リーダーシップ理論とは(全体像)
リーダーシップ理論とは、「人を引っぱる立場の人は、どう振る舞うとうまくいくか」を整理した考え方のこと。いくつもの型があるが、ITパスポートで問われるのは限られた数だけだ。
大きな流れとして、「よいリーダーは決まったひとつのやり方を貫く」という古い見方から、「相手や状況に合わせてやり方を変える」という見方に進んできた。この「状況に合わせる」という発想が、いまの主流だと押さえておこう。
詳しく:試験に出る型をこの表で押さえる
ここが心臓部。次の表で、よく出る型をまとめて整理しよう。
主なリーダーシップ理論
| 理論 | ひとことで言うと | ポイント |
|---|---|---|
| SL理論 | 部下の慣れぐあいで接し方を変える | 指示型・説得型・参加型・委任型を使い分ける |
| PM理論 | 成果(P)とまとまり(M)の両方を見る | P(仕事の成果)とM(チームの維持)が両方そろうのが最良 |
| 変革型 | ビジョンを示して組織を変える | 大きな方向転換を引っぱる |
| サーバント型 | 支えることで導く | リーダーが部下を支援する「奉仕型」 |
特に大事な2つを掘り下げよう。
ひとつめ。SL理論は、部下の「慣れ・成熟ぐあい」に合わせて接し方を変える考え方。新人には細かく指示し(指示型)、慣れてきたら相談しながら進め(参加型)、ベテランには任せる(委任型)——というように、相手によって接し方を変えるのがポイントだ。
ふたつめ。PM理論は日本で生まれた考え方で、リーダーの働きをP(Performance=仕事の成果を上げる力)とM(Maintenance=チームのまとまりを保つ力)の2つで見る。成果だけでも、仲良しなだけでもダメで、PとMの両方がそろった型(PM型)がいちばん良いとされる。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
SL理論は、部活の先輩が後輩に教えるときの接し方に近い。入ったばかりの1年生には手取り足取り、慣れた3年生には任せる。つまり、相手の慣れ具合で教え方を変えるということ。
PM理論は、よいキャプテンのイメージ。試合に勝つための指示(P)も出しつつ、チームの雰囲気(M)も良くする。要するに、勝つ力とまとめる力の両方を持つキャプテンが理想、ということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:SL理論
①部下の慣れぐあい(成熟度)に合わせて接し方を変える
②指示型・説得型・参加型・委任型を使い分ける
🔴 次に出る:PM理論
①P(仕事の成果)とM(チームのまとまり)の2つで見る
②PとMの両方がそろった型(PM型)が最良
🟡 押さえると安定:変革型とサーバント型
①変革型 = ビジョンを示して組織を大きく変える
②サーバント型 = 部下を支えることで導く奉仕型
よくある間違い
①「よいリーダーは常に同じやり方を貫く」→ ✗ SL理論では、相手の慣れぐあいや状況に合わせてやり方を変えるのがよいとされる。
②「PM理論はP(成果)だけ高ければよい」→ ✗ PとMの両方が必要。成果だけでまとまりがないのは最良ではない。
③「サーバント型は部下に命令して従わせる型」→ ✗ サーバント型は支援する奉仕型。命令で従わせるのとは逆の発想。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(SL理論)
SL理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- リーダーは相手や状況にかかわらず、つねに同じひとつのやり方を貫くのがよいとする考え方
- リーダーは部下の慣れぐあい(成熟度)に応じて、指示型や委任型など接し方を変えるとする考え方
- リーダーは仕事の成果とチームのまとまりの両方を同時に高めることが大切だとする日本発の考え方
- リーダーはビジョンを示して組織を大きく変えることだけに専念すればよいとする変革中心の考え方
解答は 2 だよ。
SL理論は、部下の慣れぐあい(成熟度)に合わせて、指示型・説得型・参加型・委任型と接し方を変える考え方だよ。新人には細かく、ベテランには任せる、というイメージだね。
選択肢1は「常に同じやり方」が誤り、選択肢3はPM理論、選択肢4は変革型の説明だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | SL理論は状況で変えるのが基本 |
| 2 | ✓ | 成熟度に応じて接し方を変えるで正しい |
| 3 | ✗ | これはPM理論の説明 |
| 4 | ✗ | これは変革型リーダーシップの説明 |
オリジナル問題2(PM理論)
PM理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- リーダーの力を成果を上げるP機能とまとまりを保つM機能で見て、両方そろうのが最良とする考え方
- リーダーは成果を上げるP機能だけを高めればよく、チームのまとまりは考えなくてよいとする考え方
- リーダーは部下の慣れぐあいに応じて、接し方をこまやかに変えていくのがよいとされる状況対応の考え方
- リーダーは部下を支えて奉仕することだけに徹し、成果は二の次でよいとされる支援を中心にした考え方
解答は 1 だよ。
PM理論は、リーダーの力をP(成果を上げる力)とM(まとまりを保つ力)の2つで見て、両方そろった型(PM型)が最良とする考え方だよ。日本で生まれた理論だね。
選択肢2は「Pだけ」が誤り、選択肢3はSL理論、選択肢4はサーバント型に近い説明だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | PとMの両方そろうのが最良で正しい |
| 2 | ✗ | Mも必要で、Pだけでは最良ではない |
| 3 | ✗ | これはSL理論の説明 |
| 4 | ✗ | これはサーバント型に近い説明 |
オリジナル問題3(変革型とサーバント型)
変革型リーダーシップとサーバント型リーダーシップに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 変革型は部下を支える奉仕の型で、サーバント型はビジョンで組織を変える型だと入れ替えて説明している
- 変革型もサーバント型も、部下の慣れぐあいで接し方を変える点でまったく同じものだと説明
- 変革型はビジョンを示して組織を変える型、サーバント型は部下を支えて導く奉仕の型だと説明
- 変革型もサーバント型も、成果だけを最優先しまとまりは無視してよいとする点で共通すると説明
解答は 3 だよ。
変革型はビジョンを示して組織を大きく変える型、サーバント型は部下を支えて導く奉仕の型だよ。方向性が違うので、セットで区別して覚えてね。
選択肢1は2つの説明が入れ替わっていて誤り、選択肢2は「同じ」が誤り、選択肢4は「まとまり無視」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 変革型とサーバント型の説明が逆 |
| 2 | ✗ | 同じではなく方向性が違う |
| 3 | ✓ | 変革型=変える、サーバント型=支えるで正しい |
| 4 | ✗ | まとまりを無視してよいわけではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 SL理論 = 部下の慣れぐあい(成熟度)で接し方を変える(指示・説得・参加・委任)。
- 🔴 PM理論 = 成果(P)とまとまり(M)の両方を見て、両方そろうのが最良。
- 🟡 変革型 = ビジョンで組織を変える/サーバント型 = 支えることで導く奉仕型。
次に学ぶ
- 企業組織(職能別・事業部制) ── リーダーが率いる「組織のかたち」。リーダーシップと合わせて押さえると、組織の動かし方が見えてくる。
執筆: SikakuQuest編集部