貨物海上保険とは(全体像)
貨物海上保険は、輸送している貨物が、運送のとちゅうで事故にあったときの損害を補う保険。海をわたる輸出入の貨物などが、船や航空機で運ばれるあいだの損害に備える。
押さえるのは、補うのが輸送中の貨物だということ。そして、海上の輸送に備えるのが貨物海上保険、陸上の輸送に備えるのが運送保険、という対象のちがい。どちらも事業の輸送リスクへの備えで、ここがFP2級でよく問われる。
詳しく:対象と海上・陸上のちがい
ここが記事の心臓部。まず、何を補うのか。
貨物海上保険が補うもの
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 対象 | 輸送中の貨物の事故による損害 |
| 手段 | 船舶や航空機などによる海上の輸送 |
| 立場 | 貨物を扱う事業者向けの保険 |
そして、陸上の輸送には別の保険がある。
海上と陸上の対象のちがい
| 保険 | 備える輸送 |
|---|---|
| 貨物海上保険 | 船舶や航空機による海上の輸送中の貨物 |
| 運送保険 | トラックなどによる陸上の輸送中の貨物 |
整理のコツは、まず対象は輸送中の貨物だと押さえること。倉庫に置いてある在庫ではなく、運んでいるあいだの貨物の損害が中心になる。次に海上か陸上か。海上の輸送に備えるのが貨物海上保険、陸上の輸送に備えるのが運送保険。
なお、補償の細かい範囲は会社で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
つまり貨物海上保険は、「運んでいるあいだの貨物が事故にあったときに備える、事業者向けの保険」だとイメージするとラク。
要するに、補うのは輸送中の貨物の損害。船や航空機で運ぶ海上の輸送に備えるのが貨物海上保険で、トラックなどで運ぶ陸上の輸送に備えるのが運送保険。どちらも、貨物を扱う事業者の輸送リスクへの備えになる。
ひっかけは「貨物海上保険は倉庫に置いてある在庫の損害を補う保険」という思い込み。対象は輸送中の貨物、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:対象は輸送中の貨物
①運送のとちゅうの貨物の事故による損害が対象
②貨物を扱う事業者向けの保険
🔴 次に出る:海上と陸上のちがい
①海上の輸送に備えるのが貨物海上保険
②陸上の輸送に備えるのが運送保険
🟡 押さえると安定:輸送リスクへの備え
①船舶や航空機による海上の輸送が中心
②事業の輸送にまつわるリスクを補う
よくある間違い
①「貨物海上保険は倉庫に置いてある在庫の損害を補う保険である」→ ✗ 対象は輸送中の貨物。運んでいるあいだの事故に備える。
②「陸上の輸送中の貨物も貨物海上保険で備える」→ ✗ 陸上の輸送に備えるのは運送保険。
③「貨物海上保険は個人の日常生活の損害に備える保険である」→ ✗ 貨物を扱う事業者向けの、輸送リスクへの保険。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(対象)
貨物海上保険の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貨物海上保険は、倉庫のなかに置いてある在庫だけを対象にする保険であると決められている
- 貨物海上保険は、対象という考え方がなく、どんな損害でも補うものとされている
- 貨物海上保険は、輸送している貨物が事故にあったときの損害を補う事業者向けの保険である
- 貨物海上保険は、自分自身のケガの治療費だけを補う保険であると決められている
解答は 3 だよ。
貨物海上保険は、輸送している貨物が事故にあったときの損害を補う、事業者向けの保険なんだ。運んでいる最中が対象だよ。
選択肢1は「倉庫の在庫だけ」、選択肢2は「どんな損害でも」、選択肢4は「自分のケガ」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対象は輸送中の貨物 |
| 2 | ✗ | 輸送中の貨物が対象 |
| 3 | ✓ | 輸送中の貨物を補い正しい |
| 4 | ✗ | 貨物の損害に備える |
オリジナル問題2(海上と陸上のちがい)
輸送中の貨物に備える保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 船などで運ぶ海上の輸送に備えるのが貨物海上保険、陸上の輸送に備えるのが運送保険である
- 貨物海上保険も運送保険も、輸送とはいっさい関係のない損害だけに備えるものとされている
- 陸上の輸送に備えるのが貨物海上保険で、海上の輸送には保険がいっさいないものとされている
- 貨物海上保険は、輸送中の貨物にはいっさい使えない保険であると決められている
解答は 1 だよ。
海上の輸送に備えるのが貨物海上保険、陸上の輸送に備えるのが運送保険なんだ。輸送の場で分かれているよ。
選択肢2は「輸送と関係ない損害」、選択肢3は対象が逆、選択肢4は「貨物に使えない」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 海上は貨物海上・陸上は運送で正しい |
| 2 | ✗ | 輸送中の貨物に備える |
| 3 | ✗ | 海上と陸上が逆 |
| 4 | ✗ | 輸送中の貨物に使う |
オリジナル問題3(立場)
貨物海上保険の立場に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 貨物海上保険は、個人の日常生活の損害だけに備える保険であると決められている
- 貨物海上保険は、貨物を扱う事業者の、輸送にまつわるリスクに備える保険である
- 貨物海上保険は、保険料を払うだけで何も補償されない仕組みであるものとされている
- 貨物海上保険は、貨物とはいっさい関係のない損害だけを補うものとされている
解答は 2 だよ。
貨物海上保険は、貨物を扱う事業者の、輸送にまつわるリスクに備える保険なんだ。事業の備えだよ。
選択肢1は「個人の日常生活」、選択肢3は「何も補償されない」、選択肢4は「貨物と関係ない損害」で、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 事業者向けの保険 |
| 2 | ✓ | 事業者の輸送リスクに備え正しい |
| 3 | ✗ | 貨物の損害を補償する |
| 4 | ✗ | 輸送中の貨物に備える |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 対象は輸送中の貨物。運送のとちゅうの貨物の事故による損害を補う。
- 🔴 海上と陸上のちがい。海上の輸送は貨物海上保険、陸上の輸送は運送保険。
- 🟡 輸送リスクへの備え。貨物を扱う事業者の、輸送にまつわるリスクを補う。
次に学ぶ
- PL・施設賠償責任保険 ── 事業者向けの賠償保険。輸送リスクとあわせて事業の備えを整理できる。
- 火災保険の種類 ── 建物や家財の損害に備える保険。物の損害という考え方を横断して押さえられる。
執筆: SikakuQuest編集部