ステークホルダー管理とは(全体像)
ステークホルダーとは、プロジェクトに関わる利害関係者——つまり、プロジェクトの結果に影響を与える人や、影響を受ける人のこと。
ここで一番の勘違いポイント。ステークホルダー=顧客(お客さん)だけ、ではない。たとえば、お金を出すスポンサー、実際に使う利用者、作る開発チーム、外部の業者なども、みんなステークホルダーだ。範囲が広い、という点が問われる。
ステークホルダー管理は、これらの関係者を洗い出し(特定し)、それぞれの期待や、プロジェクトへの影響を見ながら、うまくつきあっていく活動のことだ。
詳しく:影響度と関心度で対応を変える
ここが心臓部。ステークホルダーは、全員に同じ対応をするわけではない。「影響度」と「関心度」の2つで見て、対応を変える。
- 影響度 … その人が、プロジェクトにどれだけ大きな影響を与えられるか。
- 関心度 … その人が、プロジェクトにどれだけ関心をもっているか。
この2つの高い・低いで、対応のしかたを変える。
影響度と関心度による対応の例
| その人のタイプ | 対応の例 |
|---|---|
| 影響度・関心度ともに高い | とくに密接に関わり、重点的に対応する |
| 影響度が高く・関心度は低い | 満足を保てるよう、要点を伝える |
| 影響度・関心度ともに低い | 最小限のようすを見る(モニタリング) |
ポイントは、影響度・関心度がともに高い人ほど、密接に・重点的に対応すること。逆に、どちらも低い人は、最小限のようすを見ればよい。全員に同じ手間をかけるのではなく、メリハリをつけるのが大事、という点が問われる。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
ステークホルダーは、「そのプロジェクトに関係するみんな」のイメージ。お客さんだけでなく、お金を出す人、使う人、作る人……と幅広い。要するに、関わる人すべてが対象だ。
影響度と関心度で対応を変えるのは、「キーパーソンには手厚く、そうでない人には軽めに」という考え方。つまり、相手によって関わり方を変える、ということだ。
「全員に同じ対応」というのは思い込み。影響度・関心度で区別して、メリハリをつける、と覚えておこう。
試験のツボ
🔴 一番出る:ステークホルダーの範囲
①プロジェクトに関わる利害関係者(影響を与える人・受ける人)
②顧客だけでなく、スポンサー・利用者・チーム・業者なども含む
🔴 次に出る:対応の決め方
①影響度と関心度の2つで見る
②両方が高い人ほど、密接に・重点的に対応する
🟡 押さえると安定:メリハリ
①全員に同じ対応をするのではない
②影響度・関心度の低い人は、最小限のようすを見る
よくある間違い
①「ステークホルダーとは、顧客(お客さん)だけのことだ」→ ✗ スポンサー・利用者・開発チーム・業者なども含む、広い利害関係者。
②「ステークホルダーには、全員にまったく同じ対応をする」→ ✗ 影響度と関心度で対応を変える。両方が高い人ほど重点的に対応する。
③「対応の優先順位は、関心度だけで決める」→ ✗ 影響度と関心度の2つで見て、対応を決める。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(ステークホルダー管理の正体)
ステークホルダー管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤の時刻を毎日記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指している
- プロジェクトに関わる利害関係者を洗い出し、期待や影響を管理する活動である
- 完成したシステムの不具合を、運用しながら直していく日々の作業である
解答は 3 だよ。
ステークホルダー管理は、プロジェクトに関わる利害関係者を洗い出し、期待や影響を管理する活動だよ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢4は運用中の修正で、どれも違うよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✓ | 利害関係者を洗い出し管理するで正しい |
| 4 | ✗ | 運用中の不具合修正の話 |
オリジナル問題2(ステークホルダーの範囲)
ステークホルダーの範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 顧客だけでなく、スポンサーや利用者、開発チームなども含む関係者である
- 顧客(お客さん)だけを指し、それ以外の人はいっさい含まないとされている
- 社員の給与を計算する経理担当だけを指す言葉だとされているものである
- 取引先へ請求書を郵送する事務の担当だけを指す言葉のことである
解答は 1 だよ。
ステークホルダーは、顧客だけでなく、スポンサーや利用者、開発チームなども含む利害関係者だよ。範囲が広いんだ。
選択肢2の「顧客だけ」、選択肢3の経理担当、選択肢4の事務担当は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 顧客以外も含む広い利害関係者で正しい |
| 2 | ✗ | 顧客だけではない |
| 3 | ✗ | 経理担当だけではない |
| 4 | ✗ | 事務担当だけではない |
オリジナル問題3(対応の決め方)
ステークホルダーへの対応の決め方として、最も適切なものはどれか。
- 全員にまったく同じ手間をかけて、同じ対応をするのが正しいとされている
- くじ引きで対応の重さを決めるのがよく、影響度などは見ないものとされる
- 関心度はいっさい見ず、影響度だけで対応を決めるのが基本だとされている
- 影響度と関心度という2つの軸で見て、両方が高い人ほど重点的に対応する
解答は 4 だよ。
ステークホルダーへの対応は、影響度と関心度の2つで見て、両方が高い人ほど重点的に対応するよ。全員に同じ、ではないんだ。
選択肢1の「全員同じ」、選択肢2の「くじ引き」、選択肢3の「影響度だけ」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 全員同じ対応ではない |
| 2 | ✗ | くじ引きで決めるものではない |
| 3 | ✗ | 関心度も合わせて見る |
| 4 | ✓ | 影響度と関心度で重点を決めるで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 ステークホルダー = プロジェクトに関わる利害関係者。顧客だけでなく、スポンサー・利用者・チーム・業者なども含む。
- 🔴 対応の決め方 = 影響度と関心度の2つで見て、両方が高い人ほど密接に・重点的に対応する。
- 🟡 メリハリ = 全員同じ対応ではない。影響度・関心度の低い人は最小限のようすを見る。
次に学ぶ
- PMBOK ── プロジェクトマネジメントの知識体系。ステークホルダー管理もその大事な一部。
執筆: SikakuQuest編集部