サステナビリティ・ESGとは(全体像)
サステナビリティ(持続可能性)は、地球環境や社会を壊さず、将来にわたって続けられるようにしようという考え方。企業活動でも、利益だけでなく「環境や社会への影響」を考えることが求められるようになった。
その中心がESG。これは企業を評価する3つの観点の頭文字。
- E(Environment=環境) … 二酸化炭素の削減、資源の節約など。
- S(Social=社会) … 人権、働きやすさ、地域への配慮など。
- G(Governance=企業統治) … 不正を防ぐしくみ、公正な経営など。
ここで一番の注意。ESGは「環境(E)」だけではない。環境が注目されがちだが、社会(S)・ガバナンス(G)も同じく大事な観点。「ESG=環境のことだけ」と思うのは誤り。
詳しく:ESG・カーボンニュートラル・SDGs
ここが心臓部。まずESGの3観点を表で押さえる。
ESGの3つの観点
| 観点 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| E(環境) | 自然環境への配慮 | CO2削減・省エネ・資源の再利用 |
| S(社会) | 人や社会への配慮 | 人権・労働環境・地域貢献 |
| G(ガバナンス) | 公正な経営のしくみ | 不正防止・情報開示 |
次に、よく問われるカーボンニュートラル。
カーボンニュートラル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 温室効果ガスの「排出量」と「吸収量」を差し引きゼロにすること |
| ポイント | 排出を完全にゼロにするのではなく、出した分を吸収・除去で相殺する |
| 日本の目標 | 2050年(2020年に宣言) |
カーボンニュートラルは、温室効果ガス(CO2など)の「出す量」と「吸収する量」を差し引きしてゼロにすること。ここが大事で、「排出を完全にゼロにする」ことではない。どうしても出てしまう分は、森林などの吸収や技術で取り除いて相殺(プラスマイナスゼロ)する。日本は2050年のカーボンニュートラルを目標にしている。
そして、世界共通の目標がSDGs(持続可能な開発目標)。国連が2015年に採択した、17の目標で、2030年を目指す。貧困・教育・環境など幅広いテーマが入っている。
なお、ITで環境に貢献する考え方をグリーンITといい、「ITを使って環境を良くする」面と「IT自体を省電力にする」面がある。
わかりやすく言い換えると
要するに、ESGは「企業を見る3つのメガネ(環境・社会・経営)」、カーボンニュートラルは「出した分と吸った分を帳消しにしてゼロにすること」だとイメージするとラク。
つまり、ESGは環境だけを見るのではなく、働く人への配慮(社会)や、ずるをしない経営(ガバナンス)まで見る。3つそろって初めてESG。
そしてカーボンニュートラルは、家計の収支のように「出(排出)」と「入(吸収)」を差し引きしてゼロにすること。完全に出さないのではなく、出た分を吸収で打ち消す、というわけ。
試験のツボ
🔴 一番出る:ESGは環境だけではない
①E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の3つの観点
②「ESG=環境のことだけ」は誤り
🔴 次に出る:カーボンニュートラル
①温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすること
②「排出を完全にゼロにする」ことではない(出た分を吸収で相殺)。日本は2050年目標
🟡 押さえると安定:SDGsとグリーンIT
SDGs=国連が2015年に採択した17の目標(2030年目標)。グリーンIT=ITで環境に貢献/IT自体を省電力に。
よくある間違い
①「ESGとは環境のことだけを指す」→ ✗ ESGは環境(E)だけでなく、社会(S)・ガバナンス(G)も含む3つの観点。
②「カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を完全にゼロにすることだ」→ ✗ 排出と吸収を差し引きゼロにすること。出た分を吸収で相殺する。
③「SDGsは1つだけの目標である」→ ✗ SDGsは国連が定めた17の目標(2030年目標)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ESG)
ESGに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ESGとは環境のことだけを指す言葉で、社会やガバナンスはいっさい含まないものとされている
- ESGとはゲームソフトの年齢区分を決める制度で、企業の評価とは関係がないものとされている
- ESGとは社員の出社時刻を記録する勤怠管理のしくみのことで、投資とは無関係なものとされる
- ESGは環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つの観点で企業を評価する考え方である
解答は 4 だ、わが子よ。
ESGは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つの観点で企業を評価する考え方である。環境だけでなく、社会や公正な経営も含むのぞ。
選択肢1は「環境のことだけ」が誤り、選択肢2は「ゲームの年齢区分」が誤り、選択肢3は「勤怠管理」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 社会・ガバナンスも含む |
| 2 | ✗ | ゲームの年齢区分の制度ではない |
| 3 | ✗ | 勤怠管理のしくみではない |
| 4 | ✓ | 環境・社会・ガバナンスの3観点で正しい |
オリジナル問題2(カーボンニュートラル)
カーボンニュートラルに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- カーボンニュートラルは温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすることを指すものである
- カーボンニュートラルは温室効果ガスをこれまでよりたくさん排出することを目指すものとされている
- カーボンニュートラルはパソコンの電源の色を中間色にすることを指し、環境とは無関係とされている
- カーボンニュートラルは紙の書類を増やすことを指す言葉で、温室効果ガスとは関係がないとされる
解答は 1 だ。
カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きしてゼロにすることである。排出を完全にゼロにするのではなく、出た分を吸収で相殺するのぞ、わが子よ。日本は2050年が目標だ。
選択肢2は「たくさん排出」が誤り、選択肢3は「電源の色」が誤り、選択肢4は「紙の書類を増やす」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 排出量と吸収量を差し引きゼロにし正しい |
| 2 | ✗ | たくさん排出するのではなく減らし相殺する |
| 3 | ✗ | 電源の色のことではない |
| 4 | ✗ | 紙の書類を増やすことではない |
オリジナル問題3(SDGsとグリーンIT)
SDGsやグリーンITに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- SDGsは日本の一企業だけが社内で使う目標で、国連や世界とは関係がないものとされている
- グリーンITはITをいっさい使わず紙だけで業務を行うことを指す言葉であるとされているものだ
- SDGsは国連が2015年に採択した17の目標で、グリーンITは環境に貢献する考え方である
- SDGsはたった1つの目標だけを指す言葉で、複数のテーマを含むことはないものとされている
解答は 3 だ、わが子よ。
SDGsは国連が2015年に採択した17の目標(2030年目標)、グリーンITはITで環境に貢献する(またはIT自体を省電力にする)考え方である。
選択肢1は「一企業だけ」が誤り、選択肢2は「ITを使わない」が誤り、選択肢4は「1つだけの目標」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 国連が定めた世界共通の目標 |
| 2 | ✗ | グリーンITはITを活かす考え方 |
| 3 | ✓ | SDGsは17目標・グリーンITは環境貢献で正しい |
| 4 | ✗ | SDGsは17の目標で複数のテーマを含む |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ESGは環境だけではない … 環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つの観点で企業を評価する。
- 🔴 カーボンニュートラル … 排出量と吸収量を差し引きゼロにすること。排出を完全にゼロにすることではない。日本は2050年目標。
- 🟡 SDGsとグリーンIT … SDGs=国連が2015年に採択した17の目標(2030年目標)。グリーンIT=ITで環境に貢献/IT自体を省電力に。
次に学ぶ
- DX戦略(推進指標・2025年の崖) ── デジタルで会社を変える戦略。サステナビリティとあわせて、企業の経営トレンドとして押さえると整理しやすい。
- AI規制・倫理(EU AI Act) ── 企業が守るべきルール・責任の話。ESGのガバナンス(G)ともつながるテーマ。
執筆: SikakuQuest編集部