共通フレーム(SLCP)とは?目的と「推奨」という性格

公開: 更新: カテゴリ: ストラテジ系

30秒で結論

共通フレーム(SLCP)とは(全体像)

システム開発では、頼む側(発注者)作る側(受注者)がいる。ところが、同じ「要件定義」という言葉でも、両者で思い浮かべる中身がずれていると、「言った・言わない」のトラブルになりやすい。

そこで、共通フレーム(SLCP)は、開発の流れや作業を、共通の言葉でそろえて示す決まりとして用意された。これを土台にすれば、発注者と受注者が同じ言葉・同じ区切りで話せるようになる。

「SLCP」は「Software Life Cycle Process」の略で、ソフトウェアの一生(企画 → 要件定義 → 開発 → 運用 → 保守)全体を意味する。作ったのは、IPA(情報処理推進機構)という国の機関だ。


詳しく:目的と「推奨」という性格

ここが心臓部。共通フレームの中身を、目的と性格の面から押さえよう。

共通フレーム(SLCP)の要点

観点中身
目的発注者と受注者が、同じ言葉・同じ理解で開発を進められるようにする
対象企画・要件定義・開発・運用・保守という、開発の流れ全体
作った主体IPA(情報処理推進機構)という国の機関
性格強制ではなく「推奨の標準」(契約で取り入れるかを決める)

とくに大事なのが、「推奨の標準」であること。共通フレームは、必ず従わなければならない強制のルールではない。使うかどうかは、発注者と受注者の契約で決める。共通の物差しとして「使うと便利だから推奨されている」もの、と押さえておきたい。

もうひとつ。共通フレームは、役割と責任をはっきりさせるのにも役立つ。「どの作業を、どちらが担当するか」を共通の言葉で確認できるので、あいまいさが減る。

わかりやすく言い換えると

身近なたとえで整理しよう。

共通フレームは、家を建てるときの「施主と工務店が使う共通の用語集」のイメージ。「基礎」「上棟」などの言葉の意味をそろえておけば、打ち合わせで話がかみ合う。要するに、頼む側と作る側の言葉のずれをなくす道具だ。

「推奨の標準」というのは、おすすめのテンプレートだが、使うかは自由ということ。つまり、法律のように必ず守るものではなく、契約で「これに沿って進めよう」と決めて使うものだ。

IPAが作った、というのは、国の機関がまとめた信頼できる共通ルールという意味。みんなが共通の土台にできるよう用意されている、と考えると分かりやすい。


試験のツボ

🔴 一番出る:共通フレームの目的

①頼む側(発注者)と作る側(受注者)の共通の言葉

②同じ言葉・同じ理解で開発を進められるようにする

🔴 次に出る:作った主体と対象

①作ったのはIPA(情報処理推進機構)という国の機関

②企画から運用・保守まで、開発の流れ全体が対象

🟡 押さえると安定:推奨の標準

①必ず従う強制ルールではない

②契約で取り入れるかを決める「推奨の標準」


よくある間違い

「共通フレームは、必ず従わなければならない強制のルールだ」→ ✗  共通フレームは推奨の標準。使うかどうかは、契約で決める。

「共通フレームは、作る側(受注者)だけが使う社内ルールだ」→ ✗  頼む側(発注者)と作る側(受注者)が、共通の言葉として使うもの。

「共通フレームを作ったのは、特定の1つの民間企業だ」→ ✗  作ったのは、IPA(情報処理推進機構)という国の機関。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(共通フレームとは)

📝 オリジナル問題 1 共通フレームの目的

共通フレーム(SLCP)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 頼む側と作る側が、同じ言葉・同じ理解で開発を進めるための共通の決まりである
  2. 完成したシステムの不具合を、運用を続けながら直していく日々の作業のことである
  3. 社員の出退勤の時刻を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
  4. 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことだけを指している
ストフクロ
ストフクロ 解答・解説

解答は 1 だよ。

共通フレームは、頼む側(発注者)と作る側(受注者)が、同じ言葉・同じ理解で開発を進めるための共通の決まりだよ。言葉のずれをなくす道具なんだ。

選択肢2は運用中の修正、選択肢3は勤怠と給与、選択肢4は請求書の事務で、どれも違うよ。

選択肢判定理由
1発注者と受注者の共通の決まりで正しい
2運用中の不具合修正の話
3勤怠・給与のしくみの話
4請求書の事務の話

オリジナル問題2(作った主体)

📝 オリジナル問題 2 共通フレームを作った主体

共通フレーム(SLCP)を作った主体として、最も適切なものはどれか。

  1. システム開発を行う、特定の1つの民間企業が、あくまで社内向けに作ったものである
  2. 開発を頼む発注者が、自分の会社だけのために独自に作ったものである
  3. IPA(情報処理推進機構)という国の機関が、共通の標準として作ったものである
  4. 海外の旅行会社が、観光客向けの案内のために作ったものを指している
ストフクロ
ストフクロ 解答・解説

解答は 3 だよ。

共通フレームを作ったのは、IPA(情報処理推進機構)という国の機関だよ。みんなが土台にできる共通の標準として用意されたんだ。

選択肢1や2の「特定の会社だけ」、選択肢4の「旅行会社」は、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1特定の1社が作ったものではない
2発注者が独自に作ったものではない
3IPA(国の機関)が作った標準で正しい
4旅行会社が作ったものではない

オリジナル問題3(推奨の標準)

📝 オリジナル問題 3 共通フレームの性格

共通フレーム(SLCP)の性格に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 必ず従わなければならず、従わないと罰せられる強制のルールである
  2. 強制ではなく推奨の標準で、契約で取り入れるかを決めるものである
  3. 一度使い始めたら、二度と内容を見直してはいけない決まりである
  4. 開発とは関係がなく、社員旅行の日程を決めるためのものである
ストフクロ
ストフクロ 解答・解説

解答は 2 だよ。

共通フレームは、強制ではなく推奨の標準で、契約で取り入れるかを決めるものだよ。法律のように必ず守るものではないんだ。

選択肢1の「強制で罰せられる」、選択肢3の「見直し禁止」、選択肢4の「社員旅行」は、いずれも誤りだよ。

選択肢判定理由
1強制のルールではない
2推奨の標準で契約で決めるで正しい
3見直してはいけない決まりではない
4社員旅行とは関係がない

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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