DV防止法で何ができる?理解する3つの軸
DV防止法の話は、3つの軸で整理できます。
- 配偶者暴力相談支援センター: 都道府県・市町村の相談・連携拠点
- 保護命令: 地方裁判所による接近禁止・退去命令等
- 一時保護: 緊急時の保護施設での避難
ここがポイント。DV防止法は『緊急時から長期保護まで複層的な制度』 という設計——一時的な避難から長期的な離婚・再就労支援まで網羅されています。
それから、正式名称は『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律』——2001年制定後、複数回改正されています。
なぜそう言えるのか、3つの軸を順番に見ていきます。
どこに相談すればいい?——配偶者暴力相談支援センター
相談支援センターの役割
配偶者暴力相談支援センターは、都道府県・市町村に設置されたDV被害者相談・連携拠点 です。
相談支援センターの主な機能
相談の主な窓口
- DV相談ナビ: #8008(はれれば、全国共通)
- DV相談+(プラス): 0120-279-889(24時間対応)
- 配偶者暴力相談支援センター: 都道府県・市町村に設置
- 婦人相談所: 一時保護の主要拠点
- 警察: 緊急時の対応・通報
- 民間シェルター: NPO等が運営する保護施設
児童虐待防止法との関係
DVを目撃する子どもは 心理的虐待 に該当——児童相談所への通告義務 があります。
| 関係法令 | 対応 |
|---|---|
| DV防止法 | 配偶者暴力被害者の保護 |
| 児童虐待防止法 | 子どもへの虐待(DVの目撃含む)対応 |
| 児童相談所 | 児童の一時保護・養護 |
| 被害者と子の同時保護 | 婦人相談所と児童相談所の連携 |
| 通告義務 | 児童虐待を発見した者は児童相談所に通告(法6条) |
加害者を近づけないには?——保護命令(裁判所による物理的保護)
保護命令の種類
保護命令は 地方裁判所が発令 する命令で、加害者に物理的接近・連絡を禁止します。
保護命令の主な種類
保護命令の申立要件
- 配偶者: 法律婚または事実婚(同棲含む、2024年改正で同居でなくても可)
- 暴力の事実: 身体的暴力または精神的暴力(2024年〜)
- 更なる暴力のおそれ: 配偶者から更なる暴力で生命または身体に重大な危害が及ぶおそれ
- 2024年改正の拡大: 精神的暴力(言葉の暴力・モラハラ・経済的虐待等)も対象
- 証拠: 暴力の事実を示す診断書・写真・録音・メッセージ等
保護命令の手続
| 手続段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 事前相談 | 配偶者暴力相談支援センター・警察 |
| ② 申立 | 地方裁判所への申立書提出 |
| ③ 審理 | 即日審理〜1〜2週間 |
| ④ 発令 | 加害者への送達 |
| ⑤ 違反時 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
トリビア:2024年4月施行の改正DV防止法で精神的暴力も保護命令の対象、被害者保護が大幅拡大
2024年4月1日施行の 改正DV防止法 は、精神的暴力を保護命令の対象に追加 する大幅拡大を実現しました。改正前 は 身体的暴力 のみが保護命令の対象——精神的暴力(言葉の暴力・モラハラ・経済的虐待・性的虐待等)は対象外で、保護が不十分との指摘が長年ありました。改正後 は、精神的暴力(言葉の暴力・経済的虐待・性的虐待等) も「心身に重大な危害を及ぼすおそれが大きい場合」に保護命令の対象に。他の主要改正点: ①接近禁止命令の期間 が6か月から 1年に延長(一部命令)、②保護命令違反の罰則強化(1年以下の拘禁刑→2年以下の拘禁刑、被害者の生命身体を害する場合)、③再交付制度(命令期間満了前に新たな申立が可能)、④被害者の電話番号秘匿 等のプライバシー保護強化。改正の意義 は、身体的暴力に至らない段階での保護を可能にすること——精神的虐待で深刻な被害を受ける被害者の救済が大きく前進しました。
逃げた後はどう支援される?——一時保護と長期支援
一時保護の意義
一時保護は、緊急時に被害者と子どもを保護施設で守る制度——婦人相談所・民間シェルターが拠点。
一時保護の主要ルール
自立支援の制度
一時保護後の自立に向けた 長期支援制度 が用意されています。
- 生活保護: 経済的に困窮する場合の最低限度の生活保障
- 母子生活支援施設: 母子家庭向けの施設入所
