要件定義とは?3種類の要件と1:10:100

公開: 更新: カテゴリ: マネジメント系

30秒で結論

要件定義とは(全体像)

要件定義は、システム開発の最初のステップ「どんなシステムを作るのか」を、関係者で話し合ってはっきり決める工程だ。ここがあいまいなまま先に進むと、「思っていたのと違う」となり、あとで大きなやり直しになる。

決めることは、大きく3種類の要件に分けられる。

この3つ、とくに非機能要件を忘れないことが大切。「機能だけ決めればよい」と思い込みやすいので、ここがよく問われる。


詳しく:3種類の要件と1:10:100

ここが心臓部。3種類の要件を表で押さえよう。

3種類の要件

種類何を決めるか
業務要件仕事の進め方・ルール注文を受けてから発送するまでの流れ
機能要件システムができることユーザー登録、検索、購入の機能
非機能要件機能以外の条件速さ(性能)、止まりにくさ、安全性、直しやすさ

非機能要件でいう「止まりにくさ」は可用性(いつも使える度合い)、「直しやすさ」は保守性とも呼ばれる。機能ではないが、満足度を大きく左右する大事な条件だ。

そしてもう1つ、1:10:100の法則。これは、間違いを直すコストは、後の工程になるほど大きくなるという考え方だ。

直すコストの目安(1:10:100)

いつ直すかコストの目安
要件定義の段階1
設計の段階10
運用の段階100

つまり、要件定義でしっかり決めておくほど、あとのムダなやり直しを減らせる。「後でいくらでも直せる」と考えず、最初を固めるのが大事、という点が問われる。

わかりやすく言い換えると

身近なたとえで整理しよう。

要件定義は、家を建てる前の「どんな家にするか、しっかり決める打ち合わせ」のイメージ。間取り(業務)・つけたい設備(機能)・暮らしやすさ(非機能)を決める。要するに、作る前に「何を作るか」をはっきりさせる、ということだ。

非機能要件は、「設備の有無」ではなく「住み心地」にあたる。つまり、機能そのものではないが、満足度を大きく左右する条件だ。

1:10:100は、設計図の間違いは早く直すほど安いのと同じ。つまり、建てたあとに直すと大工事になるから、最初に固めよう、ということ。


試験のツボ

🔴 一番出る:3種類の要件

①業務要件(仕事の進め方)・機能要件(システムができること)

②非機能要件(速さ・止まりにくさ・安全性など、機能以外)

🔴 次に出る:非機能要件を忘れない

①機能だけでなく、性能・可用性・安全性なども決める

②満足度を大きく左右する大事な条件

🟡 押さえると安定:1:10:100の法則

①直すコストは後の工程ほど大きくなる(要件1・設計10・運用100)

②最初にしっかり決めるほど、やり直しを減らせる


よくある間違い

「要件定義で決めるのは、機能要件だけでよい」→ ✗  業務要件・機能要件・非機能要件の3種類を決める。非機能要件も忘れない。

「要件は後の工程でも、低いコストで自由に直せる」→ ✗  後の工程ほど直すコストは大きくなる(1:10:100)。最初に固めるのが大事。

「非機能要件とは、システムができること(機能)のことだ」→ ✗  非機能要件は、速さ・止まりにくさ・安全性など、機能以外の条件のこと。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(要件定義とは)

📝 オリジナル問題 1 要件定義の位置づけ

要件定義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 完成したシステムの不具合を、運用しながら直していく日々の作業のことである
  2. 社員の出退勤の時刻を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
  3. 開発の最初に、どんなシステムを作るかをはっきり決める工程のことである
  4. 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指している
プロネコ
プロネコ 解答・解説

解答は 3 だよ。

要件定義は、開発の最初に、どんなシステムを作るかをはっきり決める工程だよ。ここがあいまいだと、あとで大きなやり直しになるんだ。

選択肢1は運用中の修正、選択肢2は勤怠と給与、選択肢4は請求書の事務で、どれも違うよ。

選択肢判定理由
1運用中の不具合修正の話
2勤怠・給与のしくみの話
3最初に何を作るか決める工程で正しい
4請求書の事務の話

オリジナル問題2(3種類の要件)

📝 オリジナル問題 2 要件の3種類

要件定義で決める要件の種類として、最も適切なものはどれか。

  1. 業務要件・機能要件・非機能要件の3種類をまとめて決めるのが基本である
  2. 機能要件だけを決めればよく、ほかの要件は決めなくてもよいとされている
  3. 社員の給与の金額だけを決めればよく、機能は決めなくてよいとされる
  4. 要件には種類の区別がなく、すべて同じ1つの要件として扱うものである
プロネコ
プロネコ 解答・解説

解答は 1 だよ。

要件定義では、業務要件・機能要件・非機能要件の3種類をまとめて決めるよ。とくに非機能要件を忘れないことが大事だね。

選択肢2の「機能だけ」、選択肢3の「給与だけ」、選択肢4の「区別がない」は、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1業務・機能・非機能の3種類で正しい
2機能要件だけではない
3給与の金額を決める工程ではない
43種類に分かれている

オリジナル問題3(非機能要件)

📝 オリジナル問題 3 非機能要件

非機能要件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 非機能要件とは、システムができること(機能)そのものを指す言葉である
  2. 非機能要件とは、速さや止まりにくさ、安全性など機能以外の条件である
  3. 非機能要件とは、社員の給与を計算する方法を決めることを指している
  4. 非機能要件とは、取引先へ請求書を郵送する事務作業のことを指している
プロネコ
プロネコ 解答・解説

解答は 2 だよ。

非機能要件は、速さや止まりにくさ、安全性など、機能以外の条件だよ。機能そのものではないけれど、満足度を大きく左右するんだ。

選択肢1は「機能そのもの」が誤り、選択肢3の給与、選択肢4の請求書の事務は、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1機能そのものは機能要件
2速さ・止まりにくさ・安全性などで正しい
3給与計算の話ではない
4請求書の事務ではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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