試験は、2つの科目でできている
今の基本情報は、科目Aと科目Bという2つの試験で構成されています。
ざっくり言うと、科目Aが「広く浅く知識を確かめる部分」、科目Bが「じっくり考える力を見る部分」。性格のちがう2つをセットで受ける、というイメージです。
科目A・科目Bの基本データ
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 出題数 | 60問 | 20問 |
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 形式 | 多肢選択(四肢択一) | 多肢選択 |
| 中身 | IT全般の基礎知識 | アルゴリズム・情報セキュリティ |
なぜ2つに分かれているのか。ひとことで言えば、ITの力には「知っているか」と「使えるか」の2つの面があるからです。科目Aで知識の幅を確かめ、科目Bで考える力を確かめる。両方をそろえて初めて、基礎が身についていると言える——そんな考え方で組まれています。
だから対策も、性格を分けて進めるのが効きます。科目Aは暗記とテンポ、科目Bは読解と慣れ。同じ「勉強」でも頭の使い方がちがうので、ごちゃ混ぜにせず、それぞれに合うやり方を当てるのがコツです。
科目A・科目Bは、別々の時間帯に受けます。両方を同じ日に続けて受ける形が一般的ですが、運用は変わり得るので、申し込みの画面で最新の案内を確かめてください。
なお、ここに挙げた問題数や時間は、今後の制度見直しで変わる可能性があります。受験する年度のIPA公式案内で、最新を確認しておくと安心です。
科目A——60問を90分で、満遍なく
科目Aは、ITの基礎を広く問う試験です。60問を90分で解くので、1問あたり1分半ほど。深く悩むというより、テンポよくさばいていく感覚に近いです。
出題のジャンルは、大きく3つに分かれます。
科目Aの3分野
テクノロジ系は、いわばコンピュータの「中身」の話。データがどう表され、どう計算され、どうネットワークを流れるか、といった土台です。マネジメント系は、システムを「作って動かす」ための段取りの話。ストラテジ系は、それを「ビジネスでどう使うか」という話、と整理すると見通しがよくなります。
つまり、技術一辺倒ではなく、KPIのような経営の指標まで含めて、IT全体を見渡す力が問われる、ということ。範囲は広いのですが、その分ひとつひとつは基礎的です。深い専門知識より、「広く浅く、ひととおり」を求められる、と考えてください。
正直なところ、ここは「苦手分野を作らないこと」が何よりの近道。全問必須なので、好きな問題だけ選ぶ、という逃げ道はありません。得意分野で点を稼ぎつつ、苦手も最低限は押さえておく——そんなバランス感覚が効いてきます。逆に言えば、どこか一分野だけ極端に詰め込むより、全体をならして底上げするほうが、合格には近づきやすいんです。
科目B——20問を100分で、じっくり考える
いっぽう科目Bは、問題数こそ20問と少なめですが、時間は100分とたっぷり。1問1問を読み解いて答える、考える試験です。
中心になるのが、アルゴリズム。擬似言語と呼ばれる「プログラムの設計図のような書き方」を読み、処理が上から下へどう流れていくのかを追いかけます。たとえば探索アルゴリズムのような「目的のデータを見つける手順」が、よく題材になります。
擬似言語のいいところは、特定のプログラミング言語を覚えていなくても読める点。だから「Pythonしか触ったことがない」「どの言語も未経験」という人でも、同じ土俵で挑めます。言語の暗記ではなく、論理の組み立てを見る——それが科目Bの狙いです。
もうひとつの柱が、情報セキュリティ。認証要素(MFA)のような「本人確認の仕組み」など、安全を守るための考え方が問われます。ニュースでよく聞く話題でもあるので、とっつきやすい分野かもしれません。
100分という時間は、20問に対してかなりゆとりがあります。つまり、急いで数をこなす試験ではなく、一問一問をていねいに読み解くことが想定されている、ということ。落ち着いて図や流れを書き出しながら進める人ほど、力を発揮しやすい設計です。
科目Bのアルゴリズムは、暗記だけでは届きにくい分野です。要するに、手を動かして「流れを追う」練習を重ねた人ほど、本番で落ち着いて読めるようになります。早めに少しずつ触れておくのが、いちばん効きます。
いつ・どこで受ける?——通年CBT方式
基本情報は、CBT方式で行われます。これは「会場のパソコンで解答する試験」のこと。紙のマークシートではなく、画面で選択肢を選んで答えていきます。
そして大きな特徴が「通年」であること。決まった試験日を待つ必要がなく、全国のテストセンターで、ほぼ一年を通して受けられます。自分の準備が整ったタイミングで予約して受ける、という流れです。
これは、働きながら、あるいは家事や学業のあいだに挑戦する人には、ありがたい仕組みです。「次の試験はまだ先か…」とやる気がしぼむこともなく、仕上がってきたと感じたら申し込めばいい。逆に、準備が足りないと思えば日程をずらす、という調整もしやすい。自分のペースを、試験のほうに合わせてもらえる感覚です。
ただし、人気の日時や会場は早めに埋まることもあります。受けたい時期が決まっているなら、少し前もって予約しておくと安心です。
申し込みは、おおまかに次のステップで進みます。
申し込みの大まかな流れ
細かい手順や登録先は、制度の見直しで変わることがあります。申し込む時点で、IPAの公式案内に沿って進めるのが確実です。
受験料と、合格のライン
受験料は 7,500円(税込) です。これは年度や制度の改定で見直されることがあるので、申し込み前に必ず公式サイトで最新の金額を確かめてください。
合格の基準は、科目A・科目Bがそれぞれ 1,000点満点中600点 とされています。両方ともこのラインを超えると合格、という仕組みです。
