第3号被保険者とは(全体像)
第3号被保険者は、会社員や公務員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者のこと。収入が少なく自分では保険料を払いにくい配偶者でも、本人名義の基礎年金を持てるようにした区分だ。
押さえる軸は3つ。
- だれが該当するか … 第2号に生計を維持される20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満が目安)。
- 保険料 … 本人の負担はゼロ。第2号の厚生年金全体で負担する。
- 届出と扱い … 種別変更は14日以内に勤め先経由。性別・国籍は問わない。
「第2号の扶養配偶者」が大前提。つまり第1号(自営業者など)の配偶者は、生計を維持されていても第3号にはならず、自分が第1号になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。第3号被保険者の中身は、次の2つの表にほぼ全部つまっている。
第3号被保険者の要件と保険料
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| だれの配偶者か | 第2号被保険者(会社員・公務員)の配偶者。内縁(事実婚)も含む |
| 生計維持 | 主として第2号に生計を維持されている |
| 年齢 | 20歳以上60歳未満 |
| 収入の目安 | 年収130万円未満 |
| 保険料 | 本人の負担はゼロ(半額負担でもない) |
| 負担のしくみ | 第2号が加入する厚生年金全体で負担する |
届出と性別・国籍
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 種別変更の届出 | 原則14日以内 |
| 届出の経路 | 第2号の勤め先(事業主等)を経由して行う |
| 性別 | 問わない(夫が第3号になる例もある) |
| 国籍 | 問わない |
種別が変わるきっかけは2つある。①配偶者本人の年収が130万円以上に増えたとき。②扶養していた第2号が退職して厚生年金をやめたとき。どちらの場合も第3号の要件を外れ、第1号などへ移って14日以内の届出が必要になる。第3号は「第2号がいてはじめて成り立つ区分」だから、本人の収入だけでなく相手側(第2号)の事情でも変わる、と押さえておくと応用問題に強い。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
第3号被保険者は「第2号にぶら下がっている配偶者」。だから第2号がいなくなると第3号も成り立たない。
そして数字は「130・60・14」。年収130万円未満・60歳未満(20歳以上)・届出14日以内。この3つの数字をリズムで口ずさむと忘れない。
試験のツボ
🔴 一番出る:だれが第3号になるか
①第2号(会社員・公務員)の配偶者であること
②主として第2号に生計を維持される(年収130万円未満が目安)
③20歳以上60歳未満
🔴 次に出る:保険料は本人負担ゼロ
①本人は保険料を1円も払わない(半額負担でもない)
②第2号が加入する厚生年金全体で負担する
🟡 押さえると安定:届出と性別
①種別変更は14日以内・第2号の勤め先経由
②性別・国籍を問わない(夫が第3号でもよい)
よくある間違い
①「自営業者(第1号)の配偶者も第3号になる」→ ✗ 第3号は第2号の配偶者だけ。第1号の配偶者は自分が第1号になる。
②「第3号は保険料を半額だけ自己負担する」→ ✗ 負担はゼロ。半額でもなく、まるごと無し。
③「第3号になれるのは妻だけで夫はダメ」→ ✗ 性別を問わない。第2号に扶養される夫も第3号になる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(だれが第3号か)
国民年金の第3号被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 第3号被保険者は、自営業を営む配偶者でありさえすれば年齢を問わず該当する類型とされる
- 第3号被保険者は、第1号被保険者に主として生計を維持されている配偶者のことをいうとされる
- 第2号に生計を維持される20歳以上60歳未満で年収130万円未満が目安の配偶者である
- 第3号被保険者は、配偶者でなくても生計を維持されていれば広く該当する者のことをいう
解答は 3 だよ。
第3号被保険者は、第2号(会社員・公務員)に主として生計を維持される20歳以上60歳未満の配偶者。生計維持の目安は年収130万円未満だね。
選択肢1・2は前提を取り違えていて、第3号は「第2号」の配偶者が条件。第1号(自営業者)の配偶者は第3号にならず、自分が第1号になるよ。選択肢4は「配偶者であること」という前提を落としているね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 第2号の配偶者が条件で、自営業者は当てはまらない |
| 2 | ✗ | 第1号でなく第2号に生計を維持される配偶者 |
| 3 | ✓ | 第2号の配偶者・20歳以上60歳未満・130万円未満が目安 |
| 4 | ✗ | 配偶者であることが前提 |
オリジナル問題2(保険料)
第3号被保険者の保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 第3号被保険者は、第1号被保険者と同じ定額の保険料を自分で納付する必要があるとされる
- 第3号被保険者は、第2号の保険料の半額を自己負担するしくみになっているものとされる
- 第3号被保険者は、保険料を負担しないため将来の基礎年金は一切保障されないとされている
- 第3号被保険者は個人として保険料を負担せず、費用は第2号の厚生年金全体で負担される
解答は 4 だっ。
第3号被保険者の保険料は本人負担ゼロっ。半額でもなく、まるごと無し。費用は第2号が加入する厚生年金全体で支えるんだっ。
選択肢1は第1号の話で、第3号は自分で納めないっ。選択肢2の「半額自己負担」もよくある引っかけで誤りっ。選択肢3も誤りで、保険料を払わなくても基礎年金はちゃんと保障されるよっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 定額保険料を納めるのは第1号 |
| 2 | ✗ | 半額でもなく負担はゼロ |
| 3 | ✗ | 負担ゼロでも基礎年金は保障される |
| 4 | ✓ | 本人負担なし・厚生年金全体で負担 |
オリジナル問題3(性別・届出)
第3号被保険者の性別と届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 種別変更の届出は、原則として14日以内に第2号の勤め先(事業主等)を経由して行う
- 第3号被保険者になれるのは女性の配偶者に限られ、夫は対象外になるものとされている
- 種別変更の届出は、変更があった日から60日以内に本人が直接行う必要があるとされる
- 種別変更があっても、第3号被保険者については届出はとくに不要とされているものである
解答は 1 である。
種別変更の届出は、原則14日以内に第2号の勤め先(事業主等)を経由して行う。
選択肢2は誤りで、第3号は性別を問わない。第2号に扶養される夫も第3号になる。選択肢3は「60日以内・本人が直接」が誤りで、正しくは14日以内・勤め先経由である。選択肢4も誤りで、種別が変わったら届出が要る。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 14日以内・第2号の勤め先経由 |
| 2 | ✗ | 性別を問わず夫も該当 |
| 3 | ✗ | 60日でなく14日・勤め先経由 |
| 4 | ✗ | 種別変更時は届出が必要 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 だれが第3号か = 第2号(会社員・公務員)に主として生計を維持される20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満が目安・内縁も含む)。
- 🔴 保険料 = 本人負担はゼロ(半額でもない)。第2号の厚生年金全体で負担する。
- 🟡 届出と性別 = 種別変更は14日以内に第2号の勤め先経由。性別・国籍を問わない。
次に学ぶ
- 第2号被保険者 ── 会社員・公務員など。第3号が「ぶら下がる」相手。セットで押さえると被保険者の全体像が定着する。
- 第1号被保険者 ── 自営業者など、定額保険料を自分で納める人。第3号を外れたときの移行先。
- 被扶養者 ── 健康保険の扶養。年収130万円未満という生計維持の考え方が第3号と共通する。
執筆: SikakuQuest編集部