サービスデザインとは(全体像)
サービスデザイン(Service Design)は、ITサービスを「どう作るか」を考えて設計する段階のこと。料理でいえば、サービス運用が「毎日の営業」なら、サービスデザインは「メニューや段取りを設計する仕込みの設計図づくり」にあたる。
ここで覚えるのが、サービスデザインは1つの作業ではなく、複数のプロセスの集まりだということ。具体的には7つの主要プロセスがあり、これと設計の観点「4P」が試験の中心になる。
「サービスデザイン=何か1つのプロセス」と思うのは誤りで、正しくは「7つの主要プロセスをまとめた設計段階」と押さえる。
詳しく:7つの主要プロセスと4P
ここが心臓部。まず7つの主要プロセスを表で押さえる。
サービスデザインの7つの主要プロセス
| プロセス | 何を設計するか |
|---|---|
| ①サービスレベル管理(SLM) | 品質の約束(SLA・OLA・UC) |
| ②可用性管理 | 止まらないようにする(冗長化など) |
| ③容量管理 | 必要な処理能力を見積もり計画する |
| ④IT継続性管理 | 災害時の備え(BCP・DR) |
| ⑤情報セキュリティ管理 | 安全を守る(ISMS・ISO 27001) |
| ⑥サプライヤ管理 | 外部の業者の契約・評価 |
| ⑦サービスカタログ管理 | 提供するサービスの一覧づくり |
7つもあると感じるが、「品質・止まらなさ・処理能力・災害対応・安全・外部業者・一覧」をそれぞれ設計する、と意味でとらえると整理できる。たとえば①SLMは、品質の約束(SLA・OLA・UC)を設計するプロセスで、これはサービスデザイン(設計)段階の仕事。
次に、設計するときの観点「4P」。
設計の4つの観点(4P)
| P | 観点 | 意味 |
|---|---|---|
| People | 人 | 担当する人・組織 |
| Processes | プロセス | 仕事の進め方 |
| Products | 製品 | 使う技術・ツール |
| Partners | パートナー | 協力する外部の業者 |
サービスを設計するときは、人(People)・プロセス(Processes)・製品(Products)・パートナー(Partners)の4つの面をバランスよく考える。頭文字がすべてPなので「4P」と呼ぶ。
わかりやすく言い換えると
要するに、サービスデザインは「ITサービスの設計図を描く段階」だとイメージするとラク。
つまり、運用が「お店の毎日の営業」なら、デザインは「開店前に、メニュー・品質・安全・仕入れ先まで設計しておく段取り」。その設計項目が7つの主要プロセス。
そして設計の見方が4P=人・プロセス・製品・パートナー。料理でいえば、料理人(人)・調理手順(プロセス)・道具や食材(製品)・仕入れ先(パートナー)の4つをそろえる、というわけ。
試験のツボ
🔴 一番出る:サービスデザインは設計段階(運用とは別)
①サービスデザイン=サービスを「どう作るか」設計する段階
②日々動かすサービス運用とは別の段階
🔴 次に出る:7つの主要プロセス
①SLM・可用性・容量・IT継続性・情報セキュリティ・サプライヤ・サービスカタログの管理
②「1つの作業」ではなく7つのプロセスの集まり
🟡 押さえると安定:設計の観点は4P
People(人)・Processes(プロセス)・Products(製品)・Partners(パートナー)の4つの面で設計する。
よくある間違い
①「サービスデザインは1つだけのプロセスのことだ」→ ✗ 7つの主要プロセスをまとめた設計段階で、1つの作業ではない。
②「サービスレベル管理(SLM)は設計段階に含まれない」→ ✗ SLMはサービスデザイン(設計)段階の主要プロセスの一つ。
③「4Pとは値段・場所・宣伝・商品のことだ」→ ✗ サービスデザインの4PはPeople・Processes・Products・Partners(人・プロセス・製品・パートナー)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(サービスデザインの位置づけ)
サービスデザインに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- サービスデザインは日々サービスを動かす運用そのもので、設計とは関係がない段階とされている
- サービスデザインは社員の給与計算を行う段階で、ITサービスの設計とは無関係なものとされている
