労働委員会とは?労組法19条以降

公開: 更新: カテゴリ: 労働一般

30秒で結論

労働委員会とは何か(本質)

条文の趣旨

労働組合や組合員が使用者の反組合的行為(不当労働行為)を受けたとき、裁判だけに頼ると時間も負担も大きい。また、労働組合と使用者の間の争議(ストライキなど)も、当事者だけでは解決が難しいことがある。そこで労働組合法は、労使関係の専門機関として労働委員会を置き、不当労働行為の審査・救済と、労働争議の調整(あっせん・調停・仲裁)を担わせた。中立性を保つため、委員は公益・労働者・使用者の三者で構成される。

労働委員会は、不当労働行為事件の審査・救済命令と、労働争議のあっせん・調停・仲裁を行う行政委員会である(労組法19条以降)。①中央労働委員会(全国的事件・都道府県労働委員会の命令の再審査)と②都道府県労働委員会(当該都道府県内の事件の第一次審査)の2種があり、委員は公益委員・労働者委員・使用者委員を各同数とする三者構成。不当労働行為の救済では、都道府県労働委員会の命令に不服があれば中央労働委員会の再審査、さらに裁判所への取消訴訟ができる(労働委員会の要旨)。

核心は 「不当労働行為の審査・救済命令+労働争議のあっせん・調停・仲裁を行う行政委員会/中央労働委員会と都道府県労働委員会の2種/公益・労働者・使用者の三者を各同数とする三者構成/命令に不服は再審査・取消訴訟」 という枠組み。2種・三者構成・不服申立てを軸に押さえる。

わかりやすく言い換えると

要するに「労働組合と会社の間のもめごとを専門に扱う、中立の役所が労働委員会、ということ。やることは大きく2つ。会社の反組合的な行為(不当労働行為)を審査して救済命令を出すことと、ストライキなどの労働争議の仲立ち(あっせん・調停・仲裁)をすること。役所は2種類あって、全国レベルや『不服のとき再チェック』を担う中央労働委員会と、その都道府県内のもめごとを最初に扱う都道府県労働委員会に分かれている。委員は、中立の立場(公益)・働く人の立場(労働者)・会社の立場(使用者)の3グループを同じ人数そろえる。都道府県の命令に納得できなければ、中央でもう一度みてもらい、それでも不満なら裁判所に訴えられる」ということ。

試験での位置付け

労働委員会は、集団的労使関係の救済機関として頻出。中央労働委員会と都道府県労働委員会の2種とその役割分担、公益・労働者・使用者委員を各同数とする三者構成、業務が不当労働行為の審査・救済と労働争議のあっせん・調停・仲裁である点、命令に不服があれば再審査・取消訴訟ができる点が問われる。2種・三者構成・不服申立てを軸に押さえる。


なぜ重要か

出題の傾向

労働委員会をめぐる出題は、おおむね三つの形に整理できる。

押さえるとどう効くか

ここをつかんでおくと、集団的労使関係の救済の流れが一本で整理できる。労働委員会が守る主体である 労働組合、審査の対象となる 不当労働行為、不利益取扱いの舞台である 労働契約 を結ぶと、「労働者の団結が・妨げられたとき・どこに救済を求めるか」が立体的につかめる。

関連論点との接続

労働委員会は、複数の論点と接続している。

「集団的労使関係の規律」という枠の中で、労働委員会はその救済と調整を担う行政機関として位置づけられる。


詳細解説

労働委員会は、三つの軸 で分解すると整理しやすい。第1軸「2種(中央労働委員会・都道府県労働委員会)」、第2軸「三者構成(公益・労働者・使用者委員を各同数)」、第3軸「業務と不服(不当労働行為の審査救済+労働争議の調整・再審査・取消訴訟)」。順に押さえれば、2種型も三者構成型も業務・不服型も落ち着いて解ける。

ポイント1: どんな種類があるか ── 中央労働委員会と都道府県労働委員会

2種を押さえる。

労働委員会の2種

種類役割
中央労働委員会全国的な事件・複数都道府県にまたがる事件、都道府県労働委員会の命令の再審査
都道府県労働委員会その都道府県内の事件の第一次審査
再審査都道府県労働委員会の命令に不服があれば中央労働委員会が再審査
取消訴訟命令に不服があれば裁判所に取消訴訟ができる

