コアコンピタンスとは(全体像)
コアコンピタンスとは、「これがあるから自社は強い」と言える、中核(コア)になる能力のこと。他社がかんたんには真似できないので、長く競争を有利に進められる。
ここで大事なのは、会社の「得意なこと(強み)」がすべてコアコンピタンスになるわけではないこと。コアと呼べるには、決まった条件を満たす必要がある。その条件を押さえるのが中心だ。
詳しく:3つの条件を押さえる
ここが心臓部。コアコンピタンスと呼べる3つの条件を表で整理しよう。
コアコンピタンスの3条件
| 条件 | やさしく言うと |
|---|---|
| 顧客への価値 | お客さんにとっての価値につながっている |
| 真似されにくい | 他社がかんたんには真似できない |
| 応用できる | ひとつの事業だけでなく、ほかにも広げられる |
特に大事な2つを掘り下げよう。
ひとつめ。3つの条件を満たすものだけがコア。①お客さんへの価値につながる、②他社が真似しにくい、③ほかの事業にも応用できる——この3つがそろって、はじめてコアコンピタンスと呼べる。「得意なことなら何でもコア」ではない。
ふたつめ。強みとの違い。会社にはいろいろな強みがあるが、そのうちこの3条件を満たす中核的なものだけがコアコンピタンスだ。たとえば「真似されやすい強み」は、長くは競争優位を保てないので、コアとは言いにくい。なお、経営資源がコアになりうるかを評価するVRIO(価値・希少性・真似しにくさ・組織)という枠組みもある。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
コアコンピタンスは、「その人ならではの、誰にも真似できない得意技」に近い。ただ計算が速いだけでなく、独自で、いろんな場面で活きる技。つまり、真似できず、幅広く活きる中核の力ということ。
3条件は、「お客さんが喜ぶ・他では手に入らない・いろんな商品に使える」という3拍子。要するに、価値があり、真似されにくく、応用がきくものだけがコア、ということ。
試験のツボ
🔴 一番出る:3つの条件
①お客さんへの価値につながる・他社が真似しにくい
②ひとつの事業だけでなく、ほかにも応用できる
🔴 次に出る:強みとの違い
①会社の強みすべてがコアコンピタンスではない
②3つの条件を満たす中核的なものだけがコア
🟡 押さえると安定:VRIO
①経営資源がコアになりうるかを評価する枠組み
②価値・希少性・真似しにくさ・組織の観点で見る
よくある間違い
①「会社の得意なこと(強み)は、すべてコアコンピタンスだ」→ ✗ 3つの条件を満たす中核的なものだけがコアコンピタンス。
②「真似されやすい強みも、コアコンピタンスになる」→ ✗ 真似されにくいことが条件のひとつ。真似されやすければコアとは言いにくい。
③「コアコンピタンスは、ひとつの事業でしか使えないものだ」→ ✗ ほかの事業にも応用できることが条件のひとつ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(強みとの違い)
コアコンピタンスと会社の強みの関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 会社の強みは、どんなものでもすべてコアコンピタンスになるのだと説明しているもの
- 会社の強みとコアコンピタンスは、まったく無関係の別物なのだと説明しているもの
- 会社の強みのうち、決まった条件を満たす中核的なものがコアにあたると説明している
- コアコンピタンスとは、会社のいちばんの弱点のことを指すのだと説明しているもの
解答は 3 だよ。
会社の強みのうち、決まった条件を満たす中核的なものがコアコンピタンスだよ。強みなら何でもコア、というわけではないんだ。
選択肢1は「すべてコア」が誤り、選択肢2は「無関係」が誤り、選択肢4は「弱点」が誤りだね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 強みすべてがコアではない |
| 2 | ✗ | 強みのうちの中核がコア |
| 3 | ✓ | 条件を満たす中核的な強みで正しい |
| 4 | ✗ | 弱点ではなく強み |
オリジナル問題2(3つの条件)
コアコンピタンスの条件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 値段が安いこと・有名であること・古いことという3つが条件だと説明しているもの
- お客さんへの価値・真似されにくいこと・応用できることが条件だと説明している
- 社員が多いこと・建物が大きいこと・歴史が長いことが条件だと説明しているもの
- 真似されやすいこと・ひとつの事業だけで使えることが条件だと説明しているもの
解答は 2 だよ。
コアコンピタンスの3条件は、お客さんへの価値・真似されにくいこと・応用できることだよ。この3つがそろってはじめてコアと呼べるんだ。
選択肢1・3は条件と無関係、選択肢4は条件の逆(真似されにくい・応用できるが正しい)だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 値段や有名さは条件ではない |
| 2 | ✓ | 価値・模倣困難・応用可能で正しい |
| 3 | ✗ | 社員数や歴史は条件ではない |
| 4 | ✗ | 真似されにくい・応用できるが正しい |
オリジナル問題3(応用できること)
コアコンピタンスの「応用できる」という条件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ひとつの事業だけでなく、ほかの事業にも広げて活かせることだと説明している
- ひとつの事業だけにしか使えず、ほかには広げられないことだと説明しているもの
- お客さんへの価値とはまったく関係がない条件のことだと説明しているもの
- 他社にかんたんに真似される状態のことを指す条件だと説明しているもの
解答は 1 だよ。
「応用できる」とは、ひとつの事業だけでなく、ほかの事業にも広げて活かせることだよ。幅広く使える中核の力だからこそ、コアと呼べるんだ。
選択肢2は「ひとつだけ」が誤り、選択肢3は価値の条件と混同、選択肢4は真似されにくさの逆だね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | ほかの事業にも広げて活かせるで正しい |
| 2 | ✗ | ひとつの事業だけではない |
| 3 | ✗ | 別の条件(応用可能性)の話 |
| 4 | ✗ | 真似されにくさの逆 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つの条件 = お客さんへの価値・真似されにくい・応用できる。
- 🔴 強みとの違い = 強みすべてではなく、3条件を満たす中核的なものだけがコア。
- 🟡 VRIO = 経営資源がコアになりうるかを、価値・希少性・真似しにくさ・組織で評価する枠組み。
次に学ぶ
- バリューチェーン ── 価値を生む活動の流れ。どこに自社の強み(コアの源)があるかを探すのに役立つ。
執筆: SikakuQuest編集部