最初の1ヶ月が、その後を左右する
まず、なぜ最初の1ヶ月が大事なのか、その理由からお伝えします。
勉強で挫折する人の多くは、実は始めて数週間のうちに離れていきます。逆に言えば、最初の1ヶ月を乗り切って、勉強が生活の一部になったら、その後はぐっと続けやすくなる。つまり、最初の1ヶ月は「知識を詰め込む期間」というより、「勉強を習慣にする助走期間」なんです。
だから、この時期に大量の知識を覚えようと焦る必要はありません。むしろ、毎日机に向かう(あるいはスマホで1問解く)という行動を、生活に根づかせることのほうが大事です。
最初の1ヶ月は、知識量より「習慣」を作る期間。 たくさん覚えることより、「毎日少しでも触れる」リズムを生活に組み込むことを優先する。この助走がうまくいくと、2ヶ月目以降の学習が、見違えるほどスムーズになります。
要するに、スタートダッシュとは「全力で飛ばすこと」ではなく、「無理なく走り続けられるペースを見つけること」。この捉え方が、最初の1ヶ月を支える土台になります。
まずやること:全体像をつかむ
最初の1ヶ月で、いちばん先にやってほしいのが、「全体像をつかむ」ことです。
基本情報は、科目Aと科目Bの2本立てでしたね。科目Aは、テクノロジ・マネジメント・ストラテジという3分野を幅広く問う部分。科目Bは、アルゴリズム(擬似言語)と情報セキュリティを中心に、考える力を問う部分です。まずは、この大きな地図を頭に入れます。
なぜ全体像が先かというと、地図がないまま走り出すと、自分がどこにいるのか、あと何が残っているのかが見えず、不安になるからです。わかりやすく言い換えると、ゴールまでの道のり全体が見えていると、迷子になりにくいんです。
最初につかむ「全体の地図」
ついでに、試験の形も押さえておきましょう。科目Aは60問を90分、科目Bは20問を100分で解きます。どちらも1000点満点で、合格の目安はそれぞれ600点です。通年のCBT方式なので、準備が整った時期に、自分で受験日を予約できます。こうした「ルール」を最初に知っておくと、ゴールが具体的にイメージできて、計画も立てやすくなります。なお、受験料や合格基準は改定されることがあるので、申し込みの前に公式情報で確認しておくと確実です。
具体的には、入門書を1冊、最初から最後まで「ざっと」めくってみる。細かく理解しようとせず、「こんな分野があるのか」という感覚をつかむだけでいい。たとえば浮動小数点数のような難しそうな用語が出てきても、今は「あとで学ぶ場所」と印をつけておけば十分です。全体を一度見渡しておくと、これから何を学ぶのかの心の準備ができます。
いきなり完璧を目指さない
全体像をつかんだら、次は実際に手を動かしていきます。ここでのコツは、「いきなり完璧を目指さない」ことです。
最初から「毎日2時間、参考書を完璧に理解する」といった高い目標を立てると、たいてい数日でくじけます。そうではなく、「1日1問でいい」「テキストを1ページ読むだけでいい」という、軽い一歩から始めます。
大事なのは、ゼロの日を作らないこと。たとえ5分でも、毎日触れることが、この時期にはいちばん効きます。完璧な2時間を週1回より、不完全な10分を毎日のほうが、習慣としては、はるかに強く根づくんです。
最初の1ヶ月は、「完璧」より「毎日続く」を優先する。1日10分でも、1問でもいい。大事なのは、勉強を「特別なこと」から「歯みがきのような当たり前」に変えていくこと。量を増やすのは、習慣が根づいた2ヶ月目からで間に合うのである。
つまり、最初の1ヶ月は、自分に厳しくしすぎないこと。小さな一歩を、毎日積み重ねる。それができれば、この時期の目的は、ほぼ達成です。
1ヶ月の、ゆるい流れの例
イメージしやすいように、最初の1ヶ月のゆるい流れを、例にしてみます。もちろん、これは一例で、自分のペースに合わせて調整してかまいません。
最初の1ヶ月の流れ(一例)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 入門書をざっと一周。全体像と分野の名前をつかむ |
| 2週目 | 科目Aのテクノロジ分野から、少しずつ読み始める |
| 3週目 | 読んだ範囲の過去問を1問ずつ解いてみる |
| 4週目 | 科目Bの擬似言語に、軽く触れてみる |
ここでのポイントは、科目Aの土台を作りながら、4週目あたりで科目Bにも顔を出しておくことです。科目Bのアルゴリズムは、慣れるのに時間がかかる人が多い分野。だから、早めに「こんな感じか」と触れておくと、後で本格的に取り組むときの抵抗が小さくなります。
完璧にこの通りでなくてかまいません。大事なのは、「全体を見る→読む→解く→新しい分野に触れる」という流れを、自分なりに回し始めることです。
続けるための「習慣のスイッチ」を作る
最初の1ヶ月で作っておきたいのが、「習慣のスイッチ」です。
これは、「もしAしたら、Bする」という形で、勉強のきっかけをあらかじめ決めておくやり方です。たとえば、「朝、電車に乗ったら、過去問を1問解く」「夜、歯をみがいたら、テキストを1ページ読む」。きっかけと行動をセットにしておくと、「やろうかな、どうしようかな」と迷う隙がなくなります。
