不動産の4つの価格とは(全体像)
土地の値段は1つではなく、使う目的によって4つの公的な価格がある。「取引の目安」「相続税の計算」「固定資産税の計算」など、用途ごとに別の価格が用意されている。
押さえるのは、4つの名前・用途・水準。公示価格を基準(100)として、相続税路線価は約80%、固定資産税評価額は約70%、という大小関係がFP2級でよく問われる。
詳しく:4つの価格の用途と水準
ここが記事の心臓部。4つの価格を並べて押さえると整理しやすい。
不動産の4つの公的価格
| 価格 | 主な用途 | 水準(公示価格=100) |
|---|---|---|
| 公示価格 | 一般の取引の指標 | 100 |
| 基準地価 | 公示価格を補う | 100 |
| 相続税路線価 | 相続税・贈与税の評価 | 約80 |
| 固定資産税評価額 | 固定資産税など保有の税 | 約70 |
ポイントは、公示価格を100とした大小関係。相続税路線価は約80%、固定資産税評価額は約70%で、「100・100・80・70」と並べて覚える。実際の取引の目安が公示価格、税金の計算に使うのが路線価と固定資産税評価額、というつながりも押さえる。
公表のタイミングは価格ごとに異なり(固定資産税評価額は3年ごとの評価替えなど)、内容は改正で変わることがあるので、受験する年度の最新の内容もあわせて確認しておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり、「同じ土地でも“何に使うか”で値段が変わる。取引の目安が公示価格、相続は約8割、固定資産税は約7割」とイメージするとラク。
要するに、不動産には公示価格(100)・基準地価(100)・相続税路線価(約80)・固定資産税評価額(約70)の4つの公的価格がある。用途は、取引の指標・公示価格の補完・相続贈与・保有の税。「100・100・80・70」と用途をセットで押さえておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:4つの価格の水準
①公示価格・基準地価=100
②相続税路線価=約80、固定資産税評価額=約70
🔴 次に出る:用途の対応
①公示価格=取引の指標、基準地価=その補完
②相続税路線価=相続・贈与、固定資産税評価額=保有の税
🟡 押さえると安定:公表のタイミング
①価格ごとに公表時期が違う
②固定資産税評価額は3年ごとに評価替え
よくある間違い
①「4つの価格はすべて同じ金額になる」→ ✗ 公示価格100に対し、相続税路線価は約80、固定資産税評価額は約70。
②「相続税路線価は固定資産税の計算に使う」→ ✗ 相続税路線価は相続税・贈与税の評価に使う。
③「固定資産税評価額は毎年つけ替える」→ ✗ 固定資産税評価額は3年ごとに評価替え。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(公示価格)
不動産の公示価格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 公示価格は、相続税を計算するためだけにいつも使われる価格だと決められているものとされる
- 公示価格は、固定資産税を計算するためだけに使われる価格だと決められているものとされる
- 公示価格は一般の土地取引の指標となる価格で、ほかの公的価格の水準の基準(100)になる
- 公示価格は、土地とはまったく関係のない、株式の値段のことをさすものと決められている
解答は 3 だ。
公示価格は、一般の土地取引の指標となる価格で、ほかの公的価格の水準の基準(100)になるぞ。まずはこれが土台だ。
選択肢1の「相続税だけ」、選択肢2の「固定資産税だけ」、選択肢4の「株式の値段」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 相続税専用ではない |
| 2 | ✗ | 固定資産税専用ではない |
| 3 | ✓ | 取引の指標で水準の基準になり正しい |
| 4 | ✗ | 土地の価格である |
オリジナル問題2(相続税路線価)
相続税路線価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相続税路線価は、公示価格よりむしろ高く、水準150ほどに設定されているものとされている
- 相続税路線価は相続税・贈与税の評価に使われ、その水準は公示価格の約80(80%)である
- 相続税路線価は、取引の指標として使うために定められた価格だと決められているものとされる
- 相続税路線価は、毎年12月末にだけ公表される株式の指標だと決められているものとされる
解答は 2 だ。
相続税路線価は、相続税・贈与税の評価に使われ、水準は公示価格の約80(80%)だ。「相続は8割」と覚えておけ。
選択肢1の「水準150」、選択肢3の「取引の指標」、選択肢4の「株式の指標」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 公示価格の約80% |
| 2 | ✓ | 相続贈与の評価・約80%で正しい |
| 3 | ✗ | 取引の指標は公示価格 |
| 4 | ✗ | 土地の価格である |
オリジナル問題3(固定資産税評価額)
固定資産税評価額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 固定資産税評価額は、公示価格とまったく同じ水準の100にきっちり設定されているものと決められている
- 固定資産税評価額は、相続税・贈与税の評価のためだけに使われるものと決められている
- 固定資産税評価額は、毎年必ずつけ替えられるものと法律で決められているものとされる
- 固定資産税評価額は固定資産税などに使われ、水準は公示価格の約70で、3年ごとに評価替えされる
解答は 4 だ。
固定資産税評価額は、固定資産税などに使われ、水準は公示価格の約70で、3年ごとに評価替えされるぞ。「固定資産税は7割」と覚えておけ。
選択肢1の「水準100」、選択肢2の「相続税専用」、選択肢3の「毎年つけ替え」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 約70の水準 |
| 2 | ✗ | 保有の税に使う |
| 3 | ✗ | 3年ごとに評価替え |
| 4 | ✓ | 約70・3年ごと評価替えで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 4つの価格の水準。公示価格・基準地価=100、相続税路線価=約80、固定資産税評価額=約70。
- 🔴 用途の対応。取引の指標・補完・相続贈与・保有の税。
- 🟡 公表のタイミング。価格ごとに違い、固定資産税評価額は3年ごとに評価替え。
次に学ぶ
- 譲渡所得税(不動産) ── 不動産を売ったときの税。価格の評価と課税のつながりを押さえられる。
- 建蔽率 ── 不動産を建てる側のルール。土地の価格と建築の規制を不動産分野としてまとめて整理できる。
執筆: SikakuQuest編集部