貸宅地・貸家建付地とは(全体像)
人に貸している土地は、自由に使えない分だけ評価額が下がる。下げ方が2パターンあり、貸宅地と貸家建付地で計算式が違う。
押さえるのは、貸宅地=土地を貸して借地権がついている、貸家建付地=自分の建物を貸している、という区別と、それぞれの計算式。ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:2つの計算式
ここが記事の心臓部。2つの評価方法を表で押さえる。
貸宅地・貸家建付地の評価
| 区分 | 状況 | 計算式 |
|---|---|---|
| 貸宅地 | 借地権を設定して土地を貸す | 自用地評価額×(1−借地権割合) |
| 貸家建付地 | 自分の建物(アパート等)を貸す | 自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合) |
貸宅地は、借地権の分だけ地主が使えないので、自用地評価額×(1−借地権割合)で下げる。借地権割合は地域ごとに30〜90%で決まっている。
貸家建付地は、自分の土地に建てた建物を貸しているケース。借地権割合に借家権割合(30%)と賃貸割合を掛けた分だけ下げる。式は自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)。借家権割合は全国一律で30%だ。割合は改正で変わることもあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「土地を貸せば借地権の分だけ下がる(貸宅地)、自分の建物を貸せばさらに借家権30%を掛けた分だけ下がる(貸家建付地)」とイメージするとラク。
要するに、貸宅地は(1−借地権割合)、貸家建付地は(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)、借家権割合は30%、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:貸宅地の計算
①借地権を設定して人に貸している土地
②自用地評価額×(1−借地権割合)
🔴 次に出る:貸家建付地の計算
①自分の建物(アパート等)を貸している土地
②自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
🟡 押さえると安定:割合の数字
①借家権割合は全国一律で30%
②借地権割合は地域ごとに30〜90%
よくある間違い
①「貸宅地も貸家建付地も計算式は同じ」→ ✗ 貸宅地は(1−借地権割合)、貸家建付地は借家権割合などをさらに掛ける。
②「借家権割合は地域ごとに違う」→ ✗ 借家権割合は全国一律で30%。地域で違うのは借地権割合。
③「人に貸しても土地の評価額は下がらない」→ ✗ 自由に使えない分だけ評価額が下がる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(貸宅地の計算)
貸宅地の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貸宅地は、人に貸していても自用地と同じ評価額になるものと決められている
- 貸宅地は、自用地評価額に借地権割合をそのまま足して求めるものとされる
- 貸宅地は、評価額がつねに自用地評価額の2倍になるものと決められている
- 貸宅地は、自用地評価額×(1−借地権割合)で評価額を求めるものである
解答は 4 だ。
貸宅地は、自用地評価額×(1−借地権割合)で求める。借地権の分だけ地主が使えないので評価額が下がるんだよ。
選択肢1の「自用地と同じ」、選択肢2の「足して求める」、選択肢3の「2倍」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 借地権の分だけ下がる |
| 2 | ✗ | 足すのではなく(1−借地権割合)を掛ける |
| 3 | ✗ | 2倍にはならない |
| 4 | ✓ | 自用地×(1−借地権割合)で正しい |
オリジナル問題2(貸家建付地の計算)
貸家建付地の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貸家建付地は、自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)で求める
- 貸家建付地は、自用地評価額にそのまま借家権割合を足して求めるものとされる
- 貸家建付地は、人に貸していても評価額がいっさい下がらないものと決められている
- 貸家建付地は、自用地評価額の2倍になるものと決められているものとされる
解答は 1 だ。
貸家建付地は、自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)で求める。自分の建物を貸している分だけ、さらに評価額が下がるよ。
選択肢2の「足して求める」、選択肢3の「下がらない」、選択肢4の「2倍」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 借地権割合×借家権割合×賃貸割合を引くで正しい |
| 2 | ✗ | 足すのではなく掛けて引く |
| 3 | ✗ | 評価額は下がる |
| 4 | ✗ | 2倍にはならない |
オリジナル問題3(割合の数字)
借地権割合と借家権割合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 借家権割合は地域ごとに30〜90%で異なるものと決められているものとされる
- 借家権割合は全国一律で30%、借地権割合は地域ごとに30〜90%である
- 借地権割合も借家権割合も、どちらも全国一律で50%だと決められている
- 借地権割合は全国一律の30%で、地域による違いはないものとされている
解答は 2 だ。
借家権割合は全国一律で30%、借地権割合は地域ごとに30〜90%だ。「借家権は一律30%、借地権は地域で変わる」と分けて覚えるといいよ。
選択肢1の「借家権が地域で異なる」、選択肢3の「どちらも50%」、選択肢4の「借地権が一律30%」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 地域で異なるのは借地権割合 |
| 2 | ✓ | 借家権30%・借地権は地域別30〜90%で正しい |
| 3 | ✗ | 一律50%ではない |
| 4 | ✗ | 借地権割合は地域で変わる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 貸宅地=自用地評価額×(1−借地権割合)。借地権を設定して土地を貸すケース。
- 🔴 貸家建付地=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)。自分の建物を貸すケース。
- 🟡 借家権割合は全国一律30%、借地権割合は地域ごとに30〜90%。
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執筆: SikakuQuest編集部