必要保障額とは(全体像)
必要保障額は、生命保険でいくらの保障を用意すればよいかを決める、その基礎になる金額だ。
考え方はシンプルで、これから遺族に必要なお金(加算)から、入ってくるお金や手持ち資産(減算)を引く。残った不足分が必要保障額になる。FP2級では、この足す項目と引く項目の中身がよく問われる。
適正額の考え方(多ければよいわけではない点)は保険提案のケーススタディでまとめている。ここでは計算式の内訳に絞る。
詳しく:加算する項目と減算する項目
ここが記事の心臓部。計算式の中身を表で押さえる。
必要保障額の計算式
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 加算(必要なお金) | 遺族の生活費(毎月の生活費×必要年数)・教育費・葬儀費・住宅費など |
| 減算(まかなえるお金) | 遺族年金などの公的年金・保有資産(預貯金や有価証券)・配偶者の収入など |
| 必要保障額 | 加算の合計 − 減算の合計 |
加算でいちばん大きいのが遺族の生活費。これは「毎月の生活費 × これから必要な年数」で見積もる。そこに教育費・葬儀費・住宅にかかる費用などを足していく。
減算では、遺族年金などの公的年金と、すでに持っている保有資産が中心。公的年金や貯蓄でまかなえる分が大きいほど、必要保障額は小さくなる。加算の合計から減算の合計を引いた差額が、死亡保険金額を決める基礎になる。考え方は状況で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「これから要るお金(生活費×年数+教育費+葬儀費)から、入るお金(遺族年金+資産)を引く」とイメージするとラク。
要するに、加算は生活費・教育費・葬儀費、減算は遺族年金・保有資産。その差が必要保障額、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:加算と減算の骨組み
①加算(必要なお金)から減算(まかなえるお金)を引く
②差額が死亡保険金額を決める基礎になる
🔴 次に出る:加算する項目
①遺族の生活費(毎月の生活費×必要年数)
②教育費・葬儀費・住宅費など
🟡 押さえると安定:減算する項目
①遺族年金などの公的年金
②保有資産(預貯金・有価証券)や配偶者の収入
よくある間違い
①「必要保障額は、必要なお金を足すだけで求める」→ ✗ 必要なお金から、遺族年金や保有資産などを引いた不足分が必要保障額。
②「遺族の生活費は、毎月の生活費だけで見る」→ ✗ 毎月の生活費に、これから必要な年数をかけて見積もる。
③「遺族年金や保有資産は計算に入れない」→ ✗ まかなえるお金として減算する。引くほど必要保障額は小さくなる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(計算の骨組み)
必要保障額の求め方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 必要保障額は、遺族に必要なお金をいっさい考えずに決めるものとされているのである
- 必要保障額は、遺族に必要なお金から遺族年金や保有資産を引いた不足分で求める
- 必要保障額は、まかなえるお金だけを合計して求めるものと決められているのである
- 必要保障額は、つねに死亡保険金額より大きくなると決められているものとされる
解答は 2 である。
必要保障額は、遺族に必要なお金(加算)から遺族年金や保有資産(減算)を引いた不足分で求める。この差額が保険金額の基礎じゃ。
選択肢1の「必要なお金を考えない」、選択肢3の「まかなえるお金だけ」、選択肢4の「つねに保険金額より大きい」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 必要なお金を加算する |
| 2 | ✓ | 加算から減算を引いた不足分で正しい |
| 3 | ✗ | 加算も用いて差額を出す |
| 4 | ✗ | 大小は計算結果しだい |
オリジナル問題2(加算する項目)
必要保障額で加算する項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 加算する遺族の生活費は、必要な年数を考えずに毎月の額だけで見るものとされている
- 加算する項目には、教育費や葬儀費はいっさい含めないものと決められているのである
- 加算するのは葬儀費だけで、生活費も教育費も含めないものと決められているのだ
- 遺族の生活費は毎月の生活費に必要年数をかけ、教育費や葬儀費なども加算していく
解答は 4 である。
遺族の生活費は毎月の生活費に必要年数をかけ、教育費や葬儀費なども加算する。生活費は「月額×年数」で見積もるのじゃ。
選択肢1の「毎月の額だけ」、選択肢2の「教育費や葬儀費を含めない」、選択肢3の「葬儀費だけ」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 必要年数をかけて見積もる |
| 2 | ✗ | 教育費や葬儀費も加算する |
| 3 | ✗ | 生活費や教育費も含める |
| 4 | ✓ | 生活費×年数+教育費・葬儀費で正しい |
オリジナル問題3(減算する項目)
必要保障額で減算する項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 遺族年金などの公的年金や保有資産を、まかなえるお金として差し引いて減算する
- 遺族年金や保有資産は、必要保障額の計算でいっさい引かないものとされているのである
- 減算するのは葬儀費で、遺族年金や保有資産は減算しないものと決められているのだ
- 保有資産が多いほど、必要保障額は大きくなるものと決められているものとされる
解答は 1 である。
遺族年金などの公的年金や保有資産を、まかなえるお金として減算する。引くほど必要保障額は小さくなるのじゃ。
選択肢2の「いっさい引かない」、選択肢3の「葬儀費を減算」、選択肢4の「資産が多いほど大きい」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 遺族年金や保有資産を減算で正しい |
| 2 | ✗ | まかなえる分を減算する |
| 3 | ✗ | 葬儀費は加算側 |
| 4 | ✗ | 資産が多いほど小さくなる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 必要保障額は加算(必要なお金)− 減算(まかなえるお金)で求める不足分。
- 🔴 加算は遺族の生活費(生活費×年数)+教育費+葬儀費など。
- 🟡 減算は遺族年金などの公的年金+保有資産。差額が死亡保険金額の基礎になる。
次に学ぶ
- 保険提案のケーススタディ ── 求めた必要保障額をもとに、適正な保険をどう選ぶか。あわせて押さえられる。
- 遺族厚生年金 ── 減算する遺族年金の中身。いくらまかなえるかを左右する。
執筆: SikakuQuest編集部