若い人はいっさい加入できないものとされている
- 国民健康保険は公務員だけが入る制度で、自営業者や無職の人は対象にならないものとされている
解答は 1 だよっ。
国保の主な対象は、自営業者や無職の人など、会社の健康保険に入らない人だっ。会社員は勤め先の健康保険に入るよっ。
選択肢2は「会社員が選べる」、選択肢3は「75歳以上だけ」、選択肢4は「公務員だけ」で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 会社の健康保険に入らない人が対象で正しい |
| 2 | ✗ | 会社員は勤め先の健康保険に入る |
| 3 | ✗ | 75歳以上は後期高齢者医療制度 |
| 4 | ✗ | 公務員だけの制度ではない |
オリジナル問題3(運営と保険料)
国民健康保険の運営や保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険の保険料は全国で完全に同じ金額となり、市区町村による違いはないものとされている
- 国民健康保険の保険料は所得にかかわらず一律の定額で、所得割という考え方はないものとされている
- 国民健康保険は民間の保険会社が運営しており、加入するかどうかは本人の自由であるとされている
- 国民健康保険は市区町村(都道府県と共同)が運営し、保険料は所得割や均等割などによって決まる
解答は 4 だっ。
国保は市区町村(都道府県と共同)が運営し、保険料は所得割や均等割などで決まるよっ。住む自治体によって計算が少し違うこともあるんだっ。
選択肢1は「全国同じ」、選択肢2は「所得割がない」、選択肢3は「民間が運営・加入は自由」で、いずれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 自治体によって保険料は異なりうる |
| 2 | ✗ | 所得割がある |
| 3 | ✗ | 民間ではなく公的な制度 |
| 4 | ✓ | 市区町村運営・所得割や均等割で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 被扶養者のしくみがない。家族もそれぞれが被保険者。会社の健康保険との最大の違い。
- 🔴 対象は自営業者・無職の人など。会社の健康保険に入らない人が入る。
- 🟡 運営は市区町村(都道府県と共同)。保険料は所得割+均等割などで決まる。
次に学ぶ
- 健康保険の被扶養者 ── 国保にはない「被扶養者」のしくみ。会社の健康保険との違いがくっきり見える。
- 公的医療保険制度 ── 公的医療保険の全体像。健康保険・国保・後期高齢者医療の位置づけが整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部