デシジョンツリーとは(全体像)
デシジョンツリーとは、「こうしたら、こうなる」という選択肢と結果を、木の枝のように描いて整理する図のこと。たとえば「新商品を出す/出さない」、出したら「売れる/売れない」——と枝分かれを書いていき、どの選択がいちばん得かを見える形にする。
ポイントは、分かれ道に2種類あること。ひとつは自分の意思で選ぶ分かれ道、もうひとつは自分では選べず、確率(運)で決まる分かれ道。この2つを区別して図にするのが、デシジョンツリーの基本だ。
詳しく:2種類のノードと期待値を押さえる
ここが心臓部。次の表で、図の部品をまとめて整理しよう。
デシジョンツリーの部品
| 部品 | 記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 決定ノード | □(四角) | 自分で選ぶ分かれ道(出す/出さない など) |
| 確率ノード | ○(丸) | 確率で決まる分かれ道(売れる/売れない など) |
| 結果(利得) | 枝の先 | その道を進んだときに得られる金額など |
特に大事な2つを掘り下げよう。
ひとつめ。決定ノード(□)と確率ノード(○)の違い。□は「自分の判断で選べる」分かれ道、○は「自分では選べず、確率で決まる」分かれ道。たとえば「広告を出すか出さないか」は自分で選べるので□、「出した広告で売れるかどうか」は運の要素があるので○、というように分ける。
ふたつめ。期待値の考え方。確率ノード(○)の先には「売れる(確率70%で利益100)」「売れない(確率30%で利益0)」のように、確率と結果がついている。このとき期待値は「確率 × 結果を、すべての枝で足し合わせた値」になる(この例なら 0.7×100 + 0.3×0 = 70)。ただの平均ではなく、起こりやすさ(確率)で重みをつけて足すのがポイント。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
デシジョンツリーは、ゲームの分岐ルート図に近い。「右の道/左の道」と自分で選ぶ場面(□)もあれば、「サイコロの目で進路が決まる」場面(○)もある。つまり、自分で決めるところと、運で決まるところを分けて描くということ。
期待値は、くじ引きの「平均的なもうけ」のイメージ。当たりやすさ(確率)を考えに入れて、もらえる金額をならすといくらになるかを出す。要するに、起こりやすさで重みをつけた平均のこと。
試験のツボ
🔴 一番出る:2種類のノードの違い
①決定ノード(□) = 自分の意思で選ぶ分かれ道
②確率ノード(○) = 確率(運)で決まる分かれ道
🔴 次に出る:期待値の考え方
①期待値 = 確率 × 結果を、すべての枝で足し合わせた値
②ただの平均ではなく、起こりやすさで重みをつける
🟡 押さえると安定:使いみち
①経営判断や投資の採算評価に使う
②機械学習の分類(分類木)にも応用される
よくある間違い
①「決定ノードと確率ノードは同じもの」→ ✗ 決定ノード(□)は自分で選ぶ分かれ道、確率ノード(○)は確率で決まる分かれ道。役割が違う。
②「期待値は結果を単純に平均した値」→ ✗ 期待値は「確率 × 結果」を足し合わせた値。起こりやすさで重みをつけるのがポイント。
③「デシジョンツリーは経営でしか使えない」→ ✗ 投資評価や機械学習の分類(分類木)など、幅広く応用されている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(デシジョンツリーとは)
デシジョンツリーに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 行列の長さや待ち時間を見積もって、窓口の混み具合を分析するための手法のことを指すと説明している
- 選択肢とその結果を枝分かれの図にして、いちばんよい選択を考えるための分析手法だと説明している
- 限られた材料や時間のなかで、もうけや生産量を最大にする組み合わせを求める手法だと説明している
- 作業の順番と日数を図にして、プロジェクトの最短完了日を求めるための手法のことだと説明している
解答は 2 だよ。
デシジョンツリー(決定木)は、選択肢とその結果を枝分かれの図にして、いちばんよい選択を考える手法だよ。自分で選ぶ分かれ道と、運で決まる分かれ道を分けて描くのが特徴だね。
選択肢1は待ち行列理論、選択肢3は線形計画法、選択肢4はPERT・CPMの説明だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | これは待ち行列理論の説明 |
| 2 | ✓ | 選択肢と結果を樹形図にする手法で正しい |
| 3 | ✗ | これは線形計画法の説明 |
| 4 | ✗ | これはPERT・CPMの説明 |
オリジナル問題2(2種類のノード)
デシジョンツリーのノードに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 決定ノード(□)は確率で決まる分かれ道で、確率ノード(○)は自分で選ぶ分かれ道だと逆に説明
- 決定ノードも確率ノードも、どちらも自分の意思とは無関係に運だけで決まる分かれ道だと説明している
- 決定ノード(□)は自分の意思で選ぶ分かれ道、確率ノード(○)は確率で決まる分かれ道だと説明
- 決定ノードも確率ノードも、どちらも結果の金額を表すだけで分かれ道とは関係がないと説明している
解答は 3 だよ。
決定ノード(□)は自分の意思で選ぶ分かれ道、確率ノード(○)は確率(運)で決まる分かれ道だよ。四角と丸で役割が分かれているんだ。
選択肢1は□と○の説明が逆、選択肢2は「両方とも運」が誤り、選択肢4は「金額を表すだけ」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 決定ノードと確率ノードの説明が逆 |
| 2 | ✗ | 決定ノードは自分で選ぶ分かれ道 |
| 3 | ✓ | □=選ぶ、○=確率で決まるで正しい |
| 4 | ✗ | ノードは分かれ道を表す |
オリジナル問題3(期待値の考え方)
デシジョンツリーで使う期待値に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 期待値は、それぞれの結果に確率を掛けて、すべての枝で足し合わせた値のことだと説明している
- 期待値は、起こりやすさを考えずに結果の金額を単純に平均しただけの値のことだと説明している
- 期待値は、いちばん大きい結果の金額だけを取り出して、そのまま使った値のことだと説明している
- 期待値は、確率がいちばん高い枝の結果だけを選び、ほかの枝を無視した値のことだと説明している
解答は 1 だよ。
期待値は、それぞれの結果に確率を掛けて、すべての枝で足し合わせた値だよ。たとえば「0.7×100 + 0.3×0 = 70」のように、起こりやすさで重みをつけて足すんだ。
選択肢2は「単純な平均」が誤り、選択肢3は「最大だけ」が誤り、選択肢4は「ほかを無視」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 確率×結果を足し合わせるで正しい |
| 2 | ✗ | 単純平均ではなく重みをつける |
| 3 | ✗ | 最大の結果だけを使うのではない |
| 4 | ✗ | すべての枝を計算に入れる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 2種類のノード = 決定ノード(□)は自分で選ぶ/確率ノード(○)は確率で決まる。
- 🔴 期待値 = 確率 × 結果を、すべての枝で足し合わせた値(単純平均ではない)。
- 🟡 使いみち = 経営判断・投資評価・機械学習の分類(分類木)などに応用される。
次に学ぶ
- OR手法(線形計画法など) ── 数でよりよい決め方を助ける手法の集まり。デシジョンツリーもその仲間として押さえると流れがつながる。
執筆: SikakuQuest編集部