ポイントは、労働委員会には中央労働委員会と都道府県労働委員会の2種があり、都道府県労働委員会が第一次審査を、中央労働委員会が全国的事件や命令の再審査を担う こと。労働委員会は一種類だけ、と取り違えない点が問われる。地域の事件はまず都道府県労働委員会が扱い、その命令に不服があれば中央労働委員会の再審査へ進む。「中央労働委員会・都道府県労働委員会の2種」を押さえる。

ポイント2: 誰で構成されるか ── 公労使の三者構成

構成を押さえる。

労働委員会の三者構成

公益委員中立の立場(不当労働行為の審査・命令を担う)
労働者委員労働者を代表する立場
使用者委員使用者を代表する立場
人数公益・労働者・使用者の三者を各同数とする

ポイントは、労働委員会の委員は、公益委員・労働者委員・使用者委員の三者からなり、各同数で構成される こと。委員は中立の公益委員だけからなる、と取り違えない点が問われる。労使双方の立場を等しく反映しつつ、中立の公益委員が判断の中核を担う仕組みである。たとえば不当労働行為の審査・命令は公益委員が行う。「公益・労働者・使用者の三者を各同数」を押さえる。

ポイント3: 何をするか・不服はどうするか ── 業務と再審査・取消訴訟

業務と不服を押さえる。

労働委員会の業務と不服申立て

区分内容
不当労働行為事件の審査と救済命令(原職復帰・バックペイ等)
労働争議あっせん・調停・仲裁による調整
再審査都道府県労働委員会の命令に不服→中央労働委員会へ
取消訴訟命令に不服→裁判所へ

ポイントは、労働委員会は不当労働行為の審査・救済命令に加え、労働争議のあっせん・調停・仲裁による調整を行い、命令に不服があれば再審査や取消訴訟ができる こと。労働委員会は不当労働行為だけを扱う、と取り違えない点が問われる。労働委員会の業務は不当労働行為の救済と労働争議の調整の両方にわたる。労働争議の調整には、当事者の話合いを助けるあっせん、調停委員会が調停案を示す調停、仲裁委員会の判断による仲裁の3つがあり、仲裁による仲裁裁定は労働協約と同一の効力をもつ。なお、命令に不服があるときは中央労働委員会への再審査や裁判所への取消訴訟という道がある。「不当労働行為の審査救済+労働争議の調整・再審査・取消訴訟」を押さえる。

ポイント4: 哲学コラム ── 労働委員会が映す「専門機関で素早く労使を支える」という設計

労働委員会という仕組みは、単なる役所ではなく、「労使関係の紛争を、専門性と中立性をもって迅速に解決する」という設計思想 を映している。不当労働行為や労働争議は、一般の裁判だけでは時間がかかり、当事者の負担も大きい。そこで労使関係に通じた専門機関を置き、しかも労使双方の委員を等しく入れることで、現場感覚と公正さの両立を図った。中立の公益委員が判断の中核を担いつつ、労使の声を反映する──労働委員会は、団結の保護と争議の解決を現実に機能させるための要である。シカクエが「仕組みで攻略する」と伝えているのは、こうした趣旨ごと理解すると暗記が記憶として根づき応用が利くからである。

労働委員会の総整理

ここまでを整理する。第1に2種(中央労働委員会・都道府県労働委員会)、第2に三者構成(公益・労働者・使用者委員を各同数)、第3に業務と不服(不当労働行為の審査救済+労働争議の調整・命令への再審査・取消訴訟)。あわせて押さえたいのは、労働組合の資格審査も労働委員会が担う点。ここまで押さえると、安定して解ける。


よくある間違い・注意点

間違いパターン1: 「労働委員会は中央労働委員会の一種類だけである」

これは誤り。労働委員会には中央労働委員会と都道府県労働委員会の2種があり、都道府県労働委員会が第一次審査を、中央労働委員会が再審査などを担う。一種類だけ、と取り違えない。

間違いパターン2: 「労働委員会の委員は中立の公益委員だけで構成される」

これも誤り。労働委員会は公益委員・労働者委員・使用者委員の三者を各同数とする三者構成である。公益委員だけ、と取り違えない。

労働委員会(労組法19条以降)=不当労働行為の審査・救済命令と労働争議のあっせん・調停・仲裁を行う行政委員会。中央労働委員会(全国的事件・再審査)と都道府県労働委員会(第一次審査)の2種。委員は公益・労働者・使用者を各同数とする三者構成。命令に不服→中央労働委員会の再審査・裁判所への取消訴訟。「一種類だけ」「公益委員だけで構成」「不当労働行為だけを扱う」はいずれも誤り。

