シリアル通信とパラレル通信とは(全体像)
データを送る道には、大きく2つのやり方がある。1ビットずつ順番に送る「シリアル」と、複数ビットを一度に並べて送る「パラレル」だ。
身近にたとえると、人の歩き方だ。シリアルは「一列に並んで順番に進む」、パラレルは「横一列に並んでみんなで進む」イメージ。横一列のほうが一度に多く運べそうだが、速く進もうとすると全員の歩調を合わせるのが難しくなり、バラバラになってしまう。
押さえるのは、現代は圧倒的にシリアルが主流だということ。USB・SATA・Ethernetなど、身の回りの高速な接続はほとんどシリアルだ。
詳しく:シリアルが主流になった理由だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まず2つの方式を比べよう。
シリアルとパラレル
| 方式 | 送り方 | 線の数 | 代表 | 今のあつかい |
|---|---|---|---|---|
| シリアル | 1ビットずつ順番に | 少ない | USB・SATA・Ethernet | 現代の主流 |
| パラレル | 複数ビット同時に | 多い | 旧プリンタケーブル・ATA | 衰退 |
「線が多いパラレルのほうが速い」と思いがちだが、実際は逆だ。速くしようとすると、パラレルには弱点が出る。
パラレルが衰退した理由
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| クロストーク | 多くの線が近づくと、信号同士が干渉して乱れる |
| タイミングのずれ | 線ごとに到着時刻がずれて(スキュー)、足並みが乱れる |
線をたくさん並べると、高速化したときに信号が互いに邪魔し合い(クロストーク)、また線ごとの到着のずれが無視できなくなる。そこで「1本で順番に、ただしものすごく速く送る」シリアルに切り替えたら、かえって高速化できた。USBがその代表的な成功例だ。
もう1つ、シリアル通信には同期と非同期がある。
同期と非同期
| 方式 | 合図のしかた | 特徴 |
|---|---|---|
| 同期 | 送受信でクロック(拍子)を共有 | 速く正確 |
| 非同期 | データの前後にスタート・ストップの印 | 配線が簡単・低速 |
ちがいはクロック(拍子)を共有するかどうか。同期は拍子を合わせて速く正確に、非同期は印で区切って配線をシンプルに、という使い分けだ。
わかりやすく言い換えると
要するに、歩き方で考えるとラクだ。
①シリアル … 一列で順番に進む(足並みを合わせやすく、速くできる・現代の主流)
②パラレル … 横一列で進む(速くすると足並みが乱れる=クロストークやずれ・衰退)
つまり、「速いのは意外にもシリアル」「パラレルは干渉とずれで衰退」、この逆転だけ押さえれば迷わない。
試験のツボ
🔴 一番出る:現代の主流はシリアル
①シリアル = 1ビットずつ順番に送る(USB・SATA・Ethernet)
②パラレル = 複数ビット同時に送る(旧プリンタケーブル・ATA・衰退)
🔴 次に出る:パラレルが衰退した理由
①クロストーク = 多くの線が近づき信号が干渉する
②タイミングのずれ(スキュー) = 線ごとに到着時刻がずれる
🟡 押さえると安定:同期と非同期
①同期 = クロック(拍子)を共有して速く正確に
②非同期 = スタート・ストップの印で区切り、配線が簡単
よくある間違い
①「パラレルのほうがシリアルより速い」→ ✗ 高速化に強いのはシリアル。線が多いと干渉やずれが出るため、パラレルは衰退した。
②「同期と非同期は同じ意味」→ ✗ クロック(拍子)を共有するのが同期、印で区切るのが非同期。共有の有無が決定的な違い。
③「USBはパラレル通信の代表」→ ✗ USBはシリアル通信の代表。SATAやEthernetもシリアル。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(シリアルとパラレル)
シリアル通信とパラレル通信に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- パラレルは線が多いため必ず高速で、USBやSATAもパラレル通信の代表とされているものだ
- シリアルは1ビットずつ順番に送る方式で、USB・SATAなど現代の高速接続の主流である
- シリアルもパラレルもまったく同じ送り方で、線の数や速さに違いはないものとされている
- シリアルは複数ビットを同時に送る方式で、旧プリンタケーブルがその代表とされているのだ
解答は 2 である。
シリアルは1ビットずつ順番に送る方式で、USB・SATAなど現代の高速接続の主流なのだ。線が少なくても高速化に強いなるぞ。
選択肢1の「パラレルが必ず高速・USBがパラレル」、選択肢3の「同じ送り方」、選択肢4の「シリアルが複数ビット同時」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | USB・SATAはシリアル、パラレルは衰退 |
| 2 | ✓ | シリアルは1ビットずつで現代の主流 |
| 3 | ✗ | 送り方も線の数も違う |
| 4 | ✗ | 複数ビット同時はパラレル |
オリジナル問題2(パラレルが衰退した理由)
パラレル通信が衰退した理由に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- パラレルは線が1本しかなく、データを同時に送れないため遅くなったとされているものだ
- パラレルは消費電力がゼロで処理がまったく不要なため、使う意味がなくなったとされている
- パラレルは線が多く、高速化すると信号の干渉や到着のずれが起きて足並みが乱れるためだ
- パラレルは無線専用の方式で、ケーブルを使う接続には最初から使えなかったとされているのだ
解答は 3 である。
パラレルは線が多く、高速化すると信号の干渉(クロストーク)や到着のずれが起きて足並みが乱れるのだ。だから1本で速く送るシリアルに替わったなるぞ。
選択肢1の「線が1本」、選択肢2の「消費電力ゼロ」、選択肢4の「無線専用」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | パラレルは線が多い |
| 2 | ✗ | 消費電力ゼロではない |
| 3 | ✓ | 干渉とずれで高速化に弱い |
| 4 | ✗ | ケーブルを使う方式 |
オリジナル問題3(同期と非同期)
同期通信と非同期通信に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 同期はクロックを共有して速く正確に送り、非同期は印で区切って配線を簡単にする方式だ
- 同期も非同期もクロックを共有しない点で同じで、速さにも違いはないものとされているのだ
- 同期はスタート・ストップの印で区切る方式で、クロックを共有しないものとされているものだ
- 同期と非同期はどちらも紙に印刷する方式で、データ通信には使われないものとされている
解答は 1 である。
同期はクロック(拍子)を共有して速く正確に、非同期は印で区切って配線を簡単にするのだ。違いはクロック共有の有無なるぞ。
選択肢2の「どちらも共有しない」、選択肢3の同期と非同期が逆、選択肢4の「紙に印刷」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 同期は拍子共有・非同期は印で区切る |
| 2 | ✗ | 同期はクロックを共有する |
| 3 | ✗ | 印で区切るのは非同期 |
| 4 | ✗ | 通信方式であって印刷ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 現代の主流はシリアル = 1ビットずつ順番に送る。USB・SATA・Ethernet。パラレル(複数ビット同時)は衰退。
- 🔴 パラレル衰退の理由 = 線が多く、高速化すると信号の干渉(クロストーク)や到着のずれが出る。
- 🟡 同期と非同期 = クロック(拍子)を共有するのが同期(速く正確)、印で区切るのが非同期(配線が簡単)。
次に学ぶ
- バスアーキテクチャ ── コンピュータ内部でデータが通る道(バス)のしくみ。シリアル化の流れともつながる。
- USB/Thunderbolt ── シリアル通信の代表であるUSBの規格と速度。
執筆: SikakuQuest編集部