資産運用のケーススタディとは(全体像)
資産運用は、いきなり「この商品がおすすめ」ではない。まずその人の状況や目的を整理してから、どの資産にどれだけ置くか(配分)を考える。
押さえるのは、整理する4つの要素(資産状況・運用目的・運用期間・リスク許容度)と、資産配分・分散投資の観点。とくにリスク許容度は人それぞれで、全員同じ正解はない。ここがFP2級で問われる。
詳しく:整理する要素と資産配分
ここが記事の心臓部。整理する要素を表で押さえる。
資産運用で整理する要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 資産状況 | いま持っている資産や収支の状態 |
| 運用目的 | 何のために・いつまでにいくら必要か |
| 運用期間 | 短期か長期か(期間で取れるリスクが変わる) |
| リスク許容度 | どこまで値動きに耐えられるか(年齢・経験などで異なる) |
ポイントは、これらを整理したうえで、資産配分(どの資産にどれだけ置くか)と分散投資を考えること。銘柄選びより先に、まず大きな配分を決めるのが基本だ。
そしてリスク許容度は人それぞれ。若くて運用期間が長い人は値動きの大きい資産も取り入れやすく、退職が近い人は安定重視になりやすい。全員同じ配分ではなく、一人ひとりに合わせるのがFP実務だ。考え方は状況で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「その人の目的・期間・リスク許容度を整理してから、資産の配分を決める」とイメージするとラク。
要するに、まず4つの要素を整理し、資産配分と分散投資で方針を立てる。配分は人それぞれ、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:整理する4要素
①資産状況・運用目的・運用期間・リスク許容度を整理する
②整理してから運用方針を考える
🔴 次に出る:資産配分と分散
①銘柄選びより先に資産配分を決める
②分散投資でリスクをおさえる
🟡 押さえると安定:個別性
①リスク許容度は年齢や経験で異なる
②全員同じ配分ではなく一人ひとりに合わせる
よくある間違い
①「資産運用は全員に同じ配分をすすめればよい」→ ✗ リスク許容度は人それぞれ。一人ひとりに合わせる。
②「まず銘柄を選んでから配分を考える」→ ✗ 銘柄選びより先に、大きな資産配分を決める。
③「リスク許容度は年齢や経験に関係なく同じ」→ ✗ 年齢や経験、運用期間などで人によって異なる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(整理する要素)
資産運用のケーススタディに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 資産状況や運用目的をいっさい整理せずに運用方針を決めるものとされているのだ
- 資産状況・運用目的・運用期間・リスク許容度を整理してから運用方針を考える
- 整理するのは運用期間だけで、目的やリスク許容度は考えないものと決められている
- 運用方針は、顧客の状況に関係なく一律に決めるものと決められているのである
解答は 2 である。
資産状況・運用目的・運用期間・リスク許容度を整理してから運用方針を考える。その人の状況をつかむのが先じゃ。
選択肢1の「整理しない」、選択肢3の「運用期間だけ」、選択肢4の「一律に決める」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | まず整理する |
| 2 | ✓ | 4要素を整理してから方針で正しい |
| 3 | ✗ | 目的やリスク許容度も整理する |
| 4 | ✗ | 顧客の状況に合わせる |
オリジナル問題2(資産配分と分散)
運用方針の立て方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 銘柄選びより先に資産配分を決めて、分散投資でリスクをおさえるのがよいものだ
- 資産配分は考えず、まず一つの銘柄に集中するのがよいものとされているのである
- 分散投資はせず、一つの資産にすべて集中するのがよいものと決められているのだ
- 運用方針は、資産配分も分散投資もいっさい考えずに決めるものとされているのだ
解答は 1 である。
銘柄選びより先に資産配分を決め、分散投資でリスクをおさえるのがよい。まず大きな配分を決めるのが基本じゃ。
選択肢2の「一つの銘柄に集中」、選択肢3の「一つの資産に集中」、選択肢4の「配分も分散も考えない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 配分を先に決め分散投資でおさえるで正しい |
| 2 | ✗ | まず資産配分を決める |
| 3 | ✗ | 分散投資でおさえる |
| 4 | ✗ | 配分と分散を考える |
オリジナル問題3(個別性)
リスク許容度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- リスク許容度は、年齢や経験に関係なく全員同じだと決められているのである
- リスク許容度に合わせず、全員に同じ配分をすすめるのがよいものとされているのだ
- リスク許容度は運用にいっさい関係しないものと決められているものとされる
- リスク許容度は年齢や経験などで異なり、一人ひとりに合わせて配分を考える
解答は 4 である。
リスク許容度は年齢や経験などで異なり、一人ひとりに合わせて配分を考える。全員同じ正解はないのじゃ。
選択肢1の「全員同じ」、選択肢2の「同じ配分をすすめる」、選択肢3の「関係しない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 人によって異なる |
| 2 | ✗ | 一人ひとりに合わせる |
| 3 | ✗ | 運用に深く関係する |
| 4 | ✓ | 年齢や経験で異なり個別に合わせるで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 資産状況・運用目的・運用期間・リスク許容度を整理してから運用方針を考える。
- 🔴 銘柄選びより先に資産配分を決め、分散投資でリスクをおさえる。
- 🟡 リスク許容度は人それぞれ。全員同じ配分ではなく一人ひとりに合わせる。
次に学ぶ
- 総合ライフプラン分析 ── 家計をまるごと見る分析。資産運用もその一分野になる。
- 保険提案のケーススタディ ── 同じく個別の状況に合わせて考えるケーススタディ。あわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部