マルチコア・HTとは(全体像)
まず、マルチコアから。これは、1つのCPUチップの中に、計算をする「コア(頭脳)」を複数のせる設計のことだ。コアが多いほど、同時にこなせる作業が増える。
- デュアルコア … 2個
- クアッドコア … 4個
- オクタコア … 8個(最近は10個以上も一般的)
会社でいえば、作業者(頭脳)の人数を増やすイメージだ。人数が多いほど、複数の仕事を同時に進められる。
次に、ハイパースレッディング(HT)。これは、1つの物理コアを、論理的に2つのコアのように見せるしくみ(Intelの技術)だ。たとえば、物理的に4コアのCPUが、論理的には8スレッド(8コア分)として働ける。
ここで一番のポイント。HTで見える数は「論理コア」であって、物理コアそのものが増えるわけではない。「HTで物理コアが倍に増える」と思い込むと誤りになる。あくまで、1つのコアを効率よく使う工夫だ。
詳しく:ソフトの対応と、論理コア
ここが心臓部。ポイントを表で押さえよう。
マルチコア・HTのポイント
| 項目 | やさしい意味 |
|---|---|
| マルチコア | 1つのCPUに、コア(頭脳)を複数のせる |
| ハイパースレッディング | 1つの物理コアを、論理的に2コアに見せる |
| 物理コアと論理コア | HTで増えるのは論理コア(物理は増えない) |
| 前提 | ソフトが対応しないと、自動では速くならない |
マルチコアやHTで性能を上げるには、大事な前提がある。それは、ソフト(プログラム)が、複数のコアに仕事を分けられる作り(マルチスレッド対応)になっていることだ。
ここで一番のポイント。コアを増やしても、ソフトが対応していなければ、自動的に速くなるわけではない。「コアを増やせば、何でも自動で速くなる」と思い込むと誤りだ。仕事を分担できる段取り(ソフトの対応)がないと、増やしたコアは遊んでしまう。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
マルチコアは、「1つのCPUに、作業者(頭脳)を複数いれること」のイメージ。人数が増えれば、同時にこなせる仕事が増える。
ハイパースレッディングは、「1人の作業者が、2人分のように立ち回れるよう見せる工夫」。要するに、論理的に2コアに見えるが、物理的な人数(コア)が増えるわけではない。
「ソフトの対応が前提」というのは、仕事を分担できる段取りがないと、人を増やしても遊んでしまうこと。つまり、コアを増やせば自動で速くなる、わけではない。
試験のツボ
🔴 一番出る:マルチコアとHT
①マルチコア=1つのCPUにコア(頭脳)を複数のせる
②ハイパースレッディング=1物理コアを論理的に2コアに見せる
🔴 次に出る:物理コアと論理コア
①HTで増えるのは「論理コア」
②物理コアそのものが増えるわけではない
🟡 押さえると安定:ソフトの対応が前提
①コアを増やしても、ソフトが対応しないと自動では速くならない
②ソフトのマルチスレッド対応が必要
よくある間違い
①「コアを増やせば、どんなソフトでも自動的に速くなる」→ ✗ ソフトがマルチスレッドに対応していないと、自動では速くならない。
②「ハイパースレッディングで、物理コアそのものが倍に増える」→ ✗ 増えるのは論理コア。物理コアの数が増えるわけではない。
③「マルチコアとは、CPUの動く速さ(クロック)を上げることだ」→ ✗ マルチコアは、コア(頭脳)の数を増やすこと。クロックを上げることとは別。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(マルチコアの正体)
マルチコアに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみだ
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 1つのCPUの中に、処理をするコア(頭脳)を複数のせる設計だ
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 3 だよ!
マルチコアは、1つのCPUの中に、処理をするコア(頭脳)を複数のせる設計なんだよ!作業者の人数を増やすイメージだね!
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✓ | 1CPUにコアを複数のせる設計で正しい |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(ハイパースレッディング)
ハイパースレッディング(HT)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1つの物理コアを、論理的に2つのコアのように見せるしくみだ
- 社員の給与を計算するときだけ、使われるしくみだとされている
- 取引先へ請求書を郵送するときだけ、使われるしくみだとされる
- 物理コアそのものを、2倍の数に増やすしくみだとされているのだ
解答は 1 だよ!
ハイパースレッディングは、1つの物理コアを、論理的に2つのコアのように見せるしくみなんだよ!物理コアが増えるわけじゃなくて、論理コアとして見えるんだね!
選択肢2の給与、選択肢3の請求書、選択肢4の「物理コアを倍に増やす」は、いずれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 1物理コアを論理2コアに見せるで正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 3 | ✗ | 請求書のときだけではない |
| 4 | ✗ | 物理コアが増えるわけではない |
オリジナル問題3(性能向上の前提)
マルチコアで性能を上げる前提に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、速くなるとされているものである
- 取引先への請求書の枚数しだいで、速くなるとされているものだ
- コアを増やせば、どんなソフトでも必ず自動で速くなるのである
- ソフトがマルチスレッドに対応してないと、自動では速くならない
解答は 4 だよ!
マルチコアは、ソフトがマルチスレッドに対応していないと、自動では速くならないんだよ!仕事を分担する段取りがないと、増やしたコアが遊んじゃうんだね!
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢3の「どんなソフトでも自動で速くなる」は、いずれも違うよ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 2 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 3 | ✗ | 自動で速くなるわけではない |
| 4 | ✓ | ソフトの対応が前提で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 マルチコア = 1つのCPUに、コア(頭脳)を複数のせる設計。コアが多いほど、同時にこなせる作業が増える。
- 🔴 ハイパースレッディング(HT) = 1つの物理コアを、論理的に2コアに見せるしくみ。増えるのは論理コアで、物理コアは増えない。
- 🟡 ソフトの対応が前提 = コアを増やしても、ソフトがマルチスレッドに対応しないと、自動では速くならない。
次に学ぶ
- CPU(中央処理装置) ── コンピュータの頭脳。マルチコアは、そのCPUにコアを複数のせる設計。
- クロック周波数とCPU性能 ── CPUの速さの指標。クロックの頭打ちを受けて、マルチコア化が進んだ。
執筆: SikakuQuest編集部