スイッチは、自分の生活リズムに合うものを選ぶのがコツです。朝型の人なら出勤前のコーヒータイム、夜型の人なら入浴後のひととき。通勤がない人でも、昼食のあとや、お皿を洗ったあとなど、毎日必ず訪れる場面なら、何でもかまいません。自分の1日を思い浮かべて、「ここなら続けられそう」という場面を一つ選んでみてください。
なぜこれが効くかというと、人は「いつやるか」を毎回考えるだけで、エネルギーを消耗するからです。あらかじめ決めておけば、考えずに体が動く。最初の1ヶ月のうちに、このスイッチを一つ作っておくと、勉強が「決意」ではなく「習慣」に変わっていきます。
計画は、走りながら直していい
最後に、計画についての大事な考え方を。最初の1ヶ月では、完璧な計画を立てる必要はありません。むしろ、計画は走りながら直すもの、と考えてください。
やってみて初めて、自分のペースや、得意・不得意が見えてきます。「思ったより科目Bに時間がかかる」「朝より夜のほうが集中できる」。そうした発見をもとに、計画を少しずつ調整していけばいいんです。最初に立てた計画が崩れても、それは失敗ではなく、現実に合わせた当然の修正です。
- 目的:知識量より「毎日続く習慣」を作る助走期間
- 最初に:入門書をざっと一周して、全体像をつかむ
- 進め方:完璧を目指さず、1日1問・1ページから。ゼロの日を作らない
- 流れ:科目Aの土台づくり+4週目あたりで科目Bにも触れる
- 習慣:「電車に乗ったら1問」など、習慣のスイッチを一つ作る
- 計画:完璧に立てず、走りながら現実に合わせて直していく
つまり、最初の1ヶ月は、立派な計画を完成させる時期ではなく、自分に合うやり方を見つける「実験の期間」。気負わず動き出して、走りながら整える。その柔らかさが、長い学習を続ける力になります。
理解度チェック
ここまでの内容が、どれくらい身についたか確かめてみましょう。
基本情報の勉強で、最初の1ヶ月の主な目的として適切なものはどれか。
- とにかく大量の知識を一気に詰め込んでおく
- 完璧で精密な年間スケジュールを作り上げる
- ライバルより先に過去問を全問解いてしまう
- 知識量より勉強を毎日続ける習慣を作ること
解答は 4 です。
最初の1ヶ月は、知識を詰め込む期間というより、勉強を習慣にする助走期間です。つまり、毎日少しでも触れるリズムを生活に根づかせることが、この時期のいちばんの目的なんです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 詰め込みより習慣が先 |
| 2 | ✗ 誤り | 完璧な計画は要らない |
| 3 | ✗ 誤り | 競争が目的ではない |
| 4 | ✓ 正解 | 習慣づくりが助走になる |
要するに、毎日続くリズムを作ることが、その後を楽にします。
最初の1ヶ月の始め方として、ここまでで勧めたのはどれか。
- まず入門書をざっと一周し全体像をつかむ
- いきなり科目Bの難問だけを集中的に解く
- 一日も休まず毎日3時間を必ず確保する
- 最初に完璧な計画を立ててから動き始める
解答は 1 です。
最初にやってほしいのは、入門書をざっと一周して全体像をつかむことです。わかりやすく言い換えると、細かく理解しようとせず、「こんな分野があるのか」という地図を先に頭へ入れておくんです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 全体像を先につかむ |
| 2 | ✗ 誤り | 難問集中は早すぎる |
| 3 | ✗ 誤り | 完璧主義は続かない |
| 4 | ✗ 誤り | 計画は走りながら直す |
つまり、地図を持ってから歩き出すと、迷子になりにくくなります。
最初の1ヶ月での計画の立て方として、適切な考え方はどれか。
- 一度立てた計画は何があっても変えない
- 計画を立てず、その日の気分だけで進める
- まず動き、現実に合わせて走りながら直す
- 完璧な計画ができるまで勉強を始めない
解答は 3 です。
最初の1ヶ月では、完璧な計画より、まず動き出すことが大切です。つまり、やってみて見えた自分のペースや得意・不得意に合わせて、計画を走りながら直していくのが現実的なんです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 現実に合わせて直す |
| 2 | ✗ 誤り | ゆるい型は持っておく |
| 3 | ✓ 正解 | 動きながら調整する |
| 4 | ✗ 誤り | 完璧を待つと始まらない |
要するに、計画は固定でなく、現実に合わせて育てるものです。
「最初の1ヶ月は、完璧な計画より、まず動き出すこと」と感じてもらえたなら、編集部としてはとても嬉しいです。
「電車に乗ったら1問」の習慣づくりに、4択問題を1問ずつ解けるシカクエのアプリも選択肢の一つです。1問1分から、無理なく始められます。
もちろん、入門書や過去問サイトで、自分のペースで進めるのも、まったく問題ありません。
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