- 公営住宅優先入居: DV被害者の優先入居
- 就労支援: ハローワーク・職業訓練
- 児童扶養手当: ひとり親家庭への手当
- 離婚相談: 弁護士・法テラスと連携
加害者からの保護
加害者からの追跡・嫌がらせを防ぐため、複数の対策が用意されています。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 住民票閲覧制限 | 加害者からの住民票交付請求を制限 |
| 戸籍附票閲覧制限 | 戸籍附票の閲覧制限 |
| マイナンバー情報 | 番号変更も可能(情報漏洩時) |
| 電話番号秘匿 | 2024年改正で強化 |
| 電気・ガス契約 | 名義変更時の連絡制限 |
私たちが取材したDV被害者支援に詳しい弁護士の話では、「最も重要なのは『早めの相談行動』——身体的暴力に至る前の段階、精神的虐待や経済的虐待の段階で相談することで、保護命令の発令や離婚手続が円滑に進む」とのこと。
- DV防止法の核心は 相談支援センター・保護命令・一時保護 の3軸
- 正式名称は 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(2001年制定)
- 配偶者暴力相談支援センター: 都道府県・市町村に設置
- DV相談ナビ(#8008)と DV相談+(0120-279-889)が全国共通窓口
- 婦人相談所 が一時保護の主要拠点
- 保護命令: 地方裁判所が発令、接近禁止・退去命令等
- 接近禁止命令: 6か月間(一部1年に延長、2024年改正)
- 退去命令: 2か月間、共住住居からの退去
- 2024年改正 で 精神的暴力 も保護命令の対象(言葉の暴力・モラハラ・経済的虐待等)
- 保護命令の申立要件: 配偶者・暴力の事実・更なる暴力のおそれ
- 保護命令違反は 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(2024年改正で2年以下に強化)
- 一時保護: 緊急時の保護、原則2週間以内(延長可)、原則無料
- 婦人相談所・民間シェルター が一時保護の拠点
- 児童虐待防止法 との連携: DVを目撃する子は心理的虐待
- 自立支援: 生活保護・母子生活支援・公営住宅優先入居・児童扶養手当
- 加害者からの追跡防止: 住民票・戸籍附票閲覧制限・電話番号秘匿
- 早めの相談行動 が被害者保護の鍵
- 警察と相談支援センターの連携が緊急時に決定的
- 弁護士・法テラスとの連携で離婚手続も円滑化
理解度チェック
ここまでの内容、どれくらい身についたかチェックしてみよう。
DV防止法の保護命令について、正しい説明はどれか。
- 保護命令は警察が発令する行政処分の原則ルールとなる扱い
- 保護命令には接近禁止・退去命令・電話メール禁止等の種類がある
- 保護命令は身体的暴力のみ対象で精神的暴力は2024年改正後も対象外
- 保護命令の違反は刑事罰の対象とならず行政指導のみで対応の扱い
解答は 2 である。
保護命令は 地方裁判所が発令 する命令で、加害者に物理的接近・連絡を禁止する。保護命令の主な種類: ①接近禁止命令(6か月間、被害者への身辺接近禁止、一部1年に延長)、②退去命令(2か月間、被害者と共に住む住居からの退去)、③電話・メール禁止命令(6か月間、電話・メール・SNS連絡禁止)、④子への接近禁止(6か月間、子の身辺接近禁止)、⑤親族等への接近禁止(6か月間、親族等への接近禁止)。申立要件: 配偶者(法律婚または事実婚、同棲含む)・暴力の事実・更なる暴力のおそれ。2024年改正で精神的暴力も対象に追加 ——身体的暴力だけでなく、言葉の暴力・モラハラ・経済的虐待等も保護命令の対象となった。手続: 事前相談(相談支援センター・警察)→地方裁判所への申立書提出→審理(即日〜1〜2週間)→発令→加害者への送達。違反時 は 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(2024年改正で2年以下の拘禁刑に強化)。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 地方裁判所発令 |
| 2 | ✓ 正解 | 保護命令の正しい種類 |
| 3 | ✗ 誤り | 2024年改正で精神も |
| 4 | ✗ 誤り | 刑事罰対象 |
接近禁止+退去+電話メール禁止——これが保護命令の核心なのである。
2024年4月施行の改正DV防止法について、正しい説明はどれか。
