相続のケーススタディとは(全体像)
相続対策は、亡くなってから慌ててやるものではない。元気なうちの生前対策から、相続時の税務まで通して考えるのがFP実務だ。
押さえるのは、生前対策の手段(贈与・保険・遺言など)と、相続時に使う特例(基礎控除・配偶者の税額軽減など)を組み合わせること。一つの手法に頼らないのがFP2級でよく問われる。
詳しく:生前対策と相続時の税務
ここが記事の心臓部。2つの段階を表で押さえる。
相続対策の2つの段階
| 段階 | 主な手段 |
|---|---|
| 生前対策 | 暦年贈与・特例贈与・生命保険・小規模宅地等の特例の準備・遺言 |
| 相続時の税務 | 基礎控除・配偶者の税額軽減・各種特例の適用 |
ポイントは、生前から少しずつ備え、相続時に特例を活かすこと。たとえば生前に暦年贈与で財産を移しつつ、生命保険の非課税枠を使い、遺言で分け方を決めておく。
相続時には、基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた分に課税されるので、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で負担を軽くする。生前と相続時の手をつなげて、全体で税負担と争いを減らすのがFP実務だ。制度は改正で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「元気なうちに贈与・保険・遺言で備え、相続時は特例で軽くする」と、生前から相続まで通して考えるとイメージするとラク。
要するに、相続対策は生前対策と相続時の税務を組み合わせ、一つの手法に頼らず総合的に考える、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:生前対策と相続時の組み合わせ
①生前対策(贈与・保険・遺言など)と相続時の税務を組み合わせる
②一つの手法だけに頼らない
🔴 次に出る:生前対策の手段
①暦年贈与・特例贈与・生命保険の非課税枠
②小規模宅地等の特例の準備・遺言
🟡 押さえると安定:相続時の税務
①基礎控除を超えた分に課税される
②配偶者の税額軽減や各種特例で軽くする
よくある間違い
①「相続対策は亡くなってから始めればよい」→ ✗ 元気なうちの生前対策から相続時まで通して考える。
②「相続対策は一つの手法だけで十分」→ ✗ 贈与・保険・遺言・特例などを組み合わせて総合的に考える。
③「相続時に使える特例は何もない」→ ✗ 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などがある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(総合的に考える)
相続のケーススタディに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相続対策は、亡くなってから慌てて始めればよいものと決められているのである
- 相続対策は、一つの手法だけを使えば十分だと決められているものとされる
- 相続対策は、生前にいっさい何もしてはいけないものと決められているのだ
- 生前対策と相続時の税務を組み合わせ、生前から相続まで通して考えるのがよい
解答は 4 である。
生前対策と相続時の税務を組み合わせ、生前から相続まで通して考えるのがよい。一つの手法に頼らないのが総合的な相続対策じゃ。
選択肢1の「亡くなってから」、選択肢2の「一つの手法だけ」、選択肢3の「生前は何もしない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 生前から備える |
| 2 | ✗ | 複数を組み合わせる |
| 3 | ✗ | 生前対策を行う |
| 4 | ✓ | 生前対策と相続時を通して考えるで正しい |
オリジナル問題2(生前対策の手段)
相続の生前対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 暦年贈与や生命保険、遺言などは、生前対策の手段として活用できるものである
- 生前対策では、贈与も保険も遺言もいっさい使えないものと決められているのだ
- 生前対策は、現金を金庫にしまっておくことだけだと決められているものとされる
- 生前対策では、生命保険の非課税枠はいっさい使えないものとされているのである
解答は 1 である。
暦年贈与や生命保険、遺言などは生前対策の手段として活用できる。元気なうちから少しずつ備えるのじゃ。
選択肢2の「いっさい使えない」、選択肢3の「金庫にしまうだけ」、選択肢4の「非課税枠は使えない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 贈与・保険・遺言が生前対策で正しい |
| 2 | ✗ | これらを活用できる |
| 3 | ✗ | 金庫にしまうだけではない |
| 4 | ✗ | 生命保険の非課税枠を使える |
オリジナル問題3(相続時の税務)
相続時の税務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相続時には、基礎控除も配偶者の税額軽減もいっさい使えないものとされているのだ
- 基礎控除を超えた分に課税され、配偶者の税額軽減や特例で負担を軽くできるものだ
- 相続税は、財産の全額にそのまま課税され、控除はいっさいないものとされている
- 相続時の税務では、特例をいっさい使ってはいけないものと決められているのである
解答は 2 である。
基礎控除を超えた分に課税され、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で負担を軽くできる。相続時も使える制度があるのじゃ。
選択肢1の「いっさい使えない」、選択肢3の「全額に課税」、選択肢4の「特例を使ってはいけない」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 基礎控除や配偶者軽減を使える |
| 2 | ✓ | 基礎控除超に課税・特例で軽減で正しい |
| 3 | ✗ | 基礎控除などがある |
| 4 | ✗ | 特例を活用する |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 相続対策は生前対策と相続時の税務を組み合わせ、通して総合的に考える。
- 🔴 生前対策は暦年贈与・特例贈与・生命保険・小規模宅地等の特例・遺言など。
- 🟡 相続時は基礎控除を超えた分に課税され、配偶者の税額軽減や各種特例で軽くする。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部