補助記憶装置とは(全体像)
補助記憶装置は、データをためておく「倉庫」のこと。作業中の一時的な記憶(メモリ)と違い、電源を切ってもデータが残るのが特徴だ。
身近にたとえると、家の収納場所の使い分けだ。よく使う物は手元の引き出し(SSD)、量が多い物は物置(HDD)、めったに出さない大事な物は貸金庫(テープ)、持ち歩く物はポーチ(SDカード・USBメモリ)、というイメージ。
押さえる主役は4つ。
- SSD … 速い。現代PCの主役。
- HDD … 大容量で安い。
- 磁気テープ(LTO) … 長期保存(アーカイブ)用。
- SDカード・USBメモリ … 小さく持ち運べる。
詳しく:SSDとHDDの使い分けとHDDの方式だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。まずSSDとHDDを比べよう。
SSDとHDDの違い
| 種類 | 速さ | 容量・価格 | 代表 |
|---|---|---|---|
| SSD | とても速い | 容量あたりは少し高い | M.2 NVMe(現代の主流)・SATA |
| HDD | SSDより遅い | 大容量で安い | 3.5インチ・2.5インチ |
速さを求めるならSSD、なかでもM.2 NVMeがいまの主流で、PCの中で直結して超高速で動く。大量のデータを安くためたいならHDDが向く。「速いSSD・安くて大容量のHDD」と対で覚えればよい。
次に、HDDには記録の方式が2つある。名前が似ていて取り違えやすい。
HDDのCMRとSMR
| 方式 | 書き込み | 容量 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| CMR | 速い | 標準 | サーバー・録画機 |
| SMR | 遅い | 大きい(高密度) | アーカイブ(ためておく用) |
CMRは従来型で書き込みが速い、SMRはデータを少し重ねて書くので大容量だが書き込みが遅い。性質が逆なので、ここがよく問われる。
最後に、持ち運べるSDカード。1種類ではなく、世代によって入る容量の上限が違う。
SDカードの世代(容量の上限)
| 世代 | 容量の上限の目安 |
|---|---|
| SD | 〜2GB |
| SDHC | 〜32GB |
| SDXC | 〜2TB |
| SDUC | 〜128TB(最新) |
新しい世代ほど大きな容量に対応する。「SDカードはどれも同じ」ではない、というのがポイントだ。
なお、長期保存の主役磁気テープ(LTO)は、最新のLTO-9で1巻18TB(圧縮で約45TB)と大容量で、大企業や役所のバックアップで今も現役だ。
わかりやすく言い換えると
要するに、収納の使い分けで考えるとラクだ。
①SSD … 手元の引き出し(速い・現代PCの主役)
②HDD … 物置(大容量で安い・CMRは書き込み速い/SMRは大容量だが遅い)
③テープ(LTO)・SDカード … 貸金庫とポーチ(長期保存・持ち運び)
つまり、「速いSSD・安いHDD」、「CMRは速い・SMRは大容量」、この対比だけ押さえれば迷わない。
試験のツボ
🔴 一番出る:SSDとHDDの使い分け
①SSD = 速い・M.2 NVMeが現代の主流
②HDD = 大容量で安い
🔴 次に出る:HDDのCMRとSMR
①CMR = 従来型・書き込みが速い
②SMR = 大容量(高密度)だが書き込みが遅い
🟡 押さえると安定:テープとSDカード
①LTO(磁気テープ) = 長期保存・大容量(LTO-9で1巻18TB)
②SDカードは世代あり(SD→SDHC→SDXC→SDUCで容量上限が上がる)
よくある間違い
①「CMRとSMRは同じ方式」→ ✗ CMRは従来型で書き込みが速い、SMRは大容量だが書き込みが遅い。性質が逆。
②「SDカードはすべて同じ規格」→ ✗ SD→SDHC→SDXC→SDUCと世代があり、対応する容量の上限が違う。
③「磁気テープは古くてもう使われていない」→ ✗ LTOは大企業や役所の長期バックアップで今も現役。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(SSDとHDD)
SSDとHDDに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- SSDはHDDより読み書きが遅く、容量あたりの価格も必ず高くなるものとされているものだ
