実質利回りとは(全体像)
「利回り3%」と聞くと、お金が3%増えると思いがち。でも、その間に物価(モノの値段)が上がっていたら、増えたお金で買えるモノはそれほど増えていない。
そこで使うのが実質利回り。名目利回り(見かけの%)から、インフレ率(物価の上昇率)を差し引いたものが、お金の本当の増え方だ。名目の数字だけで判断しないのがFP2級でよく問われる。
終価係数・現価係数など6種の係数や複合計算は6つの係数でまとめている。ここでは名目と実質の違いに絞る。
詳しく:名目と実質の違い
ここが記事の心臓部。名目と実質の関係を表で押さえる。
名目利回りと実質利回り
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 名目利回り | 表面上の、見かけの利回り(%) |
| インフレ率 | 物価の上昇率 |
| 実質利回り | 名目利回り − インフレ率(簡便な近似)。お金の実際の増え方 |
ポイントは、実質利回り ≒ 名目利回り − インフレ率という関係。たとえば名目利回りが3%でも、インフレ率が2%なら、実質利回りは約1%しかない。お金は数字の上では3%増えても、物価も2%上がっているので、実際に増えた価値は1%ぶんというわけだ。
もしインフレ率が名目利回りを上回ると、実質利回りはマイナスになる。見かけは増えていても、買えるモノは減ってしまう。だから運用を考えるときは名目だけでなく実質で見るのがFP実務だ。なお「名目 − インフレ率」は簡便な近似で、考え方は状況で変わるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「見かけの利回りから物価の上昇ぶんを引いたのが、本当の増え方(実質利回り)」とイメージするとラク。
要するに、実質利回り ≒ 名目利回り − インフレ率で、名目だけでは資産の実際の増え方はわからない、と押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:実質利回りの考え方
①実質利回り ≒ 名目利回り − インフレ率
②名目(見かけ)から物価上昇ぶんを引く
🔴 次に出る:具体的な計算
①名目3%・インフレ2%なら実質は約1%
②インフレ率が名目を上回ると実質はマイナス
🟡 押さえると安定:なぜ実質で見るか
①物価が上がると同じお金で買えるモノは減る
②名目だけでは資産の実際の増え方はわからない
よくある間違い
①「名目利回りがプラスなら、必ず資産は実質でも増える」→ ✗ インフレ率が名目を上回ると、実質利回りはマイナスになる。
②「実質利回りは、名目利回りにインフレ率を足して求める」→ ✗ 足すのではなく、名目利回りからインフレ率を差し引く。
③「物価の動きは利回りの判断に関係ない」→ ✗ 物価が上がると実際の増え方は小さくなる。実質で見る必要がある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(実質利回りの考え方)
実質利回りに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 実質利回りは、名目利回りにインフレ率を足して求めるものと決められているのである
- 実質利回りは、名目利回りからインフレ率を差し引いた、お金の実際の増え方を表す
- 実質利回りは、インフレ率とはいっさい関係なく決まるものと決められているのである
- 実質利回りは、つねに名目利回りより大きくなるものと決められているものとされる
解答は 2 である。
実質利回りは、名目利回りからインフレ率を差し引いた、お金の実際の増え方を表す。物価上昇ぶんを引くのじゃ。
選択肢1の「足して求める」、選択肢3の「インフレと関係ない」、選択肢4の「名目より大きい」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 足すのではなく差し引く |
| 2 | ✓ | 名目−インフレで実際の増え方で正しい |
| 3 | ✗ | インフレ率を差し引く |
| 4 | ✗ | ふつう名目より小さくなる |
オリジナル問題2(具体的な計算)
名目利回りが3%、インフレ率が2%のときの実質利回りに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 実質利回りは、名目利回りと同じ3%のままになるものと決められているものとされる
- 実質利回りは5%になり、名目利回りより大きくなると決められているものとされている
- 実質利回りは、名目3%からインフレ2%を引いて、おおよそ1%になると考えられる
- 実質利回りは、インフレ率と同じ2%になるものと決められているものとされているのだ
解答は 3 である。
実質利回りは、名目3%からインフレ2%を引いて、おおよそ1%になると考えられる。見かけは3%でも実際の増え方は約1%じゃ。
選択肢1の「3%のまま」、選択肢2の「5%」、選択肢4の「2%」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | インフレぶんを引く |
| 2 | ✗ | 足すのではなく引く |
| 3 | ✓ | 3%−2%で約1%で正しい |
| 4 | ✗ | 名目から引いた約1% |
オリジナル問題3(なぜ実質で見るか)
名目利回りと物価の関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- インフレ率が名目利回りを上回ってしまうと、実質利回りはマイナスになることがある
- 名目利回りがプラスなら、必ず実質でも資産は増えると決められているものとされる
- 物価の動きは、利回りの判断にはいっさい関係しないものと決められているのである
- 名目利回りさえ見れば、資産の実際の増え方は完全にわかると決められているのである
解答は 1 である。
インフレ率が名目利回りを上回ると、実質利回りはマイナスになることがある。見かけは増えても買えるモノは減るのじゃ。
選択肢2の「必ず実質でも増える」、選択肢3の「物価は関係ない」、選択肢4の「名目だけでわかる」は、いずれも誤りじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | インフレが名目超で実質マイナスで正しい |
| 2 | ✗ | インフレ次第で実質はマイナスも |
| 3 | ✗ | 物価は実質に影響する |
| 4 | ✗ | 実質で見る必要がある |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 実質利回りは名目利回り − インフレ率(簡便な近似)。お金の実際の増え方。
- 🔴 名目3%・インフレ2%なら実質は約1%。インフレが名目を上回ると実質はマイナス。
- 🟡 物価が上がると見かけの利回りほどには増えない。名目だけで判断しない。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部