共通鍵暗号とは(全体像)
共通鍵暗号とは、データを暗号化するとき(隠すとき)と、復号するとき(元に戻すとき)に、まったく同じ鍵を使う暗号方式のことだ。送る人も受け取る人も、同じ1本の鍵を共有して使う。
代表的なのがAES(Advanced Encryption Standard)で、いまの標準として広く使われている。なお、昔よく使われたDESは、すでに解読できるようになっており、いまは使われない。
ここで一番のポイント。共通鍵暗号は、暗号化と復号で同じ鍵を使う。「暗号化と復号で、別々の鍵を使うのが共通鍵暗号だ」と思い込むと誤りで、別々の鍵を使うのは、次に学ぶ公開鍵暗号のほうだ。
詳しく:高速だが、鍵配送問題がある
ここが心臓部。ポイントを表で押さえよう。
共通鍵暗号のポイント
| 項目 | やさしい意味 |
|---|---|
| 共通鍵暗号 | 暗号化と復号に、同じ鍵を使う方式 |
| 代表(AES) | いまの標準。処理が速い |
| 長所 | 高速で、大量のデータ向き |
| 弱点(鍵配送問題) | 鍵を相手に安全に渡しにくい |
共通鍵暗号の長所は、処理が速く、大量のデータをあつかうのに向いていることだ。だから、通信やディスクの暗号化など、幅広く使われる。
ここで一番のポイント。共通鍵暗号の弱点は、鍵配送問題だ。これは、暗号化に使う大事な鍵そのものを、相手にどう安全に渡すか、という課題。鍵を盗み見られたら、暗号は破られてしまう。「鍵をそのまま送ればよい」と思い込むと誤りで、この問題は、次に学ぶ公開鍵暗号と組み合わせて解決する。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
共通鍵暗号は、「1本の同じ鍵で、金庫を閉めたり開けたりする」イメージ。閉める人も開ける人も、同じ鍵を使う。
長所は、「鍵の仕組みが単純なので、処理が速い」こと。つまり、大量のデータを手早く暗号化できる。
鍵配送問題は、「その大事な1本の鍵を、相手にどうやって安全に渡すか、という悩み」こと。要するに、鍵自体を盗まれたら終わり。
試験のツボ
🔴 一番出る:共通鍵暗号の正体
①暗号化と復号に、同じ鍵を使う方式
②送る人も受け取る人も、同じ鍵を共有する
🔴 次に出る:AESと長所
①代表はAES(いまの標準)。DESは解読済みで使われない
②処理が速く、大量のデータ向き
🟡 押さえると安定:鍵配送問題
①鍵を相手に安全に渡しにくいのが弱点
②公開鍵暗号と組み合わせて解決する
よくある間違い
①「暗号化と復号で、別々の鍵を使うのが共通鍵暗号だ」→ ✗ 共通鍵暗号は同じ鍵を使う。別々の鍵を使うのは公開鍵暗号。
②「鍵は、そのまま相手に送ればよい」→ ✗ 鍵を盗み見られると破られる(鍵配送問題)。安全な受け渡しが課題。
③「DESは、いまも標準として使われている」→ ✗ DESは解読済みで使われず、いまの標準はAES。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(共通鍵暗号の正体)
共通鍵暗号に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 暗号化するときと復号するときに、同じ鍵を使う暗号方式である
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみだ
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 1 である。
共通鍵暗号は、暗号化と復号に、同じ鍵を使う方式じゃ。同じ鍵で金庫を閉め開けすると心得るがよい。
選択肢2は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告ゆえ、どれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 同じ鍵を使う方式で正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(AESと長所)
共通鍵暗号の代表や長所に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、使われるとされているものだ
- 代表はAESで、処理が速く、大量のデータに向くものである
- 取引先への請求書の枚数しだいで、決まるとされているのである
- システムの動きが、少しだけ遅くなるとされているものである
解答は 2 である。
共通鍵暗号の代表はAESで、処理が速く大量のデータ向きじゃ。DESは解読済みで使われぬと心得るがよい。
選択肢1の給与、選択肢3の請求書、選択肢4の「遅くなる」は、いずれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 2 | ✓ | AESで高速・大量向きで正しい |
| 3 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 4 | ✗ | むしろ高速である |
オリジナル問題3(鍵配送問題)
共通鍵暗号の弱点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の給与を計算するときだけ、起きるとされているものである
- 取引先への請求書の枚数しだいで、決まるとされているものだ
- 鍵を相手に安全に渡しにくい、鍵配送問題があることである
- システムの動きが、少しだけ速くなるとされているのである
解答は 3 である。
弱点は、鍵を相手に安全に渡しにくい「鍵配送問題」じゃ。公開鍵暗号と組み合わせて解くと心得るがよい。
選択肢1の給与、選択肢2の請求書、選択肢4の「速くなる」は、いずれも違うのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のときだけではない |
| 2 | ✗ | 請求書の枚数で決まるのではない |
| 3 | ✓ | 鍵配送問題が弱点で正しい |
| 4 | ✗ | 速さは長所であり弱点ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 正体 = 暗号化と復号に、同じ鍵を使う方式(対称鍵暗号)。送り手も受け手も同じ鍵を共有する。
- 🔴 代表と長所 = 代表はAES(いまの標準)。処理が速く、大量のデータ向き。DESは解読済みで使われない。
- 🟡 弱点(鍵配送問題) = 鍵を相手に安全に渡しにくい。公開鍵暗号と組み合わせて解決する。
次に学ぶ
- 公開鍵暗号(RSA・ECC) ── 別々の鍵を使う方式。共通鍵暗号の鍵配送問題を解決する。
- デジタル署名 ── 本人確認と改ざん検知のしくみ。暗号技術を応用したもの。
執筆: SikakuQuest編集部