PPMとは(全体像)
PPMは、会社がいくつもの事業を持っているとき、どれにお金(資源)を回すかを考えるための手法。一つひとつの事業を、2つのものさしで測って、4つのグループに分ける。
- 縦のものさし …… その市場が伸びているか(市場の成長率)
- 横のものさし …… その市場で自分たちのシェアが大きいか(市場でのシェア)
この2軸の組み合わせで、事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬の4つに分ける。それぞれの意味と、お金の回し方を押さえるのが中心だ。
詳しく:4つの分類を表で押さえる
ここが心臓部。4象限を表で整理しよう。
PPMの4分類
| 分類 | 成長率 | シェア | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 花形 | 高い | 高い | 伸び盛り。投資を続けて育てる |
| 金のなる木 | 低い | 高い | よく稼ぐ収益源。ここで得たお金を他へ回す |
| 問題児 | 高い | 低い | 伸びる市場だがシェア低。投資するか見きわめ |
| 負け犬 | 低い | 低い | 撤退も検討。ただし即やめとは限らない |
特に大事な2つを掘り下げよう。
ひとつめ。お金の流れ。よく稼ぐ金のなる木で得たお金を、伸びそうな問題児や花形に回して育てる、というのがPPMの基本的な考え方だ。「成長率は低いがシェアが高い」金のなる木が、資金の供給源になる。
ふたつめ。負け犬=即撤退とは限らない。負け犬(成長率・シェアともに低い)は撤退の検討対象だが、条件によっては続けることもある。「負け犬は必ずすぐやめる」という画一的な思い込みは誤りだ。なお、軸は成長率と「シェア」で、売上高そのものではない点も注意。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
4分類は、「果樹園の木」でイメージできる。よく実る大木(金のなる木)で稼ぎ、これから伸びる若木(花形・問題児)に肥料(お金)を回す。あまり実らない木(負け犬)は植え替えを考える。つまり、稼ぐ木のお金を、伸びる木に回すということ。
2つの軸は、「市場が伸びているか」と「自分の取り分が大きいか」。要するに、市場の勢いと、自分のシェアの2つで事業を見るということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:2つの軸
①縦は市場の成長率、横は市場でのシェア
②売上高そのものではなく「シェア」で見る
🔴 次に出る:4つの分類
①花形(成長率・シェアともに高い)・金のなる木(成長率低・シェア高)
②問題児(成長率高・シェア低)・負け犬(ともに低い)
🟡 押さえると安定:お金の流れと撤退
①金のなる木で稼ぎ、花形や問題児に回して育てる
②負け犬は撤退の検討対象だが、即撤退とは限らない
よくある間違い
①「PPMの軸は、市場の成長率と売上高だ」→ ✗ 横軸は売上高ではなく、市場でのシェア(占有率)。
②「負け犬は必ずすぐに撤退する」→ ✗ 撤退の検討対象だが、条件によっては続けることもある。
③「金のなる木は、成長率が高い伸び盛りの事業だ」→ ✗ 金のなる木は成長率が低くシェアが高い、安定した収益源。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(2つの軸)
PPMで事業を分ける2つの軸の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 市場の成長率と、市場でのシェア(占有率)という2つの軸で分けると説明している
- 商品の値段と、社員の人数という2つの軸で事業を分けていくのだと説明しているもの
- 強みと弱みという2つの軸で、事業を4つの象限に分けていくと説明しているもの
- 市場の成長率と、売上高そのものという2つの軸で分けていくと説明しているもの
解答は 1 だよ。
PPMは、市場の成長率と、市場でのシェア(占有率)の2つの軸で事業を分けるよ。横軸は売上高そのものではなく「シェア」なのがポイントだね。
選択肢2は値段と人数で誤り、選択肢3はSWOTの軸、選択肢4は「売上高」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 成長率とシェアの2軸で正しい |
| 2 | ✗ | 値段や人数の軸ではない |
| 3 | ✗ | 強み・弱みはSWOTの軸 |
| 4 | ✗ | 横軸は売上高ではなくシェア |
オリジナル問題2(負け犬の扱い)
PPMの「負け犬」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 負け犬は成長率もシェアもともに高く、もっとも投資すべき事業のことだと説明しているもの
- 負け犬は成長率もシェアも低く、撤退の検討対象だが即撤退とは限らないと説明している
- 負け犬は成長率が高くシェアが低い、投資の判断に迷う事業のことだと説明しているもの
- 負け犬はもっとも稼ぐ収益源で、ほかの事業に資金を回す元になると説明しているもの
解答は 2 だよ。
負け犬は、成長率・シェアともに低い事業で、撤退の検討対象だよ。ただし条件によっては続けることもあり、「必ずすぐやめる」わけではないんだ。
選択肢1は花形、選択肢3は問題児、選択肢4は金のなる木の説明だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 成長率・シェアともに高いのは花形 |
| 2 | ✓ | ともに低く撤退検討・即撤退とは限らないで正しい |
| 3 | ✗ | 成長率高・シェア低は問題児 |
| 4 | ✗ | 収益源は金のなる木 |
オリジナル問題3(金のなる木)
PPMの「金のなる木」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 金のなる木は成長率もシェアも低く、撤退を検討する事業だと説明しているもの
- 金のなる木は成長率が高くシェアが低い、投資の判断に迷う事業だと説明しているもの
- 金のなる木は成長率は低いがシェアが高く、安定して稼ぐ収益源だと説明しているもの
- 金のなる木は成長率もシェアも高く、投資を続けて育てる事業だと説明しているもの
解答は 3 だよ。
金のなる木は、成長率は低いがシェアが高い事業で、安定して稼ぐ収益源だよ。ここで得たお金を、花形や問題児に回して育てるんだ。
選択肢1は負け犬、選択肢2は問題児、選択肢4は花形の説明だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | ともに低いのは負け犬 |
| 2 | ✗ | 成長率高・シェア低は問題児 |
| 3 | ✓ | 成長率低・シェア高の収益源で正しい |
| 4 | ✗ | ともに高いのは花形 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 2つの軸 = 縦は市場の成長率、横は市場でのシェア(売上高ではない)。
- 🔴 4つの分類 = 花形(高・高)・金のなる木(低・高)・問題児(高・低)・負け犬(低・低)。
- 🟡 お金の流れと撤退 = 金のなる木で稼ぎ花形や問題児に回す。負け犬は即撤退とは限らない。
次に学ぶ
- M&A・アライアンス ── 事業を広げる手段。PPMで整理したうえで、外部と組む選択肢として押さえよう。
執筆: SikakuQuest編集部