後期高齢者医療制度とは(全体像)
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者だけを対象とする、独立した医療保険制度のこと。高齢者の医療費を、現役世代や税金とどう分け合うかを見えやすくするためにつくられた。
押さえるのは、ふつうの医療保険(国保や健保)とは別枠になっていること。
- 対象 … 75歳以上の人(一定の障害がある人は65歳から)。
- 保険者(運営者) … 都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合。市町村単独ではない。
つまり、75歳になると、それまで入っていた国民健康保険や被用者保険を抜けて、自動的にこの制度へ移る、というのが大きな流れ。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。後期高齢者医療制度の中身は、次の3つの表に全部つまっている。
対象と資格取得
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 75歳以上の者 |
| 障害認定 | 一定の障害がある65歳以上75歳未満の者も対象 |
| 資格取得 | 75歳の誕生日の当日に取得(翌月ではない) |
| 障害認定の資格 | 広域連合の認定を受けた日から(任意・撤回できる) |
ポイントは、資格を取るのが「75歳の誕生日当日」であること。「誕生月の翌月から」と取り違えやすいので注意。障害認定で65歳から入るのは本人の任意で、将来に向かって撤回もできる。
保険者と財源
財源は、本人・現役世代・税金の3者でおよそ1:4:5。「保険料だけ」「公費だけ」と思い込まないのがコツ。
窓口での自己負担(3区分)
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 1割 | 一般所得の者 |
| 2割 | 一定以上の所得の者(2022年10月から) |
| 3割 | 現役並み所得の者 |
自己負担は所得に応じて1割・2割・3割の3区分。2割は2022年10月から加わった新しい区分で、「一律1割」と取り違えないこと。
わかりやすく言い換えると
要するに、こうイメージするとラク。
「75歳になったら、今までの医療保険を卒業して、お年寄り専用の保険にお引っ越し」。運営しているのは市町村ではなく、都道府県がまとめた広域連合という大きな団体。
窓口で払うお金は、ふつうの所得なら1割/そこそこ稼いでいれば2割/現役世代並みに稼いでいれば3割。
試験のツボ
🔴 一番出る:保険者は「都道府県の広域連合」
①保険者 = 都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合
②「市町村が保険者」は誤り
🔴 次に出る:自己負担の3区分
①1割(一般)
②2割(一定以上の所得・2022年10月から)
③3割(現役並み所得)
🟡 押さえると安定:対象と資格
①対象 = 75歳以上(一定の障害は65歳以上)
②資格取得 = 75歳の誕生日の当日
🟡 財源の割合:保険料1割+支援金4割+公費5割
よくある間違い
①「保険者は市町村」→ ✗ 保険者は都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合。
②「自己負担は一律1割」→ ✗ 1割・2割・3割の3区分。2割は2022年10月から。
③「費用はすべて保険料でまかなう」→ ✗ 保険料1割+支援金4割+公費5割の3者で分担する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(対象・資格)
後期高齢者医療制度の対象と資格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 後期高齢者医療制度は対象を65歳以上のすべての者とし75歳という年齢はおよそ関係しないものとされている
- 後期高齢者医療制度は75歳以上を対象とし被保険者資格は75歳の誕生日の当日に取得するものとされている
- 後期高齢者医療制度の被保険者資格は75歳に到達した月の翌月の初日に取得するものとされている
- 後期高齢者医療制度は一定の障害がある者であっても65歳以上75歳未満の間はおよそ加入できないものとされている
解答は 2 だよ。
対象は75歳以上で、資格は75歳の誕生日の当日に取得するんだ。一定の障害がある人は65歳から入れるよ。
選択肢3の「翌月の初日」が定番の引っかけ。資格を取るのは誕生日の当日だから注意してね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対象は原則75歳以上 |
| 2 | ✓ | 75歳・誕生日の当日に取得 |
| 3 | ✗ | 翌月でなく誕生日の当日 |
| 4 | ✗ | 一定の障害は65歳から |
オリジナル問題2(自己負担)
後期高齢者医療制度の医療機関での自己負担に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 後期高齢者医療制度の自己負担は所得の多寡にかかわらず一律1割と定められているものである
- 後期高齢者医療制度の自己負担は現役並み所得の3割のみで一般所得の者には生じないものである
- 後期高齢者医療制度の自己負担は所得に応じて1割と2割と3割の3区分に分けられるものである
- 後期高齢者医療制度の自己負担は所得にかかわらず常に3割で軽減される区分はないものである
解答は 3 だっ。
自己負担は一般所得の1割、一定以上の所得の2割、現役並み所得の3割の3区分だっ。2割は2022年10月から加わった新しい区分だよっ。
「一律1割」「常に3割」は引っかけだっ。所得に応じて3段階に分かれるのが正解だっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 一律1割ではない |
| 2 | ✗ | 一般所得は1割を負担 |
| 3 | ✓ | 1割・2割・3割の3区分 |
| 4 | ✗ | 1割・2割の区分もある |
オリジナル問題3(保険者・財源)
後期高齢者医療制度の保険者と財源に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 後期高齢者医療制度の保険者は都道府県の後期高齢者医療広域連合で財源は保険料と支援金と公費で構成されるものである
- 後期高齢者医療制度の保険者は市町村単独でありその費用はすべて公費のみでまかなわれているものである
- 後期高齢者医療制度の保険者は国でありその費用はすべて被保険者の保険料のみでまかなわれているものである
- 後期高齢者医療制度の保険者は都道府県の広域連合だが財源は現役世代の支援金のみで保険料や公費はおよそ用いないものである
解答は 1 である。
保険者は都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合であり、財源は保険料・支援金・公費の3者で構成される。割合はおよそ保険料1割・支援金4割・公費5割である。
「市町村が保険者」「保険料だけ」「公費だけ」はいずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 広域連合・3者の財源で正しい |
| 2 | ✗ | 市町村単独でも公費のみでもない |
| 3 | ✗ | 保険者は国ではない |
| 4 | ✗ | 保険料も公費も用いる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 保険者 = 都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合(市町村ではない)。
- 🔴 自己負担 = 1割・2割(2022年10月から)・3割の3区分。
- 🟡 対象と資格 = 75歳以上(一定の障害は65歳以上)。資格は75歳の誕生日の当日に取得。
- 🟡 財源 = 保険料1割+支援金4割+公費5割。
次に学ぶ
- 国民健康保険法 ── 被用者保険にも後期高齢者医療制度にも入らない人を支える医療保険。75歳になるとこちらを抜けて後期高齢者医療制度へ移る、という対比で押さえると混ざらない。
- 被保険者 ── 医療保険に入る人のこと。被用者保険の被保険者も75歳でこの制度へ移行する。
- 任意継続被保険者 ── 退職後の医療保険の選択肢。これも75歳でこの制度に切り替わる。
執筆: SikakuQuest編集部