- SSDは速く現代PCの主流、HDDはSSDより遅いものの大容量で安く保存できる装置である
- SSDもHDDも電源を切るとデータが消えるため、長期保存にはまったく使えないものとされる
- HDDのほうがSSDより読み書きが速く、M.2 NVMeはHDDの代表的な方式とされているものだ
解答は 2 である。
SSDは速く現代PCの主流、HDDはSSDより遅いが大容量で安いのだ。M.2 NVMeはSSDの代表なるぞ。
選択肢1の「SSDが遅い」、選択肢3の「電源で消える」、選択肢4の「HDDが速い」はどれも誤りである。補助記憶装置は電源を切っても残る。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | SSDのほうが速い |
| 2 | ✓ | SSDは速い・HDDは大容量で安い |
| 3 | ✗ | 電源を切っても残る |
| 4 | ✗ | NVMeはSSDの方式、SSDが速い |
オリジナル問題2(CMRとSMR)
HDDのCMRとSMRに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- CMRもSMRもまったく同じ方式で、書き込みの速さや容量に違いはないものとされているのだ
- CMRは大容量だが書き込みが遅く、SMRは従来型で書き込みが速い方式とされているものだ
- CMRは従来型で書き込みが速く、SMRは高密度で大容量だが書き込みが遅い記録方式である
- CMRもSMRも光ディスクの記録方式で、HDDの記録には使われないものとされているものだ
解答は 3 である。
CMRは従来型で書き込みが速く、SMRは高密度で大容量だが書き込みが遅いのだ。性質が逆なるぞ。
選択肢1の「同じ方式」、選択肢2のCMRとSMRが逆、選択肢4の「光ディスクの方式」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 書き込みの速さも容量も違う |
| 2 | ✗ | CMRとSMRの説明が逆 |
| 3 | ✓ | CMRは速い・SMRは大容量で遅い |
| 4 | ✗ | どちらもHDDの記録方式 |
オリジナル問題3(テープとSDカード)
磁気テープとSDカードに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 磁気テープは長期保存で今も現役、SDカードはSDからSDUCへと世代で容量上限が上がる
- 磁気テープはすでに使われなくなり、SDカードは世代がなく容量はすべて同じとされている
- SDカードはSDの1世代しかなく、磁気テープは持ち運び用の小型ストレージとされているのだ
- 磁気テープは読み書きが最速のため手元作業に使い、SDカードは長期保存専用とされている
解答は 1 である。
磁気テープ(LTO)は長期保存で今も現役、SDカードはSD→SDHC→SDXC→SDUCと世代で容量上限が上がるのだ。テープは大企業のバックアップで使われるなるぞ。
選択肢2の「テープは使われない」、選択肢3の「SDは1世代」、選択肢4の「テープが最速」はどれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | テープは現役・SDは世代で容量が上がる |
| 2 | ✗ | テープは現役・SDには世代がある |
| 3 | ✗ | SDは複数世代・テープは長期保存用 |
| 4 | ✗ | テープは長期保存向け、手元作業はSSD |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 SSDとHDD = SSDは速い(M.2 NVMeが主流)、HDDは大容量で安い。用途で使い分ける。
- 🔴 CMRとSMR = CMRは書き込みが速い、SMRは大容量だが書き込みが遅い。性質が逆。
- 🟡 テープとSDカード = 磁気テープ(LTO)は長期保存で現役、SDカードは世代(SD→SDUC)で容量上限が上がる。
次に学ぶ
- 記憶階層 ── 速くて小さいメモリから、遅くて大きいストレージまで、記憶装置をピラミッドで整理する考え方。
- USB/Thunderbolt ── 外付けSSDやUSBメモリをつなぐUSB-Cやハブのしくみ。
執筆: SikakuQuest編集部