MAC・ARPとは(全体像)
MACアドレスとは、機器ひとつひとつに、製造時から付けられた固有の番号である。世界で重複しないように決められた、いわば「名札」だ。一方IPアドレスは、あとから割り当てる「住所」で、変わることもある。
身近にたとえると、名札と住所のちがいのようなもの。MACは「その人自身に付いた変わらない名札(物理)」、IPは「いま住んでいる住所(論理)」である。
そしてARPは、「この住所(IP)の機器の名札(MAC)は?」と同じネット内に問い合わせるしくみだ。押さえるのは、MACとIPの役割のちがいと、ARPの働きである。
詳しく:MAC/IPの違いとARPの働きだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まずMACアドレスとIPアドレスのちがいを見ていくのだ。
MACアドレス と IPアドレス
| MACアドレス | IPアドレス | |
|---|---|---|
| 種類 | 物理アドレス(機器の名札) | 論理アドレス(住所) |
| 決まり方 | 製造時から固定・世界で一意 | あとから割り当て・変わりうる |
| 長さ | 48ビット(例 AA:BB:CC:DD:EE:FF) | IPv4は32ビット |
ここでひっかけが「MACアドレスとIPアドレスは同じもの」という誤解である。MACは物理(機器に付いた名札)、IPは論理(あとから割り当てる住所)で、役割がちがうのだ。
次に、ARPの働きである。
ARPの働き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | IPアドレスから、その機器のMACアドレスを調べる |
| 方法 | 「この住所(IP)は誰?」と同じネット内に問い合わせる |
| IPv6では | ARPの代わりにNDPを使う |
ここでもう1つのひっかけが「IPv6でもARPを使う」という誤解だ。IPv6では、ARPの代わりにNDP(近隣探索)を使う。ARPはIPv4のしくみで、IPv6ではNDPが同じ役割を担うのである。
わかりやすく言い換えると
要するに、名札と住所でイメージするとよい。
①MACアドレス … その機器に最初から付いた、変わらない名札(物理・世界で一つ)
②IPアドレス … いま使っている住所(論理・あとから割り当て、変わりうる)
③ARP … 「この住所(IP)の機器の名札(MAC)は?」と同じネット内に聞くしくみ
つまり、MACは物理の名札・IPは論理の住所。ARPはIPからMACを調べ、IPv6ではNDPがその役割。ここが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:MACは物理・IPは論理
①MACアドレス = 機器の名札(物理・世界で一意・48ビット)
②IPアドレス = 住所(論理・あとから割り当て)
🔴 次に出る:ARPの役割
①IPアドレスから、その機器のMACアドレスを調べる
②同じネット内に「この住所は誰?」と問い合わせる
🟡 押さえると安定:IPv6ではNDP
①IPv6ではARPの代わりにNDPを使う
②「IPv4はARP、IPv6はNDP」で覚える
よくある間違い
①「MACアドレスとIPアドレスは同じものである」→ ✗ MACは物理(機器の名札)、IPは論理(あとから割り当てる住所)。別もの。
②「IPv6でもARPを使う」→ ✗ IPv6ではARPの代わりにNDPを使う。ARPはIPv4のしくみ。
③「MACアドレスは使うたびに変わる」→ ✗ MACは製造時から固定で、世界で一つ。変わるのはIP(住所)のほう。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(MACアドレス)
MACアドレスに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- MACアドレスは画面の明るさを段階で細かく決めるための専用の設定だとされているものである
- MACアドレスは機器ごとに付いた物理アドレスで、世界で一つだけの名札のようなものである
- MACアドレスは音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされているものである
- MACアドレスは保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものである
解答は 2 である。
MACアドレスは、機器ごとに付いた物理アドレスで、世界で一つだけの名札のようなものである。製造時から固定で変わらないのだ。
選択肢1・3・4の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 2 | ✓ | 機器ごとの物理アドレスで世界で一意 |
| 3 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題2(ARPの役割)
ARPに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ARPは画面を必ず点滅させる専用の設定だとされているもの
- ARPは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- ARPは保存した文字を必ず全部消すための専用の命令だとされているものである
- ARPはIPアドレスから、その機器のMACアドレスを調べるしくみである
解答は 4 である。
ARPは、IPアドレスから、その機器のMACアドレスを調べるしくみである。「この住所(IP)の機器の名札(MAC)は?」と同じネット内に問い合わせるのだ。
選択肢1・2の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢3の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 3 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
| 4 | ✓ | IPアドレスからMACアドレスを調べる |
オリジナル問題3(IPv6とNDP)
IPv6でのアドレス解決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- IPv6ではARPの代わりにNDP(近隣探索)を使ってMACアドレスを調べる
- IPv6でもIPv4とまったく同じARPをそのまま使い続けるものだとされているのである
- IPv6でのアドレス解決は、画面の明るさを決める設定だとされているものなのである
- IPv6でのアドレス解決は、音の大きさを決める機能だとされているもの
解答は 1 である。
IPv6では、ARPの代わりにNDP(近隣探索)を使ってMACアドレスを調べる。ARPはIPv4のしくみで、IPv6ではNDPが同じ役割を担うのだ。「IPv4はARP、IPv6はNDP」と覚えるとよい。
選択肢2の「同じARPを使い続ける」は誤りである。選択肢3・4の「明るさ」「音の大きさ」も関係ない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | IPv6はNDPでMACを調べる |
| 2 | ✗ | IPv6はARPではなくNDP |
| 3 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 4 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 MACとIP = MACは物理アドレス(機器の名札・世界で一意)、IPは論理アドレス(住所・あとから割り当て)。別もの。
- 🔴 ARPの役割 = IPアドレスから、その機器のMACアドレスを調べる。
- 🟡 IPv6ではNDP = ARPはIPv4のしくみ。IPv6ではNDP(近隣探索)が同じ役割を担う。
次に学ぶ
- OSI参照モデル(7層) ── MACが使われるデータリンク層(L2)を含む通信の全体像。
- IPv6(SLAAC・デュアルスタック) ── NDPを使う次世代のIPアドレス体系。
執筆: SikakuQuest編集部