賃上げ率とは(全体像)
賃上げ率は、毎年春の労使交渉(春闘)の結果として決まる、前年度からの賃金の引上げ率のこと。多くは次の2つを合わせた水準で示される。
- 定期昇給 … 年齢・勤続に応じた毎年の昇給。
- ベースアップ(ベア) … 賃金表そのものの引上げ。
集計する主体によって数値が違うのもポイント。労働組合側の連合と、使用者側の経団連などが、それぞれ集計・公表している。
詳しく:この数字を押さえれば戦える
ここが記事の心臓部。問われるのは「定義」「集計主体」「直近の水準と要因」の3つ。
賃上げ率の中身
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 何の率か | 春闘による前年度からの賃金引上げ率 |
| 内訳 | 定期昇給 + ベースアップで示すことが多い |
| 集計主体 | 連合(労働組合側)・経団連(使用者側)など。主体で数値が異なる |
直近の水準と要因
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 2024年春闘 | 定期昇給込みでおおむね5%台=33年ぶり(1991年以来)の高水準 |
| 2023年春闘 | おおむね3%台(ここから2024年に加速) |
| 2025年春闘 | おおむね5%台が継続(連合5.25%・経団連大手5.39%) |
| 加速の要因 | 物価上昇・人手不足・政府の賃上げ要請・最低賃金引上げとの連動 |
数字は毎年の春闘で変わるので、受験年度の最新値を確認しておく。
わかりやすく言い換えると
要するに「春の労使交渉で決まる、お給料の上がり幅」。年齢や勤続で上がる定期昇給と、賃金表自体を底上げするベースアップを足したもの、とイメージするとラク。
長く2%前後だった上がり幅が、2023年に3%台、2024年に5%台へとジャンプした。つまり、この「最近グッと上がった」流れだけ体に入れておけば、水準型の問題は迷わない。
試験のツボ
🔴 一番出る:定義と直近の水準
①賃上げ率 = 春闘による前年度からの賃金引上げ率(定昇+ベア)
②2024年春闘 = おおむね5%台・33年ぶりの高水準(2023年はおおむね3%台)
🟡 押さえると安定:集計主体と要因
①集計主体(連合・経団連など)で数値が異なる
②加速の要因 = 物価上昇・人手不足・政府の賃上げ要請・最低賃金との連動
よくある間違い
①「賃上げ率は政府が一律に決め、全企業に同じ率が適用される」→ ✗ 決めるのは春闘の労使交渉。政府は賃上げを「要請」するだけ。
②「2024年春闘もいつもどおりおおむね2%程度」→ ✗ おおむね5%台で33年ぶりの高水準。2023年の3%台からさらに加速した。
③「賃上げ率と最低賃金は完全に無関係に決まる」→ ✗ 物価・人手不足という共通の背景で連動して動く面がある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(定義論点)
賃上げ率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 賃上げ率は、政府が毎年一律に定め全企業に共通して適用される賃金引上げ率である
- 賃上げ率は、春季労使交渉による前年度からの賃金引上げ率を示すものである
- 賃上げ率は、最低賃金額そのものの絶対額を金額で示す指標のことである
- 賃上げ率は、失業者数を労働力人口で割って求める雇用の指標のことである
解答は 2 だよ。
賃上げ率は、春季労使交渉(春闘)による前年度からの賃金引上げ率。定期昇給とベースアップを合わせて示すことが多いんだ。政府が一律に決めるものでも、最低賃金の絶対額でも、失業率の式でもないよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 政府が一律に定めるものではない |
| 2 | ✓ | 春闘による前年度からの賃金引上げ率で正しい |
| 3 | ✗ | 最低賃金の絶対額を示す指標ではない |
| 4 | ✗ | これは完全失業率の考え方である |
オリジナル問題2(要因論点)
近年の賃上げの背景に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 近年の賃上げは、物価の下落と人手の余剰を主な背景として進んだものである
- 近年の賃上げは、最低賃金の引下げと連動する形で進んできたものである
- 近年の賃上げは、政府が賃上げ要請を取りやめたことを契機に進んだものである
- 近年の賃上げは、物価上昇・人手不足・政府要請などを背景に進んだものである
解答は 4 だっ。
近年の賃上げの背景には、物価の上昇・人手不足・政府の賃上げ要請・最低賃金引上げとの連動があるっ。物価の下落でも、最低賃金の引下げでも、政府が要請を取りやめたことでもないっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 物価は上昇し人手は不足している |
| 2 | ✗ | 最低賃金は引上げで、引下げではない |
| 3 | ✗ | 政府は賃上げを要請している |
| 4 | ✓ | 物価上昇・人手不足・政府要請が背景で正しい |
オリジナル問題3(水準論点)
2024年春闘の賃上げ率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2024年春闘の賃上げ率は、おおむね5%台となり33年ぶりの高水準にまで達した
- 2024年春闘の賃上げ率は、前年から大きく低下しおおむね1%台の水準にとどまった
- 2024年春闘の賃上げ率は、近年と変わらずおおむね2%程度の横ばいの水準であった
- 2024年春闘の賃上げ率は、おおむね20%を超える記録的な水準にまで達していた
解答は 1 である。
2024年春闘の賃上げ率は定期昇給込みでおおむね5%台となり、33年ぶり(1991年以来)の高水準。前年(2023年)のおおむね3%台から大きく加速した。1%台でも、2%の横ばいでも、20%超でもない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | おおむね5%台で33年ぶりの高水準で正しい |
| 2 | ✗ | 1%台に低下したわけではない |
| 3 | ✗ | 2%程度の横ばいではなく大きく加速した |
| 4 | ✗ | 20%超という水準ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 定義 = 賃上げ率は春闘による前年度からの賃金引上げ率(定昇+ベア)。集計主体(連合・経団連など)で数値が異なる。
- 🔴 2024年の水準 = おおむね5%台・33年ぶりの高水準。2023年のおおむね3%台から加速した。
- 🟡 要因 = 物価上昇・人手不足・政府の賃上げ要請・最低賃金との連動。数字は毎年変わるので受験年度の最新を確認する。
次に学ぶ
- 最低賃金改定率 ── 賃上げ率と連動して動く賃金の下支え。
- 労働経済白書 ── 賃金・物価・雇用情勢を分析する厚生労働省の白書。
- 有効求人倍率・完全失業率 ── 賃上げの背景にある人手不足を示す統計。
執筆: SikakuQuest編集部