- サービスデザインはITサービスを「どう作るか」を設計する段階で、日々動かす運用とは別である
- サービスデザインは完成したサービスを廃止する段階だけを指し、設計の作業は含まないものとされる
解答は 3 だ、わが子よ。
サービスデザインは、ITサービスを「どう作るか」を設計する段階で、日々動かすサービス運用とは別ぞ。サービスの設計図を描く段階と覚えるがよい。
選択肢1は「運用そのもの」が誤り、選択肢2は「給与計算」が誤り、選択肢4は「廃止する段階だけ」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 運用とは別の設計段階である |
| 2 | ✗ | 給与計算の段階ではない |
| 3 | ✓ | どう作るかを設計する段階で運用とは別で正しい |
| 4 | ✗ | 廃止だけでなく設計を行う段階 |
オリジナル問題2(7つの主要プロセス)
サービスデザインの主要プロセスに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- サービスデザインにはサービスレベル管理や可用性管理など7つの主要プロセスがまとめられているのだ
- サービスデザインはたった1つのプロセスだけで成り立ち、ほかのプロセスは含まないものとされている
- サービスデザインの主要プロセスは料理のレシピを管理することだけで、品質や安全は扱わないとされる
- サービスデザインの主要プロセスはネットワークの配線作業だけで、品質や容量は対象外とされている
解答は 1 だ。
サービスデザインには、サービスレベル管理・可用性管理・容量管理など7つの主要プロセスがまとめられている。「1つの作業」ではなく複数のプロセスの集まりぞ、わが子よ。
選択肢2は「たった1つ」が誤り、選択肢3は「レシピ管理だけ」が誤り、選択肢4は「配線作業だけ」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 7つの主要プロセスの集まりで正しい |
| 2 | ✗ | 1つだけではなく7つある |
| 3 | ✗ | レシピ管理のことではない |
| 4 | ✗ | 配線作業だけではない |
オリジナル問題3(4P)
サービスデザインの4Pに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 4Pとは商品・価格・場所・宣伝のことで、サービスデザインの設計の観点とは無関係なものとされる
- 4Pとは人・プロセス・製品・パートナーという4つの観点からサービスを設計することを指している
- 4Pとはパソコンの電源を4つ並べることを指し、サービスの設計とは関係がないものとされている
- 4Pとは1年を4つの季節に分けることを指し、サービスデザインの観点とは無関係なものとされている
解答は 2 だ、わが子よ。
サービスデザインの4Pは、People(人)・Processes(プロセス)・Products(製品)・Partners(パートナー)の4つの観点である。頭文字がすべてPなので4Pと呼ぶのぞ。
選択肢1は商売の4P(商品・価格・場所・宣伝)と取り違えており誤り、選択肢3は「電源4つ」、選択肢4は「4つの季節」がいずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | それは商売の4Pで設計の4Pとは別 |
| 2 | ✓ | 人・プロセス・製品・パートナーで正しい |
| 3 | ✗ | 電源を4つ並べることではない |
| 4 | ✗ | 4つの季節のことではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 設計段階(運用とは別) … サービスデザインはITサービスを「どう作るか」設計する段階。日々動かす運用とは別。
- 🔴 7つの主要プロセス … SLM・可用性・容量・IT継続性・情報セキュリティ・サプライヤ・サービスカタログの管理。1つの作業ではない。
- 🟡 設計の観点は4P … People(人)・Processes(プロセス)・Products(製品)・Partners(パートナー)。
次に学ぶ
- SLA・SLM(稼働率計算) ── サービスデザインの中心プロセス、サービスレベル管理(SLM)の中身。品質の約束を具体的に設計する。
執筆: SikakuQuest編集部