科目A・科目B、どちらも600点(1000点満点)以上で合格の扱い。片方だけ高くても、もう片方が届かないと合格にはなりません。さらに、上位の何%だけが受かる相対評価ではなく、基準を超えれば受かるタイプ。だから、ライバルの出来より「自分が基準に届くか」に集中できます。
600点という数字だけ見ると身構えるかもしれませんが、満点の6割。難問を取りこぼしても、基礎をていねいに固めれば届くラインです。そして相対評価でないというのが、地味に大きい。誰かが高得点でも、それで自分の合格枠が削られるわけではありません。だから、過去問を解いて「自分が基準に届くか」だけを見ていけばいい、という安心感があります。
それに、通年で受けられるということは、もし今回届かなくても、間を置いて次に挑みやすい、ということでもあります。一度の結果がすべてを決めるわけではない。受験料はそのつどかかりますが、立て直して再挑戦できる余地が残されているのは、心の支えになります。とはいえ、まずは一回で仕上げるつもりで準備するのが、いちばん近道ではありますが。
受験資格は、いっさいありません。学歴も年齢も職業も問われないので、受けると決めた人がそのまま挑戦できます。
「科目A免除」という近道もある
最後に、知っておくと得をする制度をひとつ。基本情報には、科目A免除制度があります。
これは、修了認定された講座や学校で所定の課程を終えると、科目Aが免除され、科目Bだけ受ければよくなる仕組み。わかりやすく言い換えると、「2科目のうち1科目を、先に片づけておける」ルートです。
向いているのは、たとえば学校やスクールですでに学んでいる人、まとまった対策時間を取りやすい人。先に科目Aのぶんを片づけておけば、本番では科目Bだけに集中できます。試験当日のプレッシャーを半分に減らせる、という見方もできます。
もちろん、免除のための講座を受けるコストや手間はかかります。誰にとっても最短とは限りませんが、計画的に進めたい人には有力な選択肢。詳しい条件は変わることがあるので、利用を考えるなら公式情報で確認してください。
- 試験は科目A(60問90分)と科目B(20問100分)の2本立て
- 科目AはIT全般の基礎、科目Bはアルゴリズムと情報セキュリティ
- 通年CBT方式で、全国のテストセンターを予約して受ける
- 受験料は7,500円(税込)、合格は各600点(1000点満点)が目安
- 受験資格なし。科目A免除制度を使えば科目Bだけにできる場合も
理解度チェック
ここまでの内容が、どれくらい身についたか確かめてみましょう。
今の基本情報技術者試験の構成として、正しいものはどれか。
- 科目1から科目5までを順に受ける形式
- 科目Aと科目Bという2つの試験で構成
- 筆記試験と面接試験を組み合わせる形式
- 実技試験だけで合否が決まる一発勝負
解答は 2 です。
今の基本情報は、科目A(60問・90分)と科目B(20問・100分)の2つで構成されています。つまり、性格のちがう2つの試験をセットで受ける形です。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 5科目を順に受ける形ではない |
| 2 | ✓ 正解 | 科目A・科目Bの2本立てが現行 |
| 3 | ✗ 誤り | 面接はない |
| 4 | ✗ 誤り | 実技のみではない |
数や時間は今後変わり得るので、受験する年度の公式案内で確認してください。
基本情報技術者試験の受験方式について、正しいものはどれか。
- 春と秋の年2回、決まった日に会場で受ける
- 自宅のパソコンから自由な時間に受ける
- 通年のCBT方式で会場を予約して受ける
- 郵送で答案を提出する通信方式で受ける
解答は 3 です。
基本情報は通年CBT方式で、全国のテストセンターのパソコンを使い、自分の都合に合わせて受験日を予約して受けます。わかりやすく言うと、「準備ができたら申し込んで受ける」仕組みです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 「年2回・決まった日」は改定前の方式 |
| 2 | ✗ 誤り | 自宅ではなく会場のパソコンで受ける |
| 3 | ✓ 正解 | 通年CBT・予約制が現行 |
| 4 | ✗ 誤り | 郵送の通信方式ではない |
受験日を自分で選べるので、学習計画も立てやすくなりました。
基本情報技術者試験の合格の目安として、正しいものはどれか。
- 科目A・科目Bがそれぞれ600点以上で合格
- 受験者全体の上位10パーセント以内なら合格
- 2科目の合計が満点の半分を超えれば合格
- どちらか片方が高得点であれば合格
解答は 1 です。
合格の目安は、科目A・科目Bがそれぞれ1,000点満点中600点以上。両方そろえて初めて合格になります。要するに、片方だけ得意でも届かない、両輪をそろえる試験です。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 各600点(1000点満点)が目安 |
| 2 | ✗ 誤り | 上位何%という相対評価ではない |
| 3 | ✗ 誤り | 合計ではなく科目ごとに判定 |
| 4 | ✗ 誤り | 片方だけ高くても合格にならない |
なお、得点の扱いは見直されることがあるので、最新の基準は公式情報で確認してください。
「基本情報、ちゃんと受けられそう」と思ってもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
科目Bのアルゴリズムを少しずつ体で覚えたいなら、4択問題を1問ずつ解けるシカクエのアプリも、選択肢の一つに入れてみてください。1問1分のリズムで、通勤の往復からでも積み重ねられます。
もちろん、市販のテキストや過去問サイトで進めるのも、まったく問題ありません。自分に合うやり方で、無理なく続けていくのがいちばんです。
次に読むなら、こんな記事もどうぞ。
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