法人の保険の税金とは?返戻率による損金の区分

公開: 更新: カテゴリ: リスク管理

30秒で結論

法人の保険の税金とは(全体像)

法人(会社)が生命保険に入ると、税金が関わる場面が2つある。保険料を払うときの損金の扱いと、保険金を受け取るときの益金の扱い。

押さえるのは、払うときの損金算入のルール。かつては全額を損金にできるイメージもあったが、2019年の通達改正で、最高解約返戻率(保険期間中にいちばん高くなる返戻率)に応じて、損金にできる割合が区分されるようになった。ここがFP2級でよく問われる。


詳しく:返戻率による損金の区分

ここが記事の心臓部。最高解約返戻率に応じて、損金にできる割合が分かれる。

最高解約返戻率と損金にできる割合

最高解約返戻率損金にできる割合
50%以下全額が損金
50%超70%以下6割を損金(4割は資産計上)
70%超85%以下4割を損金(6割は資産計上)
85%超大部分を資産計上

整理のコツは、まず返戻率が高いほど損金は減ること。50%以下なら全額損金だが、返戻率が高くなるほど損金にできる割合が下がり、資産計上が増える。「つねに全額損金」は誤り。

次に、受け取るときは益金になること。法人が保険金を受け取ると、その額は益金(雑収入)として扱われる。資産計上していた分があれば取り崩す。

なお、税の扱いは改正で変わることがある。受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておくとよい。

わかりやすく言い換えると

つまり法人の保険の税金は、「払うときの損金は返戻率しだい、受け取るときは益金」とイメージするとラク。

要するに、払うときの損金は、最高解約返戻率が高いほど割合が下がる。返戻率が50%以下なら全額損金だが、高くなるほど資産計上の割合が増えていく。だから「いつも全額損金」とは限らない。そして、保険金を受け取るときは、その額が益金として扱われる。

ひっかけは「法人の保険料はつねに全額損金」という思い込み。返戻率による区分がある、と押さえておこう。


試験のツボ

🔴 一番出る:返戻率で損金の割合が区分される

①最高解約返戻率50%以下は全額損金

②返戻率が高くなるほど損金は減り、資産計上が増える

🔴 次に出る:受け取るときは益金

①法人が受け取る保険金は益金(雑収入)

②資産計上していた分は取り崩す

🟡 押さえると安定:2019年の通達改正

①最高解約返戻率に応じて損金の割合を区分

②全額損金とは限らない


よくある間違い

「法人の保険料はつねに全額が損金になる」→ ✗  最高解約返戻率による区分がある。返戻率が高いほど損金は減る。

「最高解約返戻率が高いほど損金にできる割合が増える」→ ✗  返戻率が高いほど損金は減り、資産計上が増える。

「法人が受け取った保険金は益金にはならない」→ ✗  法人が受け取る保険金は益金(雑収入)として扱われる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(損金の区分)

📝 オリジナル問題 1 法人保険の損金算入

法人の保険料の損金算入に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 法人の保険料は、最高解約返戻率にかかわらず、つねに全額が損金になるものとされている
  2. 法人の保険料は、最高解約返戻率が高いほど、損金にできる割合がむしろ増えていくものとされている
  3. 法人の保険料は、いっさい損金にできず、すべて資産計上するものと決められている
  4. 法人の保険料は、最高解約返戻率に応じて損金の割合が区分され、返戻率が高いほど損金が減る
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 4 だよ。

法人の保険料は、最高解約返戻率に応じて損金の割合が区分され、返戻率が高いほど損金が減るんだ。全額損金とは限らないよ。

選択肢1は「つねに全額損金」、選択肢2は割合が逆、選択肢3は「いっさい損金にできない」で、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1返戻率で割合が区分される
2返戻率が高いほど損金は減る
350%以下なら全額損金
4返戻率で区分・高いほど損金減で正しい

オリジナル問題2(50%以下の場合)

📝 オリジナル問題 2 返戻率50%以下の損金

最高解約返戻率が50%以下の法人保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 最高解約返戻率が50%以下でも、保険料はいっさい損金にできないものとされている
  2. 最高解約返戻率が50%以下である場合には、支払った保険料の全額を損金にすることができる
  3. 最高解約返戻率が50%以下の場合は、保険料の1割だけしか損金にできないものとされている
  4. 最高解約返戻率が50%以下の場合は、保険料がかえって益金に加算されるものとされている
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 2 だよ。

最高解約返戻率が50%以下の場合は、支払った保険料を全額損金にできるんだ。返戻率が低いと損金にできる割合が大きいよ。

選択肢1は「いっさい損金にできない」、選択肢3は「1割だけ」、選択肢4は「益金に加算」で、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
150%以下は全額損金
250%以下は全額損金で正しい
31割ではなく全額
4益金に加算されない

オリジナル問題3(受け取るとき)

📝 オリジナル問題 3 法人が受け取る保険金

法人が受け取る保険金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 法人が受け取る保険金は、税金とはいっさい関係がないものと決められている
  2. 法人が受け取る保険金は、受け取っても会社の損金になるものとされている
  3. 法人が受け取る保険金は、益金として扱われ、資産計上していた分があれば取り崩す
  4. 法人が受け取る保険金は、必ずその全額が課税されずに手元に残るものと決められている
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 3 だよ。

法人が受け取る保険金は、益金として扱われ、資産計上していた分があれば取り崩すんだ。受け取り側でも税が関わるよ。

選択肢1は「税と関係ない」、選択肢2は「損金になる」、選択肢4は「全額残る」で、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1益金として扱われる
2損金ではなく益金
3益金で資産も取り崩し正しい
4益金として扱われる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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