L2スイッチングとは(全体像)
L2スイッチングとは、スイッチが「どのMACアドレスの機器が、どのポートにつながっているか」を覚えて、フレーム(データのかたまり)を正しいポートへ送るしくみである。
身近にたとえると、郵便の仕分け係のようなもの。「この名札(MAC)の人は、この口(ポート)」と覚えていって、届いた手紙を正しい口へ振り分ける——それがスイッチの仕事だ。
押さえるのは、ネットワークを論理的に分けるVLANと、ループ(輪)を防ぐSTPである。
詳しく:VLANとSTPだけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まずVLANを見ていくのだ。
VLAN(論理的なネットワーク分割)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をする | 1台のスイッチの中でもネットワークを論理的に分ける |
| ポイント | 物理的に分けなくてよい(同じスイッチ内で分けられる) |
| 効果 | ブロードキャスト(全員への呼びかけ)の範囲を分ける |
ここでひっかけが「VLANは物理的に分けることだ」という誤解である。VLANは論理的な分割で、同じ1台のスイッチの中でもネットワークを分けられるのだ。
次に、ループを防ぐSTPである。
STP(ループ防止)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何をする | 配線が輪になったとき、一部の道を一時的に閉じてループを防ぐ |
| なぜ必要 | 輪があるとフレームが無限に回ってしまう |
| 高速版 | RSTPは収束が速い(30秒 → 約1秒) |
ここでもう1つのひっかけが「STPはもともと速い」という誤解だ。従来のSTPは切り替えに時間がかかり、速くしたのがRSTP(30秒から約1秒へ)である。
わかりやすく言い換えると
要するに、仕分け係と仕切りでイメージするとよい。
①L2スイッチ … 「この名札(MAC)はこの口」と覚えて手紙を振り分ける仕分け係
②VLAN … 1つの大部屋を、物理的な壁でなく「見えない仕切り」でグループ分けする
③STP … 配線が輪になると手紙が無限に回るので、一部の道を閉じてループを防ぐ
つまり、VLANは論理分離・STPはループ防止(RSTPで高速化)。ここが試験の急所である。
試験のツボ
🔴 一番出る:VLANは論理分離
①1台のスイッチの中でもネットワークを論理的に分けられる
②物理的に分けるわけではない
🔴 次に出る:STPはループ防止
①配線が輪になったとき、一部の道を閉じてループを防ぐ
②高速版がRSTP(30秒 → 約1秒)
🟡 押さえると安定:スイッチのMAC学習
①送信元MACとポートを覚えて表を作る
②宛先MACに対応するポートへ転送する
よくある間違い
①「VLANは物理的にネットワークを分けることである」→ ✗ VLANは論理的な分割。同じ1台のスイッチの中でも分けられる。
②「STPはもともと切り替えが速い」→ ✗ 従来のSTPは時間がかかる。速くしたのがRSTP(30秒から約1秒へ)。
③「スイッチは宛先を覚えず、いつも全ポートに送る」→ ✗ 送信元MACとポートを学習し、宛先に対応するポートへ送る。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(VLAN)
VLANに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- VLANは画面の明るさを段階で決めるための専用の設定だとされているものなのである
- VLANは音の大きさを段階で決めるための専用の機能だとされているもの
- VLANは1台のスイッチの中でもネットワークを論理的に分けられるしくみである
- VLANは保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものなのである
解答は 3 である。
VLANは、1台のスイッチの中でもネットワークを論理的に分けられるしくみである。物理的に分けるのではなく、「見えない仕切り」で分けるイメージなのだ。
選択肢1・2・4の「明るさ」「音の大きさ」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面の明るさの設定ではない |
| 2 | ✗ | 音の大きさの機能ではない |
| 3 | ✓ | 同じスイッチ内でも論理的に分けられる |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題2(STP)
STPに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- STPは配線が輪になったとき、一部の道を閉じてループを防ぐしくみである
- STPは画面を必ず点滅させる専用の設定だとされているもの
- STPは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- STPは保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものなのである
解答は 1 である。
STPは、配線が輪になったとき、一部の道を一時的に閉じてループを防ぐしくみである。輪があるとフレームが無限に回ってしまうのを止めるのだ。速くしたのがRSTPである。
選択肢2・3・4の「点滅」「二重に鳴らす」「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 一部の道を閉じてループを防ぐ |
| 2 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 3 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
オリジナル問題3(スイッチのMAC学習)
L2スイッチの動きに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- L2スイッチは画面を必ず点滅させる専用の設定だとされているもの
- L2スイッチは送信元MACとポートを覚え、宛先に対応するポートへ転送する
- L2スイッチは音を必ず二重に鳴らすための専用の機能だとされているものなのである
- L2スイッチは保存した文字を全部消すための専用の命令だとされているものなのである
解答は 2 である。
L2スイッチは、送信元のMACとポートを覚え(学習し)、宛先に対応するポートへ転送する。郵便の仕分け係が「この名札はこの口」と覚えるのに似ているのだ。
選択肢1・3の「点滅」「二重に鳴らす」、選択肢4の「全部消す」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 画面を点滅させる設定ではない |
| 2 | ✓ | MACを学習し対応ポートへ転送する |
| 3 | ✗ | 音を鳴らす機能ではない |
| 4 | ✗ | 文字を消す命令ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 VLAN = 1台のスイッチの中でもネットワークを論理的に分けられる(物理分離ではない)。
- 🔴 STP = 配線が輪になったときループを防ぐ。高速版がRSTP(30秒 → 約1秒)。
- 🟡 MAC学習 = スイッチは送信元MACとポートを覚え、宛先に対応するポートへ転送する。
次に学ぶ
- OSI参照モデル(7層) ── スイッチが動くデータリンク層(L2)を含む通信の全体像。
- MAC・ARP(IPv6 NDP) ── スイッチが覚えるMACアドレスのしくみ。
執筆: SikakuQuest編集部