- 改正で精神的暴力も保護命令の対象となり保護範囲が拡大された
- 改正でも保護対象は身体的暴力のみで精神的虐待は除外される扱い
- 改正で接近禁止命令の期間は完全に廃止された原則ルールの扱い
- 改正で保護命令違反の罰則は完全に廃止される仕組みとなる扱い
解答は 1 である。
2024年4月1日施行の改正DV防止法は、精神的暴力を保護命令の対象に追加 する大幅拡大を実現した。改正前 は 身体的暴力 のみが保護命令の対象——精神的暴力(言葉の暴力・モラハラ・経済的虐待・性的虐待等)は対象外で、保護が不十分との指摘が長年あった。改正後 は、精神的暴力(言葉の暴力・経済的虐待・性的虐待等) も「心身に重大な危害を及ぼすおそれが大きい場合」に保護命令の対象に。他の主要改正点: ①接近禁止命令の期間 が6か月から 1年に延長(一部命令)、②保護命令違反の罰則強化(1年以下の拘禁刑→2年以下の拘禁刑、被害者の生命身体を害する場合)、③再交付制度(命令期間満了前に新たな申立が可能)、④被害者の電話番号秘匿 等のプライバシー保護強化。改正の意義 は、身体的暴力に至らない段階での保護を可能にすること——精神的虐待で深刻な被害を受ける被害者の救済が大きく前進した。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 改正の正しい内容 |
| 2 | ✗ 誤り | 精神も対象に |
| 3 | ✗ 誤り | 1年に延長 |
| 4 | ✗ 誤り | 罰則強化 |
精神的暴力+期間延長+罰則強化——これが2024年改正の核心なのである。
DV防止法の一時保護と相談窓口について、正しい説明はどれか。
- 一時保護は緊急時に婦人相談所等で原則2週間以内の保護を行う
- 相談窓口は警察のみで他の専門相談窓口は法律上存在しない原則
- 一時保護の費用は全額自己負担となる原則ルールとなる仕組みの扱い
- 一時保護は本人のみで子は別施設に分離される原則となる扱い
解答は 1 である。
一時保護 は、緊急時に被害者と子どもを保護施設で守る制度——婦人相談所・民間シェルター が拠点。主要ルール: ①緊急対応: 即日入所可能(電話・面接で要件確認)、②対象: 配偶者からの暴力被害者と 同伴児童(子も一緒に保護)、③期間: 原則2週間以内(延長可)、④費用: 原則無料(食費・生活費は支援)、⑤保護先: 婦人相談所・民間シェルター・委託施設、⑥プライバシー保護: 加害者に保護先を知らせない。主な相談窓口: ①DV相談ナビ #8008(はれれば、全国共通)、②DV相談+(プラス) 0120-279-889(24時間対応)、③配偶者暴力相談支援センター(都道府県・市町村)、④婦人相談所、⑤警察(緊急時)、⑥民間シェルター(NPO等運営)。自立支援: 生活保護・母子生活支援施設・公営住宅優先入居・就労支援・児童扶養手当・離婚相談(弁護士・法テラス連携)。加害者からの追跡防止: 住民票・戸籍附票閲覧制限・マイナンバー番号変更可・電話番号秘匿。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 一時保護の正しい仕組み |
| 2 | ✗ 誤り | 多様な窓口 |
| 3 | ✗ 誤り | 原則無料 |
| 4 | ✗ 誤り | 子も一緒に保護 |
緊急保護+婦人相談所+2週間以内——これが一時保護の核心なのである。
おわりに
DV防止法は、知っているか知らないかで配偶者暴力被害者の安全が大きく変わる典型例です。今日見た3つの基本——相談支援センター・保護命令・一時保護——を覚えておけば、被害発覚から自立支援まで、被害者としての判断軸が手に入ります。
自分の権利を知るというのは、誰かに任せきりにするのではなく、自分で判断できる材料を持つこと。法律はそのための道具です。
DV防止法は、配偶者暴力防止法・刑法・児童虐待防止法・住民基本台帳法が交錯する分野。配偶者暴力相談支援センター・婦人相談所・警察・民間シェルター・弁護士会・法テラス——相談先や活用のサポートは意外と多くあります。気になることがあれば、まず話を聞いてもらうところから始めるのがおすすめです。
法律の論点はパターン化しやすい分野。スキマ時間で1問ずつ感触を掴みたい方は、シカクエのアプリも選択肢のひとつです。
1日10分から、通勤の往復だけでも知識が積み上がります。シカクエアプリ
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