タックスのケーススタディとは(全体像)
節税は、一つの裏ワザで決まるものではない。使える控除や制度をいくつも組み合わせて、全体で税負担を軽くするのがFP実務の考え方だ。
押さえるのは、所得控除と税額控除の活用、そして所得分散や法人化なども視野に入れた総合的な視点。一つの手法に偏らないことがFP2級でよく問われる。
詳しく:節税の手段と総合の視点
ここが記事の心臓部。代表的な手段を表で押さえる。
総合節税の主な手段
| 区分 | 主な手段 |
|---|---|
| 所得控除 | 生命保険料控除・iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)・小規模企業共済など |
| 税額控除 | 住宅ローン控除・寄附金税額控除など |
| その他 | 所得の分散、法人化の検討など |
ポイントは、所得控除(所得を減らす)と税額控除(税額から直接引く)を組み合わせること。たとえばiDeCoで所得控除を受けつつ、住宅ローン控除で税額も減らす、というように重ねて使う。
さらに、収入を家族に分ける所得分散や、規模が大きければ法人化なども選択肢になる。一つの手法だけでなく、その人に使える制度を組み合わせて全体で考えるのがFP実務だ。制度は改正で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「所得控除も税額控除も、使えるものを組み合わせて全体で税を軽くする」とイメージするとラク。
要するに、節税は一つの手法で決めず、複数を組み合わせて総合的に考える、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:総合的に組み合わせる
①一つの手法だけでなく複数を組み合わせる
②全体で税負担を軽くする視点
🔴 次に出る:控除の種類
①所得控除(生命保険料・iDeCo・小規模企業共済など)
②税額控除(住宅ローン・寄附など)
🟡 押さえると安定:その他の手段
①収入を分ける所得分散
②規模が大きければ法人化も検討
よくある間違い
①「節税は一つの手法だけで決まる」→ ✗ 複数の制度を組み合わせ、全体で税負担を軽くする。
②「所得控除と税額控除は同じもの」→ ✗ 所得控除は所得を減らし、税額控除は税額から直接引く。
③「iDeCoや生命保険料は節税に関係ない」→ ✗ 所得控除として使え、所得税・住民税を軽くできる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(総合的に組み合わせる)
タックスのケーススタディに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 節税は、つねに一つの手法だけで決めるものと決められているものとされている
- 節税は、使える制度をいっさい組み合わせてはいけないものと決められているのだ
- 使える所得控除や税額控除を組み合わせ、全体で税負担を軽くするのがよいものだ
- 節税は、所得控除も税額控除もいっさい使わずに考えるものとされているのである
解答は 3 である。
使える所得控除や税額控除を組み合わせ、全体で税負担を軽くするのがよい。一つの裏ワザに頼らないのが総合節税じゃ。
選択肢1の「一つの手法だけ」、選択肢2の「組み合わせてはいけない」、選択肢4の「いっさい使わない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 複数を組み合わせる |
| 2 | ✗ | 組み合わせて使う |
| 3 | ✓ | 控除を組み合わせ全体で軽くするで正しい |
| 4 | ✗ | 控除を活用する |
オリジナル問題2(控除の種類)
節税に使う控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- iDeCoや生命保険料は所得控除、住宅ローンや寄附は税額控除として使える
- iDeCoや生命保険料は、節税にはいっさい使えないものと決められているのだ
- 所得控除も税額控除も、まったく同じしくみだと決められているものとされる
- 住宅ローン控除は、所得控除であって税額控除ではないものとされているのだ
解答は 1 である。
iDeCoや生命保険料は所得控除、住宅ローンや寄附は税額控除として使える。これらを組み合わせて節税するのじゃ。
選択肢2の「使えない」、選択肢3の「まったく同じ」、選択肢4の「住宅ローンは所得控除」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | iDeCo等は所得控除・住宅ローン等は税額控除で正しい |
| 2 | ✗ | iDeCoや生命保険料は所得控除に使える |
| 3 | ✗ | 所得控除と税額控除は別のしくみ |
| 4 | ✗ | 住宅ローン控除は税額控除 |
オリジナル問題3(その他の手段)
節税のその他の手段に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 所得分散や法人化は、節税とはいっさい関係がないものと決められているのである
- 法人化は、規模に関係なくつねに必ず行うべきだと決められているものとされる
- 節税の手段は所得控除だけで、所得分散や法人化は考えないものとされているのだ
- 収入を分ける所得分散や、規模が大きければ法人化も節税の選択肢になるものだ
解答は 4 である。
収入を分ける所得分散や、規模が大きければ法人化も節税の選択肢になる。状況に応じて組み合わせるのじゃ。
選択肢1の「関係ない」、選択肢2の「つねに必ず法人化」、選択肢3の「所得控除だけ」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 節税の手段になる |
| 2 | ✗ | 規模や状況しだいで検討する |
| 3 | ✗ | 所得分散や法人化も考える |
| 4 | ✓ | 所得分散や法人化も選択肢でで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 節税は一つの手法だけでなく、複数を組み合わせて全体で税負担を軽くする。
- 🔴 所得控除(生命保険料・iDeCo・小規模企業共済など)と税額控除(住宅ローン・寄附)を活用。
- 🟡 収入を分ける所得分散や、規模が大きければ法人化も選択肢になる。
次に学ぶ
- 総合ライフプラン分析 ── 家計をまるごと見る分析。タックスもその一分野になる。
- 資産運用のケーススタディ ── 同じく個別の状況に合わせて考えるケーススタディ。あわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部