国民健康保険とは(全体像)
国民健康保険は、会社の健康保険に入らない人の医療を支える保険のこと。会社員は被用者保険、75歳以上は後期高齢者医療制度に入るが、そのどちらにも入らない自営業者・退職者・無職の人を、地域単位で引き受ける。被用者保険と国民健康保険が組み合わさって、日本の「国民皆保険」が成り立っている。
押さえるのは、次の対比。
- 保険者 … 都道府県と市町村。2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体(共同運営)。同種の事業の従事者で組織する国民健康保険組合も別建ての保険者。
- 対象と適用除外 … 被用者保険に入らない人が対象。後期高齢者・会社の健保加入者とその家族・生活保護世帯は入らない(適用除外)。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。国保の中身は、次の3つの表に全部つまっている。
① 保険者(誰が運営するか)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 保険者 | 都道府県と市町村(特別区を含む) |
| 2018年4月から | 都道府県が財政運営の責任主体・市町村と共同運営 |
| 市町村の役割 | 資格管理・保険給付・保険料の賦課徴収など身近な事務 |
| 国民健康保険組合 | 同種の事業・業務の従事者で組織・別建ての保険者 |
「保険者は市町村だけ」「保険者は国」は誤り。2018年4月から都道府県が財政運営の中心を担い、身近な事務は市町村が担う。
② 対象と適用除外(誰が入るか)
「誰でも国保に入る」は誤り。会社の健保に入っている人とその家族、75歳以上、生活保護世帯は国保に入らない。
③ 保険料と給付(いくら払い何が出るか)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 保険料(税) | 所得割・均等割・平等割・資産割の組合せ・市町村により異なる |
| 療養の給付 | 病気やけがの治療に対する給付(健康保険と類似) |
| その他の給付 | 出産育児一時金・葬祭費など |
| 特色 | 事業主負担(労使折半)はなく、世帯主が世帯分の納付義務を負う |
保険料は全国一律ではなく、これらの賦課方式を組み合わせて市町村ごとに定める(資産割を採用しない市町村もある)。具体的な料率・金額は市町村と受験年度の最新仕様で要確認。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
国保は「会社の健保にも後期高齢者医療にも入らない人の受け皿」。だから、入る人を覚えるより入らない人(適用除外)を覚えたほうが速い。
①会社の健保に入っている人とその家族 … そっちでカバー済み
②75歳以上の人 … 後期高齢者医療制度に移る
③生活保護世帯 … 医療扶助でカバー
つまり、この3つを外した残りが国保、というイメージ。
試験のツボ
🔴 一番出る:保険者は都道府県と市町村
①2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体(市町村と共同運営)
②国民健康保険組合も別建ての保険者
🔴 次に出る:適用除外の3類型
①後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上など)
②被用者保険の被保険者とその被扶養者
③生活保護を受けている世帯
🟡 押さえると安定:保険料は所得割・均等割・平等割・資産割の組合せで市町村により異なる(全国一律ではない。事業主負担はなく世帯主が納付義務を負う)
よくある間違い
①「保険者は市町村だけ」→ ✗ 2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体になった(共同運営)。
②「誰でも国保に入る」→ ✗ 会社の健保加入者とその家族・75歳以上・生活保護世帯は適用除外で入らない。
③「保険料は全国一律」→ ✗ 所得割・均等割・平等割・資産割の組合せで、市町村ごとに違う。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(対象・適用除外論点)
国民健康保険の対象と適用除外に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険は被用者保険の被保険者やその被扶養者も含めて、すべての国民が必ず加入するものとされている
- 国民健康保険は後期高齢者や被用者保険の被保険者・被扶養者や生活保護世帯を適用除外とするものとされている
- 国民健康保険は自営業者のみを対象とし、退職者や無職の者はおよそ加入できないものとされている取扱いである
- 国民健康保険は生活保護を受けている世帯を、優先的に被保険者として組み入れることを目的とするものとされる
解答は 2 だっ。
会社の健保に入っている人とその家族、75歳以上、生活保護世帯は、国保に入らない(適用除外)。対象は、そのどれにも入らない自営業者・退職者・無職の人などだっ。「健保・75・生保」の3点セットで覚えてねっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 被用者保険の加入者とその家族は適用除外 |
| 2 | ✓ | 後期高齢者・被用者保険・生活保護が適用除外 |
| 3 | ✗ | 退職者・無職の人も対象になる |
| 4 | ✗ | 生活保護世帯は適用除外で対象外 |
オリジナル問題2(保険料・給付論点)
国民健康保険の保険料と給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険の保険料は全国一律の定額であり、市町村によって金額が異なることはおよそないものとされている取扱いである
- 国民健康保険には療養の給付や出産育児一時金や葬祭費といった給付は、およそ設けられていないものとされる
- 国民健康保険の保険料は被用者保険と同じく必ず労使で折半され、事業主が半額を負担するものとされる
- 国民健康保険の保険料は所得割や均等割などの組合せで市町村により異なり、療養の給付などの給付があるとされる
解答は 4 である。
国保の保険料は、所得割・均等割・平等割・資産割の組合せで、市町村ごとに異なる。事業主が半分を負担する労使折半はなく、世帯主が世帯分の納付義務を負う。給付には療養の給付・出産育児一時金・葬祭費などがある。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 保険料は市町村により異なる |
| 2 | ✗ | 療養の給付などの給付がある |
| 3 | ✗ | 国保に労使折半の事業主負担はない |
| 4 | ✓ | 組合せで市町村により異なり給付もある |
オリジナル問題3(保険者論点)
国民健康保険の保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 国民健康保険は2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村と共同で運営する形になったとされる
- 国民健康保険の保険者は国のみであり、都道府県や市町村はその運営にはおよそ関与しないものとされている取扱いである
- 国民健康保険の保険者は2018年4月以降も市町村のみであり、都道府県は財政運営に関与しないものとされている
- 国民健康保険には保険者という考え方がなく、加入者が個々に医療費を全額負担するものとされている取扱いである
解答は 1 だよ。
国保の保険者は都道府県と市町村で、2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体になり、市町村と共同で運営する形になったんだ。資格管理や保険給付などの身近な事務は市町村が担うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 都道府県が責任主体で共同運営 |
| 2 | ✗ | 保険者は国ではない |
| 3 | ✗ | 都道府県も保険者になった |
| 4 | ✗ | 保険者の仕組みはある |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 保険者 = 都道府県と市町村。2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体(共同運営)。国民健康保険組合も別建ての保険者。
- 🔴 適用除外 = 後期高齢者・被用者保険の被保険者とその被扶養者・生活保護世帯は国保に入らない。対象はそのどれにも入らない自営業者・退職者・無職など。
- 🟡 保険料 = 所得割・均等割・平等割・資産割の組合せで市町村により異なる(全国一律ではない・事業主負担なし)。
次に学ぶ
- 後期高齢者医療制度 ── 75歳以上が入る独立した医療制度。「75歳以上の制度」か「被用者保険未加入者の受け皿」かで対象が違う、と並べると混ざらない。
- 被保険者 ── 被用者保険の被保険者は国保に入らない(住み分け)。誰がどの医療保険に入るかをつかめる。
- 任意継続被保険者 ── 退職後に健保を任意継続するか国保に入るかの選択につながる。
執筆: SikakuQuest編集部