保険提案のケーススタディとは(全体像)
保険は「とりあえずたくさん入れば安心」ではない。必要なのは、万一のときに足りない金額(不足分)を、ちょうどよくカバーすること。
押さえるのは、必要保障額の分析→不足分を保険でカバーという流れ。支出から、入ってくるお金を引いて、足りない分だけを保険で備える。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:必要保障額の出し方
ここが記事の心臓部。必要保障額の考え方を表で押さえる。
必要保障額の分析
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 遺族の支出 | 生活費・教育費・住宅費など、これから必要なお金 |
| まかなえる収入 | 遺族年金などの公的年金・手持ちの資産・配偶者の収入など |
| 不足分 | 支出 − まかなえる収入 |
| 保険でカバー | この不足分を保険で備える |
ポイントは、支出からまかなえる収入を引いた「不足分」だけを保険で備えること。たとえば公的年金や貯蓄でかなりまかなえるなら、必要な保険は少なくてすむ。
逆に、不足分を考えずに大きな保険にたくさん入ると、ムダな保険料を払いすぎる(過剰加入)ことになる。多ければ安心ではなく、適正額にするのがFP実務だ。考え方は状況で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「これから要るお金から、入ってくるお金を引いて、足りない分だけ保険で備える」とイメージするとラク。
要するに、保険は不足分をカバーするもので、多ければよいのではない、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:必要保障額の出し方
①遺族の支出からまかなえる収入を引く
②残った不足分を保険でカバーする
🔴 次に出る:過剰加入を避ける
①多く入れば安心ではない
②不足分に合わせて適正額にする
🟡 押さえると安定:まかなえる収入
①遺族年金などの公的年金も収入に含める
②手持ちの資産や配偶者の収入も考える
よくある間違い
①「保険は多く入れば入るほど安心でよい」→ ✗ 不足分に合わせた適正額にする。過剰加入はムダな保険料。
②「必要保障額は支出だけで決める」→ ✗ 公的年金や手持ち資産でまかなえる分を引いた不足分で考える。
③「公的年金は必要保障額の計算に関係ない」→ ✗ 遺族年金などの公的年金もまかなえる収入に含める。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(必要保障額の出し方)
必要保障額の分析に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 必要保障額は、遺族の支出をいっさい考えずに決めるものとされているのだ
- 必要保障額は、遺族の支出からまかなえる収入を引いた不足分で考えるものだ
- 必要保障額は、公的年金や資産を引かず、支出の全額をそのまま保障とするのだ
- 必要保障額は、保険会社が決めた固定の金額になるものと決められているのだ
解答は 2 である。
必要保障額は、遺族の支出からまかなえる収入(公的年金や資産)を引いた不足分で考える。足りない分だけを保険で備えるのじゃ。
選択肢1の「支出を考えない」、選択肢3の「全額そのまま」、選択肢4の「固定の金額」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 支出をもとに考える |
| 2 | ✓ | 支出−収入の不足分で正しい |
| 3 | ✗ | まかなえる収入を引く |
| 4 | ✗ | 個別の状況で変わる |
オリジナル問題2(過剰加入を避ける)
保険提案の考え方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 保険は、必要保障額を超えてできるだけ多く入るほどよいものとされている
- 保険は、不足分に関係なく毎月同じ額をかけ続けるものと決められているのだ
- 保険は、不足分を考えずに最も高い保障を選ぶのがよいものとされているのだ
- 保険は、不足分に合わせた適正額にし、過剰な加入は減らすのがよいものだ
解答は 4 である。
保険は、不足分に合わせた適正額にし、過剰な加入は減らすのがよい。多ければ安心ではなく、ムダな保険料を払いすぎないことが大切じゃ。
選択肢1の「多いほどよい」、選択肢2の「同じ額をかけ続ける」、選択肢3の「最も高い保障」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 多いほどよいではない |
| 2 | ✗ | 不足分に合わせる |
| 3 | ✗ | 適正額にする |
| 4 | ✓ | 不足分に合わせた適正額で正しい |
オリジナル問題3(まかなえる収入)
必要保障額の計算で差し引く収入に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- まかなえる収入には、公的年金も手持ち資産もいっさい含めないものとされている
- まかなえる収入には、遺族年金などの公的年金は含めないものと決められているのだ
- まかなえる収入には、遺族年金などの公的年金や手持ちの資産も含めて考えるものだ
- まかなえる収入は、保険金だけを指し、年金や資産は関係ないものとされているのだ
解答は 3 である。
まかなえる収入には、遺族年金などの公的年金や手持ちの資産も含めて考える。これらを引いた不足分を保険で備えるのじゃ。
選択肢1の「いっさい含めない」、選択肢2の「公的年金は含めない」、選択肢4の「保険金だけ」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 公的年金や資産を含める |
| 2 | ✗ | 公的年金も含める |
| 3 | ✓ | 公的年金や資産も含めて考えるで正しい |
| 4 | ✗ | 年金や資産も含める |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 必要保障額は遺族の支出−まかなえる収入=不足分で求める。
- 🔴 不足分を保険でカバーし、多く入れば安心ではない(過剰加入は減らす)。
- 🟡 まかなえる収入には遺族年金などの公的年金や手持ち資産も含める。
次に学ぶ
- 総合ライフプラン分析 ── 家計をまるごと見る分析。保険提案もその一分野になる。
- ライフプランのケーススタディ ── 年代別の優先課題。保障の見直しが必要な時期とあわせて押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部