間違いパターン3: 「労働委員会は不当労働行為の審査だけを行い、労働争議の調整はしない」

これも誤り。労働委員会は不当労働行為の審査・救済に加え、労働争議のあっせん・調停・仲裁による調整も行う。不当労働行為だけ、と取り違えない。

似た用語との違い

不当労働行為 は使用者による反組合的行為そのもの(禁止される行為)、本項の労働委員会はその審査と救済を担う機関 ── 「禁止される行為」か「救済する機関」かで位置づけが違う、と並べて押さえると混ざらない。


試験での出題パターン

完全自作のオリジナル問題で確認する。過去問そのままではない。

オリジナル問題1(2種論点)

📝 オリジナル問題 1 2種論点

労働委員会の種類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 労働委員会は中央労働委員会のみが置かれ都道府県には労働委員会が設けられていないものとして法に定められている取扱いである
  2. 労働委員会は都道府県労働委員会のみで構成され中央労働委員会という機関はおよそ存在しないものとして定められている取扱いである
  3. 労働委員会は地域の事件を扱う機関と全国的な事件や再審査を扱う機関とに分かれて設けられていないものとされる取扱いである
  4. 労働委員会は都道府県労働委員会が第一次審査を中央労働委員会が再審査等を担うという2種からなるものとされる取扱いである
セーフビーバ
セーフビーバ 解答・解説

解答は 4 だよ。

中央労働委員会・都道府県労働委員会の2種を問う論点なんだ。

選択肢判定理由
1都道府県にもある
2中労委もある
32種に分かれる
42種・役割分担

中央労働委員会と都道府県労働委員会の2種だよ。

オリジナル問題2(三者構成論点)

📝 オリジナル問題 2 三者構成論点

労働委員会の構成に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 労働委員会は公益委員・労働者委員・使用者委員という三者をそれぞれ各同数とする三者構成によるものとされる取扱いである
  2. 労働委員会は中立性を保つため公益委員のみで構成され労使の委員はおよそ加わらないものとして定められている取扱いである
  3. 労働委員会は労働者委員と使用者委員の二者のみで構成され公益委員はおよそ置かれないものとして定められている取扱いである
  4. 労働委員会は使用者委員を労働者委員より多く置き使用者側の意向を強く反映するものとして定められている取扱いである
ロウミーア
ロウミーア 解答・解説

解答は 1 だっ。

公益・労働者・使用者を各同数とする三者構成を問う論点だっ。

選択肢判定理由
1三者を各同数
2労使委員も加わる
3公益委員もいる
4各同数である

公益・労働者・使用者の三者を各同数――ここで押さえるのが要だっ!

オリジナル問題3(業務・不服論点)

📝 オリジナル問題 3 業務・不服論点

労働委員会の業務と不服申立てに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 労働委員会は不当労働行為の審査のみを行い労働争議のあっせんや調停や仲裁はおよそ行わないものとして定められている取扱いである
  2. 労働委員会の命令には不服があってもおよそ再審査や取消訴訟を求めることはできないものとして法に定められている取扱いである
  3. 労働委員会は不当労働行為の審査救済と労働争議の調整を行い命令への再審査や取消訴訟もできるものとされる取扱いである
  4. 労働委員会は労働争議のあっせんや調停や仲裁のみを行い不当労働行為の審査はおよそ行わないものとされる取扱いである
ロウタイテイ
ロウタイテイ 解答・解説

解答は 3 である。

不当労働行為の審査救済と労働争議の調整、不服申立てを問うものである。

選択肢判定理由
1争議の調整も行う
2再審査・取消訴訟可
3両業務+不服可
4不当労働行為も審査

不当労働行為の審査救済と労働争議の調整、再審査・取消訴訟と押さえるのが肝要である。


まとめ:押さえどころ3つ

  1. 2種: 労働委員会には中央労働委員会(全国的事件・命令の再審査)と都道府県労働委員会(その都道府県内の事件の第一次審査)の2種がある
  2. 三者構成: 委員は公益委員・労働者委員・使用者委員の三者からなり、各同数で構成される。中立の公益委員だけではない
  3. 業務と不服: 不当労働行為の審査・救済命令と、労働争議のあっせん・調停・仲裁を行う。命令に不服があれば中央労働委員会の再審査、裁判所への取消訴訟ができる

労働委員会は、「不当労働行為の審査救済+労働争議の調整・中央と都道府県の2種・公労使の三者を各同数・命令への再審査と取消訴訟」を一本の軸で押さえれば、2種型も三者構成型も業務・不服型も落ち着いて解ける。

執筆: SikakuQuest編集部

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